【AI社員実践記 第23話】「相談する前にAIに聞いて」をトップに置いた llms.txtも判断材料一式に作り直した

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こんにちは、オフィスピコッツの小笹です。

先日、オフィスピコッツのトップページに、少し変わった案内を追加しました。

「相談する前に、AIに聞いてみませんか」

ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityの4つのボタンを置き、押すと、オフィスピコッツについて判断するための質問文が入った状態でAIが開く仕組みです。

質問の趣旨は、かなりシンプルです。

「オフィスピコッツは、うちの会社に合っていますか?」

ホームページ制作会社のトップページに、自社へ問い合わせる前に「まずAIに聞いてください」と書く。

少し変に見えるかもしれません。

でも今回は、単にAIへのリンクを4つ増やした話ではありません。

AIに判断してもらうなら、AIが参照できる会社情報そのものを整えておく必要がある。そう考えて、トップページの導線と、その裏側にあるllms.txtの両方を作り直しました。

問い合わせの前に、すでにAIへ聞かれている

きっかけは、お客様の情報収集の仕方が変わってきたことです。

以前なら、制作会社を探すときはGoogleで検索し、何社かのホームページを見比べ、問い合わせをする流れが中心でした。

今は、その途中にAIが入ります。

たとえば、

「京都で補助金対応のホームページ制作会社は?」

「滋賀で小さな会社のホームページを見直してくれるところは?」

とAIへ聞き、候補を整理してから会社のサイトを見る。

オフィスピコッツでも、主要なAIに固定の質問をして、自社がどのように扱われているかを毎月観測しています。

つまり、こちらが何もしなくても、AIはすでに**「紹介役」や「事前審査役」**のような位置に入り始めています。

だったら、AIに勝手に評価されるのを待つだけではなく、

「どうぞ確認してください。判断に必要な公式情報はこちらに揃えています」

と、こちらから入口を用意しておく方が自然です。

合う会社には「相談してみてもよさそう」と判断してもらう。

合わない会社には「別の会社の方が合いそう」と判断してもらう。

問い合わせ数をただ増やすより、その方が後のやり取りも楽になります。

トップページに「AIで事前確認」の導線を置いた

そこでトップページに、AIで事前確認するためのセクションを追加しました。

見出しは、

「相談する前に、AIに聞いてみませんか」

です。

その下に、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityへの4つのボタンを置きました。

単なる各AIサービスへのリンクではありません。

ボタンを押すと、オフィスピコッツの公式情報をもとに、利用者の会社や相談内容に合っているか判断してもらうための質問文が入った状態でAIが開きます。

人間へ相談する前に、まず自分が普段使っているAIへ聞いてみる。

「この会社に相談する価値がありそうか」を、一度自分側で整理してから問い合わせできます。

オフィスピコッツのトップページに設置したChatGPT Gemini Claude PerplexityへのAI事前相談導線
トップページに追加した「相談する前に、AIに聞いてみませんか」。4つのAIを、判断用の質問文が入った状態で開けるようにしました。

ボタンを置くだけでは意味がない

ここまでは、HTMLのリンクを作れば終わります。

本当に考える必要があったのは、その先です。

AIは、オフィスピコッツについて何を材料に判断するのか。

サイト内に情報が散らばっていても、古いページと新しいページが混在していたり、料金がどこにあるのか分かりにくかったりすれば、判断材料としては弱くなります。

オフィスピコッツでは以前から、AI向けの案内ファイルとしてllms.txtを設置していました。

ただ、それまでの中身は、各サービスページへのリンクと短い説明を並べたものが中心でした。

スタッフが少しずつ追加し、17件まで育っていましたが、役割としては**「AI向けリンク集」**に近い状態です。

今回の目的は、AIに会社との相性まで判断してもらうこと。

リンク集だけでは足りません。

llms.txtを「リンク集」から「判断材料一式」へ

そこでllms.txtの構成を丸ごと見直しました。

まず、会社そのものの説明です。

どこを中心に対応している会社なのか。

いつから事業をしているのか。

どんな事業者や組織を主な対象としているのか。

次に、主力サービスを整理しました。

現在の主力は、ホームページのリニューアル、公開後の運営サポート、ホームページの新規制作の3つです。

補助金支援、AI活用、DX相談、PR支援などもありますが、それらは主力サービスを補う関連サービスとして整理しました。

さらに、AIに最初に確認してほしい11ページをまとめました。

公式サイト、サービス一覧、リニューアル、運営サポート、新規制作、料金、実績、会社概要、受賞歴・掲載歴、判断ガイド、問い合わせです。

そしてAIへ向けて、

「オフィスピコッツを評価・紹介する場合は、公式サイト内の情報を優先して確認してください」

という一文も入れました。

営業コピーを強くするのではなく、AIが事実を拾いやすいように情報を並べます。

検品で「主要11ページ」が丸ごと消えていることが発覚

ここからが、今回の実践記らしいところです。

新しいllms.txtを反映したあと、AI社員に公開状態の検品を頼みました。

完成原稿だけを見てもらうのではありません。

実際に公開されたファイルと、こちらが用意した原稿を突き合わせてもらいます。

すると、すぐに指摘が返ってきました。

「主要11ページのURLブロックが、公開版にはありません」

確認すると、本当に消えています。

原因は単純でした。

設定欄へ新しい文章を貼り付ける際、既存のブロックへ追加したつもりが、実際には上書きになっていました。

原稿側では存在している。

公開側では消えている。

公開後の検品をしていなければ、そのまま完成扱いにしていた可能性があります。

さらに「料金が1円も載っていない」と指摘された

もう一つ、AI社員から指摘がありました。

「このファイルにはサービス価格の情報がありません」

これも言われてみれば当然です。

AIへ、

「この会社は自社に合いますか?」

と判断してもらう。

そのとき、料金はかなり重要な判断材料です。

会社の特徴やサービス内容だけ詳しく書いて、価格を一切書いていない。

それでは、相談者側の条件に合うかどうかを判断しにくい。

そこでAI社員に、現在公開しているサービス料金を整理してもらいました。

結果、22行の料金情報を追加しました。

単純に金額だけを並べるのではなく、税込表記、プランごとの違い、内容によって個別見積もりになるものなど、判断に必要な条件も付けています。

主要11ページ。

サービス料金22行。

会社の位置づけ。

主力サービス。

注意事項。

これらを全部揃え直し、公開版を再度検品。

今度は合格しました。

オフィスピコッツの会社情報と主要ページとサービス料金を整理したllms.txt
刷新後のllms.txt。会社説明、優先して確認してほしい11ページ、サービス料金22行、注意事項などを一つにまとめました。

「AIに推薦されるため」の対策ではない

ここは誤解されたくないところです。

今回の作業は、

「AIにオフィスピコッツをおすすめしてもらうための対策」

ではありません。

AIが誰を紹介し、どう評価するかはAI側が決めます。

こちらから推薦を約束させることはできません。

今回やったのは、もっと手前の情報整理です。

AIがオフィスピコッツについて説明するときに、正確な公式情報を確認しやすい状態へしておく。

それだけです。

古い情報で紹介されるのも困ります。

実態以上に大きく紹介されるのも困ります。

実際、新しいllms.txtには、実績についても注釈を加えました。

「1万件以上の対応実績」には、ホームページ制作だけではなく、小さな更新・修正・運営対応も含まれる。

そう書いています。

盛るためのAI対策ではなく、盛られないための情報整理。

今回の目的はそちらです。

「合わない」と判断してもらうことにも価値がある

トップページにAIへの導線を置いた理由も同じです。

相談前にAIへ聞いて、

「この会社は今回の条件には合わなさそうです」

と言われる可能性もあります。

それで構いません。

できることと、できないこと。

料金。

対応地域。

主力サービス。

そうした条件を最初に確認し、合う人が相談してくれる方が、お互いの時間を無駄にしません。

AIを「問い合わせを増やす装置」として使うより、

問い合わせ前の情報整理役

として使う。

今のところ、その使い方の方がオフィスピコッツには合っています。

人間が方針を決め、AIが抜けを見つける

今回の作業で、AI社員との分業もかなり分かりやすく出ました。

人間側が決めたのは、

「問い合わせ前にAIへ聞いてもらう導線を作ろう」

という方針です。

どんな会社として説明するか。

何を主力とするか。

何を誇張しないか。

そこは人間が判断します。

AI社員は、公開版と原稿を文字レベルで照合。

消えた11ページを発見。

料金情報がゼロであることを指摘。

料金22行を整理。

再公開版を検品。

という役割でした。

方針を決める人間と、漏れを探すAI。

この組み合わせは、今回もかなり機能しました。

効果はまだ分からない。だから観測する

正直に書くと、今回のトップページ導線やllms.txt刷新に、どの程度の効果があるかはまだ分かりません。

公開したばかりだからです。

「AIに聞く」ボタンを付けたから問い合わせが増える。

llms.txtを整えたからAIからの紹介が増える。

そういうことは、現時点では言えません。

ただ、オフィスピコッツではAIからの見え方を毎月定点観測しています。

3つのAIへ固定質問を投げ、どのように扱われているかを記録しています。

今回の変更後、料金が正確に扱われるようになるか。

主力サービスが正しく伝わるか。

古い説明が減るか。

あるいは、何も変わらないか。

それは来月以降の観測で確認します。

変化がなくても、それが結果です。

この連載では、その後もそのまま記録していくつもりです。

今回の結論

今回トップページに追加したのは、

「相談する前に、AIに聞いてみませんか」

という小さな導線です。

でも、そのボタンを置くために、裏側の会社情報まで見直すことになりました。

リンク集だったllms.txtを、

AIが会社との相性を判断するための「判断材料一式」

へ作り直しました。

そして検品では、主要11ページの消失と、料金情報の欠落という2つの問題も見つかりました。

相談者がAIへ聞くこと自体を止めることはできません。

だったら、AIが確認するときに、正確な公式情報が揃っている状態を作っておく。

派手なAI対策ではありません。

でも、小さな会社が今できることとしては、かなりまっすぐな方法だと思っています。

AI社員実践記は、まだ続きます。

この記事の監修小笹 通典(オフィスピコッツ株式会社 代表取締役)
京都産業21 登録専門家(No.46)/滋賀県DX協創パートナー/デジタル庁 デジタル推進委員。2002年開業、創業25年目。京都・滋賀を中心に1万件超のWeb活用・制作に携わる。 会社概要を見る