もくじ
CMSリニューアルを検討するきっかけ
ホームページを運営していると、毎日のように新しい情報を発信しなければならない場面が出てきます。商品情報やキャンペーン告知、会社のニュースリリース、採用情報など、扱うコンテンツの種類は多岐にわたります。特にホームページ制作の段階で導入したCMSが使いにくい、あるいは運用コストが高いと感じている方は多いのではないでしょうか。
また、ホームページの見た目が古く感じられるようになったり、スマートフォン対応が追いついていなかったりすると、ユーザーが離脱してしまう要因にもなります。アクセス解析を通じてユーザー行動を把握すると、ページの読み込み速度やデザイン性の低下が、成果に直結してしまうケースは珍しくありません。こうした課題をまとめて解決するには、思い切ってホームページリニューアルを検討するのが効果的です。
リニューアルを検討するとき、現行のCMSのままにするのか、新しいCMSへ移行するのかという選択は大きなポイントになります。CMSはサイト運営の“心臓部”と言っても過言ではありません。掲載する情報をどのように追加・編集・削除しやすくするか、どんなデザインの柔軟性を持たせたいか、SEOの設定をどのように管理するかなど、CMSが提供する機能や拡張性はサイト運営の生産性に直結します。
しかし「CMS乗り換え」と聞くと、データ移行やデザインの再構築、システム要件の変更など、難しい作業が山積みというイメージがあるかもしれません。実際、適切な手順を踏まないまま移行を進めると、データがうまく引き継がれなかったり、サイト全体のレイアウトが崩れたりするリスクが存在します。だからこそ、あらかじめ綿密な計画を立てることが大切です。
一方で、CMSを乗り換えることで得られるメリットは非常に大きいです。運用担当者の負担が軽減され、よりスムーズにコンテンツを更新できるようになったり、プラグインや拡張機能を活用しやすくなったりといった作業効率の向上が期待できます。さらに、新しいCMSでは標準でモバイル対応やセキュリティ対策が充実している場合が多く、ユーザー体験の向上にもつながります。
こういった背景から、多くの企業や組織は「サイトの運用に関わる負担を減らすため」「最新の機能を活用してサイトの成果を高めるため」といった理由でCMSリニューアルを検討します。ホームページリニューアルをきっかけに、運用効率の見直しやデザイン刷新を同時に実行できるのも、大きな魅力といえるでしょう。
CMS選定のポイント
CMSを選ぶ際に考慮すべき要素は数多くあります。とくにホームページ制作の初期段階で選んだCMSを長く使い続ける場合、そのCMSの特性が企業や組織のビジネスにどれほどマッチしているかが成果を左右します。ここでは、CMS選定の際に注目しておきたい主なポイントをまとめます。
目的・ゴールに合った機能があるか
まずは自社のホームページの目的と、その目的を達成するために必要な機能を洗い出すことが肝心です。ニュース投稿が主となるなら簡易的な投稿機能やスケジュール投稿があれば十分かもしれませんが、複雑な商品管理や大規模なブログ運営なども求められるなら、高度な機能や拡張性が必要になります。
たとえばEC機能が必須なら、あらかじめEC向け拡張機能が用意されているCMSを選ぶとスムーズです。逆にコンテンツマーケティングを重視するなら、ブログ機能が使いやすいCMSを選択すると良いでしょう。実現したい目標に合わせてCMSの機能を精査することで、選定の軸がブレなくなります。
運用者のレベルに合わせたUI・操作性
CMSを使う際に最も頻繁に使われるのが「投稿画面」や「編集画面」です。このUI(ユーザーインターフェース)が複雑で操作がしにくいと、運用担当者に大きな負担がかかります。時間がかかった挙句、更新のタイミングが遅れてしまうことも少なくありません。
たとえばWordPressやMovable TypeのようにメジャーなCMSの場合、操作方法の情報がインターネット上に豊富に存在しています。新しい担当者が入れ替わった際にも学習コストが低く済むというメリットがあります。また、プラグインやテーマの拡張が容易な点は、サイトを成長させやすい要素の一つです。
反対に社内で独自開発されたCMSやニッチなCMSの場合、運用方法が社内の一部担当者しか理解していない状況が生まれることがあります。属人化を避けるためにも、誰でも扱いやすいCMSを選ぶことは重要です。
セキュリティ面・アップデートサイクル
最近のホームページリニューアルでは、セキュリティ面への配慮は必須事項になっています。特にWordPressは世界中で使われているがゆえに脆弱性の報告も多く、定期的なアップデートが欠かせません。ただし、頻繁にアップデートがあるということは、裏を返せば脆弱性が早期に修正されるという面でもあります。
プラグインやテーマも含めた更新作業の負担を減らすには、管理画面から自動アップデートできる機能が備わっているか、または安定したアップデートサイクルを持つCMSかどうかを確認すると安心です。企業や組織の情報を扱う以上、セキュリティ面での対策は抜かりなく行うことが求められます。
拡張性とコミュニティの充実度
ホームページはリニューアル後も継続的に成長させていくものです。最初は必要なかった機能が、時間の経過とともに求められるケースも多々あります。たとえば会員登録機能や多言語対応、予約システムなど、さまざまな追加要件が出てくるかもしれません。こうした追加要望に対して柔軟に応じられる拡張性があると、CMS乗り換えのメリットを活かして長期的に運用しやすくなります。
また、海外製やオープンソースCMSの場合、世界的なコミュニティが活発に動いていることが多いです。困った時にフォーラムやSlackなどで質問できたり、有志が開発したプラグインが多数存在していたりすると、運用面のハードルがグッと下がります。運用リソースが限られた企業や組織こそ、こうしたコミュニティパワーを上手に活用すると良いでしょう。
CMS移行の手順
実際にホームページリニューアルを行う際、CMSを乗り換えるステップにはさまざまな注意点があります。データの移行はもちろんのこと、サイト全体のURL構造やデザイン、SEO設定などにかかわる作業が多岐にわたるからです。ここでは、スムーズに移行を進めるための基本的な手順をご紹介します。
現在のサイト構成・機能の洗い出し
まずは現行サイトのページ数やコンテンツ内容を把握することがスタートです。ホームページ内に存在する全ページのURLリストや、各ページの役割、使用しているプラグインやシステムの特性を整理します。これにより、移行時にどのデータをどのように扱うかが明確になり、漏れや重複を防ぐことができます。
また、サイト内で実装しているフォームや会員機能などの特殊機能も洗い出し、どのように新CMSで再現するかを検討しましょう。この段階で予想外に機能が増えていたり、実際には使われていない機能があったりと、運用の実情が見えてくるはずです。
新CMSでのサイト設計・デザイン方針の策定
続いて、新しいCMS上でどのようなサイト構造を取るかを設計します。カテゴリ分類やタグの使い方、URLのルール、ページレイアウトの大枠などを明確にしましょう。ここで特に重要なのは、検索エンジンへの配慮としてURLを整理し、可能であれば固定リンクのルールを見直すことです。
たとえば、WordPressに移行する際に、従来のURLをできるだけ保持しつつ整合性を取るように設定することがSEO上好ましいケースがあります。URLが大きく変わるとリダイレクト設定が必要ですが、リダイレクト設定をきちんと行うことで評価を引き継げることもあります。最初に方針を固めておくと、後々の手戻りを減らせるでしょう。
また、この段階でデザイン案を用意しておき、新CMSに合わせたテンプレートやテーマを作成・カスタマイズします。デザイン面の調整は工数がかかりがちなので、必要なコンポーネントを洗い出し、再利用可能な形で設計することが大切です。
データ移行とテスト環境での検証
サイトの構造やデザインの下準備が整ったら、いよいよデータ移行の作業に進みます。移行ツールやプラグインがある場合はそれを活用し、そうでない場合はCSV形式などでエクスポート・インポートを実施するのが一般的です。特に文章量が多いブログや製品情報などでは、データ移行作業が大きなウェイトを占めるので、誤ってデータが消失しないように慎重な作業を行います。
データ移行後はテスト環境で各ページをチェックし、レイアウトの崩れやリンク切れなどがないかを確認します。フォーム機能やプラグインの動作も含め、公開前に隅々まで検証することが重要です。ここで見落としがあると、本番公開後にユーザーがエラーに直面してしまい、信頼を損ねる恐れがあります。
本番公開と最終チェック
テスト環境で問題がなければ、本番環境に切り替えを行います。ここでリダイレクト設定やSSL設定、キャッシュ設定などを行い、旧サイトから新サイトへ円滑に移行できるように調整しましょう。DNS切り替えを含めた手順をあらかじめ整理しておくと、トラブルを最小限に抑えられます。
本番公開後も、しばらくはこまめにサイト全体をチェックし、アクセス解析やコンバージョン指標をモニタリングします。想定外のエラーが発生していないか、ユーザーの利便性を阻害する箇所がないか、細かく確認しながら調整を続けると安心です。こうした点検を丁寧に行うことで、より質の高いホームページ運営へとつなげられます。
デザイン再構築の考え方
ホームページリニューアルで見た目を変えることは多いですが、単なる“見た目の刷新”だけではありません。ユーザーが求める情報へ素早くたどり着けるようにする、あるいは商品やサービスの魅力を直感的に伝えるレイアウトを考えるなど、ユーザー体験を向上させるデザインが求められます。
ユーザー目線での情報設計
デザイン再構築で最も大切なのは、ユーザーがサイトをどのように閲覧するかを想定することです。ターゲットユーザーが抱えている課題やニーズ、また使うデバイスの種類を考慮し、最適なUIを設計する必要があります。たとえばスマートフォンでアクセスするユーザーが多いのに、PC中心のレイアウトに固執してしまうと、読み込み速度や操作性の面で大きなロスが生じます。
ナビゲーションメニューの配置やボタンの大きさ、フォントサイズなど、細部まで配慮することで、初めてサイト全体がストレスなく閲覧できる状態になります。デザインに凝りすぎて重要な情報が埋もれてしまうことを防ぎ、必要な情報をユーザーが直感的に見つけられるように工夫しましょう。
ブランディングと一貫性の確保
企業や組織のブランディングを意識したデザインにすることも重要なポイントです。ロゴやカラーリング、フォント選び、写真やイラストのトーン&マナーなどを統一することで、ユーザーに“このホームページは〇〇のサイトだ”と認識してもらいやすくなります。オンライン・オフライン問わず、一貫したデザインガイドラインを策定すると、社内外の制作物の統一感も高まり、信頼性の向上につながります。
また、新デザインは長期的に使われることが予想されます。短期的に流行っているトレンドに追随するだけでなく、企業のビジョンやメッセージをきちんと反映し、使いやすさの面でもバランスをとることが大切です。無理に装飾を盛り込みすぎるのではなく、情報の優先順位を明確にして必要十分なデザインを心がけましょう。
レスポンシブデザインと表示速度への配慮
現在ではスマートフォンからのアクセスがPCアクセスを上回るケースも多くなっています。そのため、レスポンシブデザインを前提にサイトを構築することがスタンダードです。単に画面サイズに合わせて要素を縮小するのではなく、デバイスごとに最適化したレイアウトやナビゲーションを設計することで、ユーザーの利便性を大きく高められます。
さらに、表示速度はSEOにもユーザーエクスペリエンスにも大きく影響するため、画像の圧縮や不要なスクリプトの削除、キャッシュ設定の適切な使用などに留意しましょう。高速な表示は直帰率を下げ、満足度の高いユーザー体験を提供するうえでも欠かせません。デザインとパフォーマンスの両立を目指し、適切なプラグインや技術を積極的に導入すると良いでしょう。
SEO最適化のポイント
ホームページリニューアルを機に、検索エンジンからの評価を高め、より多くのユーザーを獲得したいと考える方は少なくありません。SEOは一朝一夕で成果が出るものではないため、リニューアル段階で戦略的に取り組むことが大切です。
キーワード選定とコンテンツ設計
SEOで重要なのは、ユーザーが検索するであろうキーワードを的確に捉え、そのキーワードを軸にしたコンテンツを用意することです。いくらデザインが秀逸でも、ユーザーが検索しないキーワードにばかり注力していてはアクセスにはつながりません。キーワードリサーチツールや検索ボリュームを参考にしつつ、ビジネスと関連の深い語句をリストアップし、それをもとにコンテンツを設計するとよいでしょう。
また、記事やページを作成する際は、キーワードの詰め込みではなく、ユーザーの疑問やニーズにしっかり応える情報を盛り込むことが大切です。検索意図をしっかりと捉え、具体的でわかりやすい情報を提供することで、検索エンジンからの評価も自然と高まります。
内部リンク構造の最適化
サイト内のページ同士をどのようにリンクでつなぐかも、SEOにおいて重要な要素です。ユーザーが関連する情報を横断的に取得できるように、論理的にリンクを張り巡らせることで滞在時間やページビューが増加し、サイト全体の評価向上につながります。カテゴリやタグの使い方を工夫し、情報同士の関連性をわかりやすく可視化しましょう。
ただし、むやみに内部リンクを増やすとユーザーにとってもクローラーにとっても混乱を招く場合があります。リンク先が何を扱うページなのかを明確にするため、アンカーテキスト(リンク表示文字)には適切なキーワードを含めると効果的です。
メタ情報の管理
CMS移行後の管理画面でも、ページごとのタイトルタグやメタディスクリプションをしっかりと設定できるかは、SEOに直結するポイントです。検索結果に表示されるタイトルとディスクリプションは、ユーザーがページをクリックするかどうかを判断する重要な役割を担っています。わかりやすく、魅力的なテキストを設定するよう心がけましょう。
また、URL構造も意識したいところです。カテゴリ名やキーワードを含むURLに設定することで、検索エンジンに対してページ内容を明確に伝えられます。無意味なパラメータが並ぶURLよりも、わかりやすい階層構造がSEO的にも好まれる傾向があります。
被リンク(バックリンク)対策
被リンクの獲得はSEOにおいて非常に大きなウエイトを占めるとされていますが、無理なリンク構築はペナルティのリスクがあります。リニューアル後は、ユーザーにとって有益なコンテンツを充実させることを基軸に、SNSでシェアしやすい仕組みを整えたり、プレスリリースを活用して認知度を高めたりと、自然な形でリンクを集める施策を取り入れましょう。
また、旧サイトで獲得していた被リンクは、そのまま新サイトに引き継ぐようにリダイレクト設定を徹底してください。誤ったリダイレクトやリンク切れがあると評価が分散してしまうため、SEO対策の効果を最大化するにはリンクの流れを丁寧に管理する必要があります。
コンテンツ戦略の立て方
CMS乗り換えリニューアルを成功させるためには、デザインやシステム面の見直しだけでなく、コンテンツ戦略も欠かせません。ユーザーにとって有益な情報をタイムリーに発信し、ブランドやサービスの価値を深く理解してもらうための計画をきちんと立てましょう。
ユーザーが求めるコンテンツの分析
最初に取り組むべきは、ターゲットユーザーがどのような情報を必要としているかを把握することです。アクセス解析やアンケート、営業現場からのフィードバックなどを参考に、ユーザーのペルソナを具体化し、そのペルソナが抱える課題や興味関心を洗い出しましょう。そこから逆算して、どのようなトピックをどんな形式で提供すれば良いかが見えてきます。
たとえば、製品紹介ページやカタログPDFのダウンロードだけでなく、使用方法の動画や導入事例記事などを用意することで、ユーザーが製品を具体的にイメージできるようになります。単なる商品説明にとどまらず、ユーザーの疑問を先回りして解決するようなコンテンツを準備しておくと、結果的にサイトの滞在時間や購買意欲を高めることが期待できます。
コンテンツの種類と作成計画
コンテンツとひと口に言っても、ブログ記事、ニュースリリース、ホワイトペーパー、動画、SNS投稿など、その形式は多彩です。それぞれの形式が得意とする情報伝達のスタイルを理解したうえで、目的やターゲット層に合った形式を使い分けると効果的です。たとえば長文ブログ記事は検索エンジン経由の流入を増やしやすく、SNS投稿は拡散性に優れています。
さらに、コンテンツをどのタイミングで公開するかを含めた編集カレンダーを作成し、計画的に発信する体制を整えましょう。季節イベントやキャンペーンに合わせることはもちろん、ニュースや市場動向に合わせて特集を組むなど、柔軟な運用でユーザーの興味を引き続けます。計画的なコンテンツ公開は、リニューアル後もサイトが常に新鮮な情報を発信している状態を保ちやすくなります。
更新を容易にする運用体制づくり
リニューアル時に新しいCMSへ乗り換える大きなメリットは、コンテンツの更新作業が簡単になる可能性が高いことです。運用担当者が直感的に記事を投稿できる環境が整っていれば、スピード感を持って情報を発信できます。ただし、いくらCMSが優秀でも社内の運用フローが複雑なままだと、結局更新が滞ってしまうケースもあります。
そこで、誰が、どの権限で、どの部分を更新するのかという運用ルールを明確化しましょう。承認フローが必要なページについてはCMSのワークフロープラグインを活用したり、画像や動画のアップロードサイズや形式についてはガイドラインを作るなど、運用上の取り決めをまとめておくとスムーズです。明確なガイドラインを設定することで、担当者間の混乱を防ぎ、継続的なコンテンツ更新が実現できます。
CMS乗り換えリニューアルの実行と運用
CMS乗り換えリニューアルを無事に完了させるためには、実際の実行フェーズでの注意点や運用面の継続的な改善が欠かせません。公開して終わりではなく、公開後の運用が本当のスタートともいえます。
公開前の最終確認リスト
テスト環境での検証を経て、本番公開を迎える前には以下のような項目をチェックしておきましょう。
- 全ページのURLが正しく遷移するか
- 主要なページのメタ情報(タイトル・ディスクリプション)は最適化されているか
- 旧URLから新URLへのリダイレクト設定は適切か
- セキュリティ対策(不要なプラグインの削除、アカウント管理など)は万全か
- お問い合わせフォームや決済ページなどの動作に問題はないか
- ページ読み込み速度に大きな問題はないか
こうした最終チェックリストを事前に用意しておくと、担当者間での認識共有がスムーズになります。特にリニューアル直後はアクセス数の変動があるため、できる限り不備を残さないようにしておきたいところです。
運用体制の確立と担当者教育
CMS乗り換えに伴い、操作方法や更新フローが変わる場合、担当者への教育やマニュアル整備が重要です。シンプルなCMSを導入したとしても、担当者が使いこなせなければ運用の効率化は実現しません。そこで、公開前後で研修や勉強会を実施し、CMSの基本操作やトラブルシューティングの方法を周知させましょう。
また、サイトの更新方針に関しても、定期的にミーティングを行い、新しいコンテンツのアイデアや改善策を話し合う機会を設けると、継続的にサイトを成長させるモチベーションを保ちやすくなります。リニューアル直後だけ一時的に頑張るのではなく、長期的に改善を続ける姿勢が大切です。
アクセス解析とデータドリブンな改善
CMS乗り換えリニューアル後は、GoogleアナリティクスやSearch Consoleなどのアクセス解析ツールを活用し、ユーザーの行動データを逐一確認する習慣を身につけましょう。どのページからの離脱率が高いのか、どのキーワードで流入しているのか、フォーム送信率は改善しているのかなどを客観的なデータで把握することで、的確なサイト改善が可能になります。
たとえば新CMSで作成したページテンプレートが使いやすいかどうか、デザイン変更が成果につながっているかどうかは、データを見なければ判断できません。数字をもとに、ABテストを実施したり、内部リンク構造を見直したりすると、より高いコンバージョンを期待できます。
継続的なアップデートとセキュリティ強化
リニューアル後も、新しいCMSのアップデートは定期的に行いましょう。オープンソースCMSの場合は特に、バージョンアップや脆弱性修正の情報が出たら早めに対応することで、セキュリティリスクを大幅に低減できます。ただし、アップデートによるプラグインやテーマとの互換性問題が発生する可能性もあるため、必ずテスト環境で確認してから本番適用することが望ましいです。
あわせて、ログイン画面の二段階認証や管理画面のアクセス制限を設定するなど、セキュリティ強化策を随時検討し、リニューアル後も安全な運用を続けていきましょう。これらの対策を怠ると、サイトの評判だけでなく企業の信頼にも影響が出るため注意が必要です。
よくある失敗とその回避策
ホームページリニューアルは大掛かりなプロジェクトであり、特にCMSの乗り換えを伴うと多くの工数とリソースを消費します。そのため、いくつかの典型的な失敗パターンが存在します。あらかじめ知っておくことで、事前に対策を講じられるでしょう。
スケジュールの見通しが甘い
CMS乗り換えには、デザインやテンプレートの再構築、データ移行、プラグイン設定、URLリダイレクトなど、多岐にわたる作業が含まれます。各作業が想定外に手間取ったり、外部の制作パートナーからの納品が遅れたりすると、当初の公開日がずれ込んでしまうケースが少なくありません。十分なバッファを見込んだスケジュールを組むことが重要です。
テスト不十分でエラーが多発
データ移行後にテスト環境でサイトをチェックせずに本番公開すると、リンク切れやレイアウト崩れなど、ユーザーにとって致命的なエラーが見つかる場合があります。特にフォーム機能や支払い機能などの実装は、わずかな不備が大きなクレームや機会損失につながることも。公開前には複数名で入念にテストし、公開後も速やかに不具合を修正できる体制を整えておきましょう。
リダイレクト設定の不備によるSEO評価の低下
旧サイトで蓄積してきた検索エンジンの評価を、ホームページリニューアルでリセットしてしまうのは非常にもったいないことです。URL変更を伴う場合は、旧URLから新URLへ適切に301リダイレクトを設定し、エンジンに新しいサイトを認識させる必要があります。リダイレクトが間違っているとリンク切れや重複コンテンツ扱いが発生し、検索順位が大きく下がるリスクがあります。
運用担当者の教育が追いつかない
新しいCMSの操作方法を担当者が理解していないと、公開後の運用が滞るだけでなく、誤操作によるサイト崩壊の恐れもあります。研修やドキュメント整備をおざなりにせず、運用体制をしっかり作り上げることで失敗を回避できます。
目的を見失った単なるデザイン変更
見た目を一新することがホームページリニューアルのゴールになってしまい、ユーザー体験の改善やビジネス成果の向上といった本来の目的が後回しになる失敗例も見られます。サイトがいくらカッコよくなっても、ユーザーにとって使いにくいものでは意味がありません。目的とゴールを常に意識しながら進めることが重要です。
プロジェクト管理のポイント
大規模なリニューアルになるほど、プロジェクト管理が成否を分けます。スケジュールや予算、タスクの進捗状況などを可視化し、ステークホルダー全員と情報共有する仕組みを整えましょう。
明確な責任分担
CMS移行プロジェクトでは、デザイナーや開発者、コンテンツ担当者など、多くの関係者が関わります。担当者ごとに責任範囲を明確にすることで、誰が何をすべきかが分かりやすくなり、タスク漏れやミスコミュニケーションを防ぎやすくなります。チーム内で役割を明確に決めておくことが成功の鍵です。
タスク管理ツールの活用
リニューアル関連のタスクは数が多いため、プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールの導入を検討しましょう。タスクの優先度や締め切りを設定し、進捗状況をチーム全員がリアルタイムに把握できるようにすると、問題が発生したときにすぐ対処できる体制が整います。チャットツールと連携させれば、コミュニケーションの効率も大幅に向上します。
定期的なミーティングとレビュー
週次や隔週など、定期的にミーティングを設け、タスクの進捗や懸念事項を共有しましょう。各担当者が抱えている問題点を早期に把握し、全体としての解決策を検討することでプロジェクトがスムーズに進行します。また、一定の節目ごとにデザイン案や機能実装のレビューを行い、ステークホルダーの合意を得ながら進めることで、大きな手戻りを防ぎやすくなります。
まとめ
CMS乗り換えリニューアルは、サイト運営におけるさまざまな悩みを解決し、ホームページ制作で得られる成果をさらに高めるための強力な施策です。ただし、単にデザインを変えるだけや、システムを乗り換えるだけでは意味がなく、包括的な視点で計画と実行を進める必要があります。
- 目的を明確にする
ホームページのリニューアルを通じて、どのような効果を得たいのか、どんな課題を解決したいのかを整理し、そこからCMSやデザインの要件を導き出しましょう。 - CMS選定と事前調査
運用者のスキルや組織のビジネスモデルに合うCMSを選び、現行サイトの構造やデータを洗い出して、移行計画をしっかり立てることでトラブルを最小限に抑えられます。 - デザインとSEOの両立
見た目の刷新だけでなく、ユーザーにとって使いやすく、検索エンジンにも評価されるサイトを目指しましょう。レスポンシブデザインや高速表示、適切な内部リンク構造などを徹底すると効果的です。 - 運用体制の強化
CMS乗り換えによるメリットを最大限に活かすには、更新フローや担当者教育を整備し、スムーズなコンテンツ更新を実現することが重要です。 - 継続的な改善と保守
本番公開後も、アクセス解析や定期的なアップデートでサイトを最新の状態に保ち、ユーザーを惹きつけ続けることが大切です。
ホームページはリニューアルしたら終わりではなく、その先の運用や継続的な改善がより大きな成果を生み出します。CMSを乗り換えて運用負荷を下げれば、より魅力的なコンテンツの制作や新しい施策への挑戦に注力できます。今後の市場変化や技術進化にも柔軟に対応できるよう、常に新しい情報をキャッチアップしながら、長期的視点でホームページを育てていくことを心がけてください。
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営についてのご相談はお気軽に下記より。
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ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例を随時ご紹介させていただきます。事例は、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリュームといった具体的な内容を紹介させていただきます。
少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
ホームページのリニューアルをご希望の方
ホームページのリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。
ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業と公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
ECサイトやホームページ制作をご希望の方
ECサイトやホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。
ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、Sプラン。
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