【徹底解説】京都市の補助金「IMPACT FLOW KYOTO」をホームページ制作・ウェブ広告に活用する完全ガイド(2025-2026年度版)

京都市で社会課題解決型のビジネスに挑戦するスタートアップや創業予定者の皆様へ。

「革新的なアイデアはあるが、事業を広く知ってもらうためのWebサイトや広告にかける資金が足りない」
「グローバル展開を目指す上で、多言語対応の本格的なホームページが必要だ」
「Product Market Fit(PMF)を達成するために、ウェブ広告でターゲット顧客の反応をテストしたい」

このような課題を抱えていませんか?

京都市が実施する「世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト『IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026』」は、まさにそうした皆様を力強く後押しするための補助金制度です。この制度をうまく活用すれば、最大200万円(補助率3分の2) の資金的支援を受けながら、事業の根幹となるデジタルマーケティング基盤を構築することが可能になります。

しかし、補助金の申請は複雑で、書類も多く、「自分の事業が対象になるのか?」「ホームページ制作費は本当に対象経費なのか?」「申請のポイントは?」など、多くの疑問が湧いてくることでしょう。

そこでこの記事では、提供された公式資料(「よくあるご質問と回答」「募集要領」「補助金交付要綱」)を徹底的に読み解き、特にホームページ制作、サイトリニューアル、そしてウェブ広告の出稿を検討している事業者様に特化して、以下の内容を詳細に解説します。

  • 本補助金でホームページ制作やウェブ広告が「対象経費」となる根拠
  • 自社が補助対象となるかの「申請資格」完全チェックリスト
  • 「創業支援部門」と「STEP-UP部門」のどちらで申請すべきか
  • 申請から採択、補助金受取までの全ステップとスケジュール
  • 審査で評価される「事業計画書」の書き方とアピールポイント
  • 採択後に注意すべき経費の計上方法と証拠書類の揃え方

この記事を最後までお読みいただければ、「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」の全体像を深く理解し、自信を持って申請準備を進めることができるようになります。貴社の事業を飛躍させる大きなチャンスを、ぜひ掴み取ってください。

もくじ

1. 【結論】ホームページ制作・ウェブ広告はこの補助金の対象です!

まず最も重要な結論からお伝えします。本補助金は、ホームページの新規制作やリニューアル、そしてウェブ広告の費用に活用できます

その根拠は、公式の「募集要領」および「補助金交付要綱」の「補助対象経費」の表に明確に記載されています。

補助対象経費となる根拠

補助対象となる経費は、大きく「事業費」「委託費」「家賃」「直接人件費」に分類されます。このうち、ホームページ制作やウェブ広告に直接関連するのは「委託費」と「事業費」です。

1. ホームページ制作・リニューアル費用 → 「委託費」

「募集要領」P.4および「補助金交付要綱」別表2の「委託費」の区分を見てみましょう。

経費の区分:委託費内容・留意点:

  • 外注・委託費:自社内で加工・製作することが困難な部材や組立、ソフトウェア等について、図面・仕様等を明示した上で外部に依頼する場合に要する経費や、要求仕様のみを示し相手方ノウハウにも期待した上での外部への製造委託等に要する経費(ただし、補助対象事業の核となる要素すべてを委託することはできません。)
  • 市場調査、デザイン料、システム開発費、ホームページ(webサイト)制作等

ここに「ホームページ(webサイト)制作等」とはっきりと明記されています。これは、Web制作会社などの外部業者にホームページの新規制作や、既存サイトの機能追加・デザイン変更といったリニューアルを依頼する費用が、補助金の対象となることを示しています。

「システム開発費」も対象であるため、例えば以下のような高度な機能を持つウェブサイトの構築も視野に入ります。

  • 活用例(ホームページ制作・リニューアル)
    • 新規ウェブサイト制作:事業内容、サービス紹介、企業理念、実績などを掲載するコーポレートサイトの構築。
    • サービスサイト制作:特定のプロダクトやサービスに特化し、オンラインでの申込や問い合わせ獲得を目指すサイトの構築。
    • 多言語サイトの構築:グローバル展開を見据え、英語、中国語などに対応したサイトを構築。
    • ウェブサイトリニューアル:古くなったデザインの刷新、スマートフォン対応(レスポンシブデザイン化)、UI/UXの改善。
    • 機能追加:オンライン予約システム、Eコマース(EC)機能、会員管理システム、データベース連携などの実装。

注意点:「補助対象事業の核となる要素すべてを委託することはできません」
この一文は重要です。例えば、事業のすべてが「ある特定のウェブサイトを運営すること」そのものである場合、そのサイト制作を丸ごと外部に委託すると「核となる要素のすべてを委託」したと見なされる可能性があります。あくまでホームページは、自社の社会課題解決型ビジネスを推進・紹介するためのツールである、という位置づけを事業計画書の中で明確にする必要があります。

2. ウェブ広告費用 → 「事業費」

次に、ウェブ広告の費用です。これは「募集要領」P.4および「補助金交付要綱」別表2の「事業費」の中の「その他直接経費」に含まれます。

経費の区分:事業費 > その他直接経費内容・留意点:

  • 広告料、パンフレット・リーフレット等の作成費、通訳料、翻訳料、…

「広告料」が補助対象として明記されています。これにより、以下のような様々なオンライン広告の出稿費用を補助金で賄うことが可能になります。

  • 活用例(ウェブ広告)
    • リスティング広告(検索連動型広告):GoogleやYahoo!で特定のキーワードを検索したユーザーに対し、自社のサイトを表示させる広告。サービスを能動的に探している顕在層に効果的にアプローチできます。
    • ディスプレイ広告:ウェブサイトやアプリの広告枠に表示されるバナー広告や動画広告。幅広い層への認知度向上(ブランディング)に有効です。
    • SNS広告:Facebook, Instagram, X (旧Twitter), LinkedInなどで、ユーザーの属性や興味関心に基づいてターゲティングできる広告。特定のコミュニティやターゲット層にピンポイントで訴求できます。
    • 動画広告:YouTubeなどで配信する動画形式の広告。サービスの内容を分かりやすく伝え、エンゲージメントを高める効果が期待できます。

これらの経費が補助対象であることは、事業の初期段階で顧客獲得や市場調査を行うスタートアップにとって、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

2. あなたは対象?申請資格セルフチェックリスト

ホームページ制作費や広告費が対象になるとわかったところで、次に「自社がそもそもこの補助金を申請できるのか?」という最も基本的な条件を確認しましょう。

本補助金には「創業支援部門」と「STEP-UP部門」の2つの部門があり、それぞれ対象者や補助上限額が異なります。まずは共通の要件を確認し、その後、部門ごとの違いを見ていきましょう。

【STEP 1】全申請者に共通の基本要件チェック

以下の項目をすべて満たしているか、確認してください。一つでも当てはまらない場合は、原則として申請対象外となります。

□ 1. 事業の目的:社会課題解決とグローバル展開の可能性

  • あなたの事業は、環境、エネルギー、教育、医療、文化など、何らかの社会課題の解決に貢献するものですか?
  • 将来的には日本国内に留まらず、グローバルな展開を見据えていますか?
    • (「募集要領」P.1より、本事業は「グローバル展開を見据え、革新的な技術や斬新なアイデアで、あらゆる分野の社会課題の解決に挑戦する」事業者を支援することを目的としています。)

□ 2. 事業拠点:京都市内での事業

  • (既に京都市内に拠点がある場合) 京都市内に本店または支店等の事業拠点を設置し、商業登記を済ませていますか?
  • (京都市外の事業者・創業予定者の場合)遅くとも2027年2月28日までに京都市内に事業所を設置し、商業登記を行う計画がありますか?
    • (「よくあるご質問と回答」Q2より。この日までに登記が完了しないと補助金は受けられません。)
    • ポイント:申請時点では京都市内に拠点がなくても申請可能です。ASTEMが運営するコワーキングスペース「STC3」の紹介など、事業所設置に向けた相談支援も受けられます。

□ 3. 法人形態:対象は「会社」のみ

  • 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社のいずれかの形態で法人を設立済み、または設立予定ですか?
  • 注意:個人事業主、一般社団法人、NPO法人、社会福祉法人などの形態は対象外です。(「よくあるご質問と回答」Q5, Q8, Q15より)
  • ポイント:申請時点で個人事業主の方も、遅くとも2027年2月28日までに上記のいずれかの会社形態で設立・登記をすれば申請可能です。

□ 4. 中小企業者であること

  • 「中小企業基本法」で定義される中小企業者に該当しますか?(資本金と従業員数の基準。詳細は「募集要領」P.11の別表1を参照)
  • 「みなし大企業」ではないですか?
    • 大企業が株式の1/2以上を所有している、などの条件に該当しないか確認が必要です。(「補助金交付要綱」第2条参照)

□ 5. 税金の滞納がないこと

  • 住所地(法人の場合は本店所在地)の市税を滞納していませんか
    • 京都市内の事業者は京都市税、市外の事業者はその所在地の自治体の税金です。(「補助金交付要綱」第2条参照)
    • 納税証明書の提出が求められます。

□ 6. 反社会的勢力ではないこと

  • 役員等が暴力団員等、反社会的勢力と一切の関係がないことを誓約できますか?
    • (「募集要領」P.10参照)

□ 7. その他

  • (外国人の方の場合) 日本国籍を有していない場合、遅くとも2027年2月28日までに「経営・管理」等の在留資格を取得する見込みがありますか?(「募集要領」P.3参照)
  • (過去に補助金を受給した場合) 過去に「京都市スタートアップによる新型コロナ課題解決事業補助金」や「スタートアップによる社会課題解決事業」の補助金を受けた場合でも申請可能ですが、海外展開や新規事業の立ち上げ等、新たな取組に限られます。「IMPACT FLOW KYOTO」の補助金を過去に受けた場合も同様です。(「よくあるご質問と回答」Q6, Q7より)

【STEP 2】2つの部門、どちらに申請する?

上記の基本要件をクリアしたら、次に自社がどちらの部門に該当するかを確認します。これは非常に重要で、補助金の上限額が大きく異なります。

部門名創業支援部門STEP-UP部門
目的創業前の起業家・創業間もないスタートアップを支援し、新たなスタートアップの創出・成長につなげる。PMF実現に向けた商品・サービス開発等を支援し、成長を促進させる。
対象者・創業前の起業家<br>・創業2年未満のスタートアップ・創業からシリーズA(シリーズBに至ってない)までの段階のスタートアップ<br>・創業10年未満の中小企業者
補助上限額50万円200万円
補助率補助対象経費の3分の2以内補助対象経費の3分の2以内
補助事業期間令和8年4月1日~令和9年2月28日令和8年4月1日~令和9年2月28日
採択件数6件程度6件程度

(「募集要領」P.3より作成)

自社はどちらの部門?判断のポイント

  • 創業からの期間で判断する
    • 創業2年未満(2023年6月30日以降に会社設立)の場合:「創業支援部門」「STEP-UP部門」の両方に申請可能です。(「よくあるご質問と回答」Q18より)
      • ただし、両部門に重複して申請することはできません。
      • どちらを選ぶべきか?
        • 事業がまだアイデア段階で、まずは市場調査やプロトタイプ開発、そのためのシンプルなWebサイト制作を考えているなら「創業支援部門」(上限50万円)。
        • 既にプロダクトの方向性が見えており、本格的なサービスサイト構築やウェブ広告による顧客獲得を積極的に行いたい場合は、より高額な支援が受けられる「STEP-UP部門」(上限200万円)を目指すのが合理的です。事業計画の規模と必要な経費で判断しましょう。
    • 創業2年以上10年未満の場合:自動的に「STEP-UP部門」が申請対象となります。
  • 「創業日」の定義
    • 本補助金における「創業日」は、登記事項証明書に記載されている「会社成立の年月日」です。(「よくあるご質問と回答」Q10より)
    • 「創業10年未満」などの計算は、申請日(交付申請書記載の日付)を基準に行います。(「よくあるご質問と回答」Q9より)

ホームページ制作・ウェブ広告の観点から見た部門選択

  • 創業支援部門(上限50万円)
    • 補助金総額が50万円のため、経費総額75万円(75万円 × 2/3 = 50万円)までの事業が対象です。
    • 活用イメージ
      • シンプルなコーポレートサイトやLP(ランディングページ)の制作(30~50万円)
      • 少額でのテストマーケティングとしてのウェブ広告出稿(10~20万円)
      • これらを組み合わせて、事業の初期仮説検証を行う。
  • STEP-UP部門(上限200万円)
    • 補助金総額が200万円のため、経費総額300万円(300万円 × 2/3 = 200万円)までの事業が対象です。
    • 活用イメージ
      • 予約機能やデータベース連携などを含む高機能なサービスサイトの構築(100~150万円)
      • 本格的な顧客獲得を目指すための継続的なウェブ広告キャンペーン(50~100万円)
      • 海外展開を見据えた多言語サイトの構築と、海外向け広告の実施。

自社の事業ステージと、これから1年半(補助事業期間)で達成したい目標を照らし合わせ、最適な部門を選択することが、採択への第一歩となります。

3. 申請から補助金受取までの完全ロードマップ

申請資格と部門が決まったら、具体的な手続きの流れを把握しましょう。申請準備から事業完了後の精算まで、全体の流れと各ステップでの注意点を解説します。

全体スケジュール

時期イベントやること・注意点
令和7年(2025年)
6月30日(月)~10月17日(金) 17時申請受付期間【最重要】WEB申請のみ。17時必着。余裕を持った申請を!
11月頃1次審査(オンラインプレゼン)事前に書類審査の可能性あり。プレゼン資料の準備。
11月下旬頃1次審査結果通知通過者には最終審査の案内。
令和8年(2026年)
1月22日(木)最終審査(公開プレゼン会)京都リサーチパークで開催。VCや投資家も参加する重要な場。
3月上旬頃交付決定通知採択結果が通知される。
4月1日補助事業開始この日以降に発注・契約・支払いした経費が対象。
令和9年(2027年)
~2月28日補助事業期間満了この日までに全ての事業(納品・支払い含む)を完了させる必要あり。
3月6日(金)まで実績報告書 最終提出期日事業完了後6日以内に提出。証拠書類一式を揃える。
~3月31日検査・金額確定・精算払事務局による検査後、補助金額が確定し、指定口座に振り込まれる。

(「募集要領」P.7より作成)

STEP 1:申請準備(~2025年10月17日)

ここが最初の、そして最大の関門です。提出書類を不備なく揃え、審査員を納得させる事業計画書を作成する必要があります。

1. 申請方法の確認

  • WEB申請のみです。郵送や持参は受け付けられません。(「よくあるご質問と回答」Q10, Q11 on P.3)
  • 申請用URL: https://www.astem.or.jp/entre/startup/app2025
  • 注意:締切直前はアクセスが集中し、サーバーが混雑する可能性があります。数日前にアップロードを完了させるくらいの余裕を持ちましょう。データ容量は1回10MBまで(PDF, PPT, JPEG形式)なので、超える場合は複数回に分けてアップロードします。(「募集要領」P.6)

2. 必要書類の準備

申請に必要な書類は、部門や状況によって異なります。以下の表で自社に必要なものを確認し、早めに入手・作成しましょう。

書類名創業支援部門STEP-UP部門入手・作成のポイント
交付申請書(様式第1号)ASTEMのHPからダウンロード。誤字脱字なく正確に記入。
事業計画書(様式第2号)【最重要】 審査の核となる書類。後述するポイントを参考に作成。
商業登記事項全部証明書△ (※1)法務局で取得(オンラインも可)。発行後3ヶ月以内のもの。
賃貸契約書の写し△ (※2)△ (※2)家賃を補助対象経費に含める場合のみ。
代表者の住民票△ (※2)△ (※2)家賃を補助対象経費に含める場合のみ。発行後3ヶ月以内のもの。
法人等の事業内容がわかるもの会社パンフレットやサービス概要資料など。
直近2期分の決算報告書△ (※1)税務署受付印のあるもの。創業間もない場合は不要(理由を説明)。
納税証明書△ (※1)市役所等で取得。京都市内の事業者は「市民税、固定資産税及び都市計画税」の証明書。発行後3ヶ月以内のもの。
住民票(申請者のもの)○ (※3)創業前の場合のみ必要。発行後3ヶ月以内のもの。
(外国籍の方)在留カード等表裏の写し。

(「募集要領」P.5より作成)

  • (※1) 創業前の場合は不要です。「創業間もなく決算書がない」等の理由があれば、決算書や納税証明書の提出は不要です。(「よくあるご質問と回答」Q14 on P.3)
  • (※2) 家賃を補助対象経費に計上する場合にのみ必要です。
  • (※3) 創業前の起業家として申請する場合に必要です。

3. 【最重要】「事業計画書」作成のポイント

事業計画書は、採択されるか否かを決める最も重要な書類です。審査員は以下の観点から、あなたの事業を評価します。

<審査の観点> (「募集要領」P.7より)

  • 社会課題の深掘りができているか
  • 事業(社会課題解決策)の具体性事業成長の可能性を有しているか
  • 社会への貢献度が高く、地域経済の活性化さらにはグローバル展開が望めるか
  • 申請者の業務執行能力

これらの観点を踏まえ、ホームページ制作やウェブ広告を計画に盛り込む際には、以下の点を意識して記述しましょう。

  • 「なぜ今、ホームページや広告が必要なのか」を明確にする
    • 単に「作りたいから」ではなく、「社会課題解決のプロダクトを、まず〇〇というターゲット層に届けるため、その受け皿となるLPを作成し、SNS広告でテストマーケティングを実施する必要がある」といったように、事業フェーズと目的を明確に結びつけます。
  • ウェブ戦略を「事業成長の可能性」に繋げる
    • ホームページや広告が、どのようにして顧客獲得、売上向上、PMF達成、そして最終的なグローバル展開に繋がっていくのか、そのストーリーと具体的なKPI(重要業績評価指標)を示します。
    • 例:「ウェブサイトからの問い合わせ件数を〇ヶ月で△件獲得し、そのうち□%を成約に繋げる。この実績をもってシリーズAの資金調達を目指し、その資金で海外向けサイトを構築し、〇〇国での展開を開始する」
  • 「業務執行能力」を示す
    • 自社にウェブマーケティングの知見がなくても、「この分野で実績のある〇〇社にホームページ制作を委託する」「広告運用は△△の経験を持つ専門家に業務委託する」など、信頼できるパートナーと連携する計画を示すことで、計画の実現可能性(業務執行能力)をアピールできます。
    • 見積書を添付できると、計画の具体性とコスト感覚の妥当性を示せ、より説得力が増します。

収支予算書のポイント

事業計画書に含まれる収支予算書では、ホームページ制作費や広告費を正確に見積もり、経費として計上します。

  • 「委託費」の欄に「ホームページ制作費」として〇〇円。
  • 「事業費(その他直接経費)」の欄に「広告料」として〇〇円。
  • 金額の妥当性を示すため、Web制作会社や広告代理店から相見積もりを取っておくことを強く推奨します。

STEP 2:審査(2025年11月~2026年1月)

書類を提出したら、審査プロセスに進みます。

  • 1次審査(11月頃):オンラインでのプレゼンテーション形式です。事業計画書の内容を基に、熱意と計画の具体性を伝えましょう。申請者多数の場合は、プレゼン前に書類審査が実施される可能性もあります。
  • 最終審査(1月22日):1次審査を通過すると、京都リサーチパークでの公開プレゼンテーションに臨みます。VCやエンジェル投資家、事業会社なども参加する注目のイベントです。自社のビジョンを力強くアピールする絶好の機会と捉え、万全の準備で挑みましょう。

STEP 3:採択後の事業実施(2026年4月1日~2027年2月28日)

交付決定通知を受けたら、いよいよ補助事業の開始です。ここからは経理処理が非常に重要になります。

【超重要】経費支払いのルール

  • 対象期間:補助対象となるのは、令和8年(2026年)4月1日 から 令和9年(2027年)2月28日までの間に、発注・契約・納品・支払いのすべてが完了した経費です。
  • フライング禁止:2026年3月31日以前に発注したり支払ったりした経費は対象外です。
  • 支払い完了必須:2027年2月28日までに支払いが完了していない経費も対象外です。
    • (「募集要領」P.5【経理処理上、次のような場合は補助金の交付対象となりません。】より)

ホームページ制作・ウェブ広告費用の支払いと証拠書類

採択後、実際にWeb制作会社に制作を依頼し、広告を出稿する際には、以下の書類を必ず保管してください。これらは事業完了後の実績報告で必須となります。

経費の種類必要な証拠書類の例
ホームページ制作見積書(制作会社発行のもの。相見積もりがあればなお良い)<br>② 契約書 or 発注書・請書(業務内容、金額、納期が明記されている)<br>③ 納品書(制作会社発行のもの)<br>④ 請求書(制作会社発行のもの)<br>⑤ 支払いを証明するもの(銀行の振込明細書、通帳のコピーなど)
ウェブ広告申込書 or 契約書(広告代理店やプラットフォームとの契約内容)<br>② 広告の出稿内容がわかるもの(管理画面のスクリーンショット、レポートなど)<br>③ 請求書(広告代理店やプラットフォーム発行のもの)<br>④ 支払いを証明するもの(銀行の振込明細書、クレジットカード利用明細など)

(「募集要領」P.8 <実績報告書の添付書類>より)

これらの書類は一連の取引の流れがわかるように整理しておくことが重要です。一つの取引に対して、見積もりから支払い完了までが明確に追えるようにしておきましょう。

その他の対象経費・対象外経費

ホームページ制作費や広告費以外にも、様々な経費が補助対象となります。一方で、対象外となる経費も細かく定められています。

  • 主な対象経費の例
    • 直接人件費:事業に直接従事する従業員の人件費。役員は原則対象外ですが、小規模事業者(製造業20名以下、商業・サービス業5名以下)の場合は対象となります。(「募集要領」P.4)
    • 家賃:事業所の家賃(月1万円上限など、条件あり)。(「募集要領」P.4)
    • 旅費、材料費、機械装置購入費、リース料、謝金 など。
  • 主な対象外経費の例
    • 消費税及び地方消費税相当額
    • 光熱水費、通信費
    • 借入に伴う支払利息
    • 不動産購入費
    • 飲食・接待費
    • 振込手数料(ただし、相手方負担で価格に含まれている場合は可)
    • その他、公的資金の使途として社会通念上不適切と認められる費用
      (「よくあるご質問と回答」Q19 on P.5, 「募集要領」P.4)

特に消費税振込手数料は対象外である点に注意し、経費計算を行いましょう。

STEP 4:事業完了と補助金の受取(2027年3月)

補助事業期間(~2027年2月28日)が終了したら、最後の仕上げである実績報告を行います。

  • 実績報告書の提出
    • 提出期限:事業完了から6日以内(遅くとも令和9年3月6日まで)。
    • 提出物:実績報告書(様式第7号)、事業報告書(様式第8号)、精算報告書(様式第9号)に加え、STEP3で集めたすべての証拠書類の写しを添付します。
    • 提出方法:Eメールでの提出が求められます。
  • 検査と金額確定
    • 提出された書類を基に、事務局が事業内容と経費の妥当性を検査します。(場合によっては現地検査もあります)
    • この検査を経て、最終的な補助金の交付額が確定します。申請内容と実績が大きく異なる場合や、経費が不適切と判断された場合は、交付決定額から減額されることがあります。
  • 補助金の振込
    • 金額確定後、指定した法人口座に補助金が振り込まれます。
    • 原則はこの「精算払い」ですが、京都市内に事業所がある中小企業者は、事業期間中に交付予定額の1/2を上限に前払いを受けられる「概算払い」を申請することも可能です(直接人件費と家賃は対象外)。(「補助金交付要綱」第16条)

4. よくある質問(FAQ)から見る申請のヒント

最後に、「よくあるご質問と回答」の中から、特にWeb活用を考える事業者が押さえておくべきポイントを、解説を加えてご紹介します。

Q. 他の補助金と併用できますか?

A. 可能です。ただし、計算ルールがあります。(「よくあるご質問と回答」Q12 on P.1)本補助金の額は、以下のうち最も低い額が上限となります。① (補助対象経費の総額 ー 他の補助金額) × 2/3② 補助対象経費の総額 × 2/3③ 本補助金の上限額(50万円 or 200万円)

例えば、STEP-UP部門でホームページ制作と広告に300万円の経費を計画し、国の別の補助金で60万円の交付が確定した場合、① (300万円 – 60万円) × 2/3 = 160万円② 300万円 × 2/3 = 200万円③ 200万円⇒この場合、本補助金の交付額は160万円が上限となります。他の補助金と併用する場合は、資金計画を慎重に立てる必要があります。

Q. 創業から2年未満ですが、「創業支援部門」と「STEP-UP部門」どちらで申請すべきですか?

A. どちらの部門にも申請できますが、重複申請はできません。(「よくあるご質問と回答」Q18 on P.2)これは、前述の通り、自社の事業計画の規模と必要な投資額で判断すべき戦略的な選択です。上限200万円の「STEP-UP部門」を狙うのであれば、それに見合うだけの事業の具体性、成長戦略、そして社会へのインパクトを事業計画書で示す必要があります。ホームページ制作や広告にかける費用が合計75万円以下で収まる見込みなら、「創業支援部門」で堅実に採択を目指すのも一つの手です。

Q. 申請書を事前にチェックしてもらえますか?

A. できません。(「よくあるご質問と回答」Q8 on P.3)審査の公平性を期すため、事務局による個別の事前確認は行われません。ただし、ASTEMのホームページに募集要領や記入例が掲載されているので、それを熟読して不備のないように作成してください。不明な点があれば、メール(startup-kyoto@astem.or.jp)で問い合わせることは可能です。

Q. STC3に入会すると月額利用料が免除になる特典とは?

A. 本事業をきっかけに京都市外から進出するスタートアップや創業予定者が、ASTEM運営のコワーキングスペース「STC3」に入会する場合、入会日から1年間、月額利用料(11,000円/月)が免除されます(入会金11,000円は別途必要)。(「募集要領」P.10)これは、京都市外から進出を考えている事業者にとって非常に魅力的な特典です。京都市内に事業所を構える際の初期コストを大幅に抑えることができます。

まとめ:補助金を最大限に活用し、事業を飛躍させるために

「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」は、社会課題解決という高い志を持つ京都の起業家にとって、またとないチャンスです。特に、事業の成否を分けるデジタルマーケティングの初期投資を、最大200万円まで支援してくれる点は、計り知れない価値があります。

この記事で解説したポイントを改めてまとめます。

  1. 対象経費の確信を持つ:ホームページ制作は「委託費」、ウェブ広告は「事業費(広告料)」として、明確に補助対象です。自信をもって事業計画に盛り込みましょう。
  2. 申請資格を正確に把握する:自社が共通要件を満たすか、そして「創業支援部門」「STEP-UP部門」のどちらに該当するかを正しく判断することが、すべての始まりです。
  3. 事業計画こそが勝負の分かれ目:「なぜウェブサイトが必要なのか」「広告で何を達成するのか」を、本事業の目的である「社会課題解決」「グローバル展開」「事業成長」という大きな文脈の中に位置づけ、説得力のあるストーリーとして描き出してください。
  4. 証拠書類は命綱:採択されたら、見積書から支払証明まで、すべての取引の証拠書類を完璧に保管・管理する習慣をつけましょう。これがなければ、補助金は1円も受け取れません。
  5. スケジュールを厳守する:申請締切、事業期間、報告書提出期限など、すべてのスケジュールは絶対です。常に先を見越して、余裕を持った行動を心がけてください。

ホームページやウェブ広告は、単なる経費を使うためのツールではありません。それらは、あなたの素晴らしいアイデアやプロダクトを世の中に届け、社会を変えるための強力な武器です。この補助金は、その武器を手に入れるための資金を提供してくれます。

ぜひ、この機会を最大限に活用し、貴社の事業を京都から世界へと羽ばたかせてください。本記事が、その一助となれば幸いです。

公式サイト

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業の募集 – 京都高度技術研究所 アステム(ASTEM)

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世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したホームページのリニューアルをご希望の方

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したホームページのリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。

ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業と公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。

ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したサイト運営サポートをご希望の方

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したサイト運営サポートをご希望の方は、サイト運営サポートのページをご覧ください。

サイト運営サポートサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、プランA
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、プランB
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プランC
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したECサイトやホームページ制作をご希望の方

世界に羽ばたく社会課題解決型スタートアップ創出プロジェクト「IMPACT FLOW KYOTO 2025-2026」補助対象事業を活用したECサイトやホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。

ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。

ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、Sプラン
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、Mプラン
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、Lプラン
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

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ozasaオフィスピコッツ株式会社代表取締役社長
1971年奈良県生まれ。京都・滋賀を中心にWeb制作・DX支援を行うオフィスピコッツ株式会社代表取締役。制作歴25年以上、官公庁・大手企業から中小まで多様なサイトを手掛け、Webアワードでの受賞歴多数。ホームページ制作、リニューアル、SEO、補助金活用、多言語EC・オンラインショップ運営支援までワンストップ提供するWebマーケティングのプロ。新規事業立ち上げ支援や自治体DX、各種プロジェクトのアドバイザー、大学校・高校講師、PTA会長など活動は多岐にわたる。琵琶湖観光PRにも情熱を注ぎ、地域企業の売上向上と持続的成長を伴走型で支援し、日々研鑽を続けている。