学術集会サイトの魅力を引き出す運営術と課題の乗り越え方

学術集会は、研究者や専門家が最新の知見を共有し合う貴重な場です。そんな学術集会の開催にあたり、ホームページ制作ホームページリニューアルを行う際の運営は、単に情報を掲載するだけではなく、参加者との双方向コミュニケーションやブランドイメージの確立など、さまざまな役割を担います。ここでは、学術集会のホームページを充実させるための運営術と課題、そしてその解決策を詳しくご紹介します。学会事務局の方や、これから学術集会のサイト管理を任される方にとって、運営時のヒントになる内容をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

もくじ

学術集会のホームページが果たす大切な役割

学術集会では、多種多様な専門分野の研究者や大学関係者、医療従事者、企業の開発担当者などが一堂に会し、研究成果や最新技術を披露する機会が設けられます。近年ではオンラインでの開催やハイブリッド形式の学会も増え、ホームページの役割はますます重要になっています。具体的には、以下のような機能を期待されることが多いです。

情報を一元的に提供する場

学術集会が近づくにつれ、演題募集や発表スケジュール、参加費、会場案内、オンライン配信へのアクセス方法など、必要な情報が膨大になります。そこで、集会に関するあらゆる情報をわかりやすくまとめるのがホームページの大きな使命です。

閲覧者にとって、必要な情報を素早く見つけられることは非常に重要です。複数のページに情報が分散していたり、更新が追いつかず古い内容が残っていたりすると、大会参加者が混乱してしまいます。一元化した情報発信の場としてホームページを整備することが、学術集会の円滑な運営を支える基盤となるのです。

ブランドイメージや開催理念の発信

学術集会によっては、毎年異なるテーマやスローガンを打ち出していることもあります。その際、ホームページを通じて「今年の集会がどんな理念のもと運営されるのか」を紹介することで、参加者やスポンサーとなる企業へ理念を広く伝えることができます。

さらに、学術集会の開催団体の歴史や実績、これまでの成果をまとめて掲載することで、ブランドイメージの醸成にもつながります。学術集会は、国内外の専門家が集う一大イベントですので、きちんとしたブランディングを行うことで、参加者に対する信頼と大会の価値を高める効果が期待されるでしょう。

参加者とのコミュニケーションツール

学術集会では、事前登録や演題登録、宿泊予約、問い合わせなど、多くの手続きを参加者に行ってもらう必要があります。ホームページを適切に運営することで、これらの手続き関連の負担を軽減できるのも大きな利点です。オンラインのフォームを使えば、スタッフの作業効率を上げることにもつながり、電話やメール対応のコストを大幅に削減することができます。

また、学術集会中の最新情報(プログラム変更や講演者の都合など)をリアルタイムで伝えるのにも、ホームページが役立ちます。SNSやメールマガジンとの連携が上手く機能すれば、緊急の周知や参加者同士のコミュニケーションのサポートがスムーズになります。

学術集会のホームページ運営で生じる主な課題

運営上、ホームページの作成や管理にはさまざまな課題が伴います。特に学術集会では、複数の関係者や膨大な情報が絡むため、一般的な企業サイトや個人サイトとは異なる複雑さが生じます。ここでは、その代表的な課題と背景を考えてみましょう。

情報量が多く更新頻度が高い

学術集会では、開催スケジュールやプログラム、演題募集、参加登録に関する情報など、公開すべき情報が非常に多いのが特徴です。また、プログラム内容に変更が入ったり、新しい協賛企業が決まったりするなど、開催直前まで更新が続くことも珍しくありません。

結果として、ホームページ上で扱う情報量は膨大になり、その更新サイクルも短くなります。大会事務局は、これらの更新作業を円滑にこなす体制を整えなければ、最新情報を見落として参加者に混乱を与えるおそれがあります。

多様なステークホルダーとの連携不足

学術集会のサイト制作や運営には、学会組織の委員や協賛企業、大学や研究機関のIT部門など、複数の関係者が関わります。誰がどの情報を管理し、いつまでに公開するのかという役割分担が明確でないと、更新の遅延や誤情報の掲載、情報の重複などが発生する可能性があります。

また、海外からの参加者を想定する場合、多言語対応も課題となります。日本語だけでなく、英語版やその他の言語への翻訳、システムの実装などが必要になり、関係者との連携が一段と複雑になるのです。

ユーザビリティの確保が難しい

学術集会の参加者層は幅広く、学生からベテラン研究者、企業関係者、医師、看護師、その他専門職まで多岐にわたります。また、近年ではオンライン配信やオンデマンド配信を利用する方も増え、スマートフォンからアクセスする人が大半を占める状況になりつつあります。

それにもかかわらず、わかりにくいナビゲーションや情報量の偏り、モバイル対応の不足などがあると、ユーザーが必要な情報を瞬時に探し出すのは困難です。特に学術集会は日程やプログラムが複雑になりがちですので、細やかなUI/UXの設計が求められる一方、それが実現できずに戸惑う参加者も少なくありません。

セキュリティと個人情報保護

学術集会では、オンラインでの参加登録や決済を導入しているケースも多いため、個人情報やクレジットカード情報の安全な取り扱いが必須になります。また、講演スライドや抄録といった学術的に重要な資料も取り扱う場合があり、外部への流出リスクを十分考慮する必要があります。

通常の企業サイト以上にセキュリティの強化が必要である一方、参加者数が多く、海外からのアクセスも増える学会では、システムの負荷対策や不正アクセスへの対処がより複雑になるでしょう。学会の信用を損なわないためにも、セキュリティ面での対策を怠るわけにはいきません。

運営体制や予算の限界

学術集会のホームページ運営は、学会の常設スタッフだけで完結できる場合もあれば、外部の制作会社と協力して進める場合もあります。また、会期が近づくと事務局が忙殺されるため、サイト管理が後回しになりがちです。さらに、学会の予算規模や運営期間によっては、継続的にプロのサポートを受けるだけの余裕がないケースも考えられます。

その結果、大会の規模や性質によっては、十分な機能や品質を備えないままホームページを公開してしまう事態に陥ることもあります。特に、ホームページ制作ホームページリニューアルを考えている学会では、費用対効果と現場のリソース、必要な機能のバランスを慎重に見極めることが求められます。

課題を解決するためのポイントと対策

ここからは、先に挙げた課題を踏まえ、学術集会のホームページ運営で考慮すべき具体的な対策やポイントについて解説します。学術集会特有の運営の難しさを克服するためには、各ステークホルダーを巻き込みながら確実にプロセスを進めることが鍵となります。

情報設計とコンテンツ管理の徹底

学術集会のホームページでは、さまざまな情報が日々更新されるため、まずはコンテンツの全体像を整理し、階層構造を設計することが大切です。

サイトマップを作成し優先度を可視化する

学術集会のサイトでは、以下のようなページが代表的です。

  • 大会概要(開催日時、テーマ、主催団体など)
  • 演題募集・登録フォーム
  • プログラム一覧・日程表
  • 参加登録・会員登録・宿泊案内
  • 会場アクセス・オンライン配信方法
  • 大会長挨拶や学術委員会メンバー紹介
  • スポンサー・協賛企業情報
  • お問い合わせフォーム・FAQ

これらをサイトマップとしてまとめ、「必ずトップページにリンクを配置すべき情報」「1クリック以内に到達可能にしたい情報」を明確化します。そうすることで、どの情報を優先して表示するのかが整理され、更新作業も行いやすくなるのです。

CMSの導入で更新負担を減らす

学術集会のように更新頻度が高いサイトでは、WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を導入することをおすすめします。誰がいつ更新しても、一定のフォーマットで情報をアップできるため、事務局の負担を軽減できます。

また、CMS上でユーザー権限を細かく設定できる仕組みを活用し、コンテンツ作成担当者(例:プログラム情報担当)と承認担当者(例:編集委員や大会長)を分けるなど、ワークフローを明確化すれば、誤情報の公開や更新忘れを防ぎやすくなります。

コンテンツガイドラインの作成

学術集会では文章表現や掲載内容の正確性が求められます。そこで、記載ルールや用語統一のためのガイドラインを作成し、スタッフ全員に共有するのが効果的です。専門用語の取り扱いや学会独自の表記、日程や時刻の書き方などを統一することで、閲覧者にとっての可読性も高まります。

ステークホルダーとの連携強化

学術集会のホームページ運営には、複数の組織や関係者が関わるため、情報の連携が十分に図られないと混乱が生じます。そこで、誰が何を担当するのかを明確にし、定期的なコミュニケーションを確保することが重要です。

運営委員会や専門チームを設ける

学会内にウェブ運営委員会IT専門チームを設置し、そこに制作会社や外部のITスペシャリストも加える形を取るとスムーズです。定期的にミーティングを行い、進捗状況や問題点、リスクなどを共有し合います。特に会期が近づくと、更新内容やタイミングが増えるため、細やかな情報共有が不可欠です。

情報収集と承認フローを可視化する

プログラム情報や演題募集状況、スポンサー一覧などは、各担当者が持っているデータを随時サイトに反映する必要があります。その際、誰がどの形式で情報をまとめ、誰が最終承認するのかを明確にしておくと、誤掲載や公開遅延が防げます。システムツールを使って承認プロセスを管理するのも有効です。

また、デザイナーや開発担当者に連絡したい場合、メールでのやり取りだけでは行き違いが起こりやすいです。チャットツールやプロジェクト管理ツールを導入し、更新内容や修正指示をリアルタイムで共有できる体制を作ることをおすすめします。

ユーザビリティとアクセシビリティの向上

学術集会のホームページには、研究者や学生、高齢の参加者や海外の方など多様なユーザーが訪れます。そのため、誰にとっても利用しやすい設計を心がける必要があります。

デバイス対応とページ速度

多くの参加者がスマートフォンからアクセスする現状を踏まえ、レスポンシブデザインの導入は必須です。また、モバイル環境では通信速度が遅い場合もあるため、ページ読込み速度を意識して画像やスクリプトを最適化する必要があります。ページ表示が遅いと、離脱率が高まって大事な情報を見てもらえない原因になります。

情報構造とナビゲーション設計

トップページには、最新ニュースや重要なお知らせをわかりやすく配置し、必要に応じてバナーやアイコンを使った誘導を行います。プログラム情報や参加登録などは、直感的に見つけられるようにメニューを分かりやすく配置するとともに、混在しがちな情報を分類しておくと便利です。

学術集会では、日程や会場、演題といったキーワードが想定されるため、それらをトップページやサイドメニューで明確に見せる工夫が大事です。下層ページからトップページへ戻る導線や、関連ページへ移動できるリンクも設定しておくことで、利用者がサイト内で迷わなくなります。

アクセシビリティの確保

高齢者や視覚障がいがある方を含め、あらゆる利用者が情報を得られるように、アクセシビリティガイドライン(たとえばWCAGなど)に沿ってサイトを整備することも有効です。文字サイズを変更できる仕組みや、音声読み上げソフトでの閲覧を想定した画像の代替テキストなどを配慮しておくと、より広い層に対応できます。

セキュリティ対策と個人情報保護

学術集会のホームページを運営するうえで、情報漏えいや不正アクセスは絶対に避けたいリスクです。個人情報や決済情報を取り扱う場合は、セキュリティレベルを高める施策を徹底する必要があります。

HTTPS化(SSL/TLS)とサーバー選び

オンラインで参加登録や決済を行う場合、データ通信を暗号化するHTTPS化は基本中の基本です。参加者の情報を安全に取り扱うためにも、信頼できるサーバー環境を選ぶことが大切です。学術集会の規模やアクセス数を見込みながら、セキュリティやサポート体制がしっかりしているホスティングサービスを利用すると安心できます。

システム保守と脆弱性対策

CMSを導入している場合は、定期的なアップデートやプラグインのバージョン管理を行い、既知の脆弱性を放置しないようにしましょう。管理画面のパスワードは複雑なものに設定し、IDとパスワードは関係者以外に共有しないなど、基本的なセキュリティ対策を怠らないことが重要です。

個人情報の取り扱いとプライバシーポリシー

学術集会では氏名や所属、連絡先などの個人情報を扱います。参加登録の際に入力された情報をどのように保管・利用し、いつまで保持するのか、明確にプライバシーポリシーを定めてサイトに掲載しておくとよいでしょう。法律に則った形で適切に取り扱うことで、学会としての信用を高めることにもつながります。

運営体制と予算のバランス

学術集会の開催には、大会長や企画委員、事務局スタッフ、外部の制作会社など、多くの関係者が関与します。ホームページの運営だけにリソースを割く余裕がないことも少なくありません。そこで、運営体制の構築と予算配分が大きなポイントとなります。

業務フローとスケジュール管理

学会のホームページ制作や運営では、以下のようなフェーズが考えられます。

  • 事前準備期(サイト企画・制作着手)
  • 運営前期(演題募集やスポンサー募集の開始)
  • 直前期(プログラム確定、最終更新)
  • 開催期(当日の速報やオンデマンド配信)
  • 開催後(アーカイブ公開や次年度案内)

この流れに沿って、どの時期にどんな情報が更新されるかを明確にし、運営業務を分担することで混乱を回避します。特に学術集会直前や開催期間中は、多数の問い合わせが予想されるため、サポート体制も視野に入れておくと安心です。

外部委託と内製の見極め

予算やリソースの問題から、ホームページ運営を完全に内製化するか、外部企業に委託するかで悩むことが多いです。内製化のメリットはコストを抑えられることや、学会のスタッフが随時手を入れられる柔軟性にあります。一方、外部委託はプロの専門知識多言語対応などの高度なスキルを活用でき、またスタッフが他業務に集中できる利点があります。

学術集会の規模や運営スタッフの人数、技術力などを総合的に考慮し、必要最低限の部分を外部に任せるのか、あるいは全体をまるごとプロにお任せするのか判断しましょう。中途半端に低コストにこだわりすぎて機能や品質が著しく低下すると、参加者の利便性を損ね、結果として集会全体の評価を下げてしまうこともあります。

効果測定と予算の再配分

「ホームページにどれだけ投資すれば、どのくらいのメリットが得られるのか」——これはなかなか数値化しづらいテーマです。とはいえ、アクセス解析や参加登録数、問い合わせ数などのデータをとることで、ある程度の費用対効果を把握できます。大会後には、データを分析し、どの部分に予算を再配分すべきかを検討することが重要です。

また、学術集会のホームページが今後も長く利用されるのであれば、ホームページリニューアルのタイミングを見計らい、機能追加やデザイン刷新に投資することも検討しましょう。最新のウェブ技術やデザインのトレンドを取り入れることで、参加者の満足度やスポンサーの支持が高まるケースがあります。

効果的な運営手法と実践例

学術集会のホームページ運営は複雑ですが、いくつかの実践例や工夫を取り入れることで、参加者やスポンサーにとって魅力的なサイトを構築しやすくなります。ここでは、効果的な運営手法や具体的な実践例をご紹介します。

事前のオンラインイベントやティザーサイト

学術集会本番までの間に、オンラインセミナーやティザーサイトを活用して、参加者の興味を高める方法があります。たとえば、招待講演の一部を先行公開したり、キーノートスピーカーとの対談動画を短めに編集してサイト上で紹介したりするのです。

ティザーサイトでは、メインのホームページ公開前に大会のテーマや開催日時、注目セッションなどの情報を少しずつ出していくことで、期待感を高められます。SNSとの連動も活用しながら、多くの研究者が定期的にサイトを訪れる流れを作ることがポイントです。

演題登録・参加登録システムの統合

学術集会では、演題募集や審査、プログラム編成、参加登録などの手続きが煩雑になりがちです。これを一元管理できるシステムを導入すれば、参加者にとっても事務局にとっても利便性が大幅に向上します。具体的には以下のような機能が考えられます。

  • 演題登録フォームと審査管理
  • 参加登録フォーム(一般参加・学生・演者・座長等の区分)
  • 支払い管理(クレジットカードや銀行振込など)
  • 抄録データベースとの連動
  • 大会当日の受付システムとの連携

システム連動によって、事務局はエクセル管理を減らすことができ、重複作業や入力ミスを最小限に抑えられます。また、参加者もログインひとつで登録から支払い、抄録閲覧までを一貫して行えるため、ストレスが軽減されるでしょう。

大会アプリやSNSとの連動

学術集会の規模が大きい場合、専用の大会アプリをリリースする事例も増えています。アプリを使えば、以下のような機能が実現可能です。

  • プログラム検索・お気に入り登録
  • リアルタイムの部屋変更や時間変更のお知らせ
  • ポスター会場マップや展示企業リストの確認
  • 質疑応答やアンケートのオンライン実施

ホームページからアプリへの誘導をわかりやすく行い、アプリとウェブの相互連携を図ることで、参加者が複数のツールをスムーズに使いこなせるようになります。SNSについても、公式のTwitterやFacebookページなどを運用し、ホームページでの発表をそのままSNSでも周知するなど、相乗効果を狙うことが大切です。

オンデマンド配信とアーカイブ

近年では、コロナ禍を経てオンライン発表やオンデマンド配信が定着しつつあります。会期中にすべてのセッションを視聴できない参加者向けに、オンデマンド配信を行う学術集会も増えました。この場合、ホームページでログイン後に動画が視聴できる仕組みを整えたり、会期後の一定期間までアーカイブを公開したりします。

オンデマンド配信は、忙しい研究者や海外在住の方にとって非常に便利な機能です。ただし、配信環境や著作権保護などの調整が必要になりますので、早めに運営体制を整えておくことが成功のカギです。

学術集会のホームページを活性化させる運営アイデア

学術集会のホームページは、情報提供だけでなく、学会全体の魅力や活気を伝えるメディアでもあります。ここでは、閲覧者が参加を楽しみにできるような運営の工夫をいくつかご紹介します。

イベントレポートやインタビュー記事の掲載

過去の開催レポートや、学会長や著名な研究者へのインタビュー記事を掲載することで、学術集会の楽しさや意義を具体的にアピールできます。研究成果や学会の歴史、未来展望などを語ってもらうことで、これから参加しようと考えている人の関心を高める効果があります。

動画コンテンツやライブ配信

近年は動画コンテンツが注目を集めています。学術集会の紹介動画や、会場や研究室を巡るバーチャルツアーなど、映像を使ったアプローチも取り入れてみると、文字情報だけでは伝わりにくい臨場感を高められます。ホームページ上で簡単にアクセスできる形にすれば、SNSでのシェアによって認知度が上がる可能性もあります。

また、会期中に主要講演の一部をライブ配信でオープンにすることで、学術集会に参加していない外部の人にアピールできるチャンスとなります。既存の参加者にとっても、移動しなくてもプログラムを追いかけられるなどの利点が期待できます。

参加者同士の交流促進

学術集会は研究発表だけでなく、人と人との交流が大きな目的です。オンライン時代でも、この交流部分をどう補うかが課題になります。ホームページにディスカッションフォーラムQ&Aコーナーを設けたり、SNSハッシュタグを活用して参加者同士のやり取りを促したりすると、会期前から議論が活発になる可能性があります。

特に若手研究者にとっては、先輩研究者や他大学の学生とつながる貴重なチャンスです。オンラインでの意見交換やコミュニティ形成を補助できるような仕組みを整えると、学術集会の価値がさらに高まるでしょう。

ホームページの継続的な改善とリニューアルのタイミング

学術集会が毎年(あるいは定期的に)開催される場合、ホームページは一度作って終わりではなく、継続的な更新と改善を必要とします。次年度の開催に向けて情報を更新するだけでなく、デザインや機能面でも最新のニーズに合わせて進化させることが求められます。

大会終了後のデータ活用

学術集会が終わった後、参加者数や演題数、ウェブサイトのアクセス解析データなどをまとめて分析し、どのページが最も閲覧されていたかを確認します。また、問い合わせが多かった内容や登録不備が多かった項目を洗い出すことで、次回に向けた改善点が見えてくるでしょう。

こうしたデータを関係者と共有し、「ここは参加者が迷いやすかった」「もう少し詳細なFAQが必要だった」といった具体的な課題を抽出します。次回のホームページ制作や機能強化に役立てることで、学術集会の品質が年々高まっていくのです。

タイミングを見計らったホームページリニューアル

学術集会の性質上、開催年ごとに大幅にリニューアルをする必要があるかどうかはケースバイケースです。ただ、デザインや機能が古くなってきた場合には、ホームページリニューアルを検討することをおすすめします。特に、以下のような状況になったらリニューアルのタイミングかもしれません。

  • スマホ対応が不十分で閲覧しにくい
  • 演題登録システムが老朽化し、不具合や操作性の問題が多い
  • セキュリティ要件が強化され、現行サイトではリスクが大きい
  • 参加者のニーズが多様化し、新しい機能を追加する必要がある
  • 学術集会そのもののブランディングを刷新したい

ホームページリニューアルを行う際は、これまでに蓄積された学会の運営ノウハウやユーザーの声を反映し、より使いやすく魅力的なサイトへと進化させるのが理想的です。次回開催が近づいてから慌ててリニューアルをするのではなく、1~2年前から計画を立てておくことでトラブルを回避できます。

今後の展望とまとめ

学術集会のホームページ運営は、情報の多さやステークホルダーの多様性、セキュリティ面のリスクなど、独特の難しさがつきまといます。だからこそ、しっかりとした運営方針や体制づくり、そして継続的な改善が欠かせません。

  • 学術集会の目的やテーマに沿った情報設計を行い、参加者がストレスなく必要な情報にアクセスできる環境を整えましょう。
  • CMSや専門システムを活用して、スタッフの更新作業を効率化し、誤情報の掲載を防ぐ仕組みを構築することが重要です。
  • セキュリティ対策や個人情報保護に妥協は禁物です。HTTPS化や定期的なシステムメンテナンスなど、基本を徹底しながら大会の信用を支えましょう。
  • 学術集会で得たノウハウや参加者の意見を次回以降に活かし、ホームページリニューアルや機能拡張を検討することで、学術集会の価値をさらに高められます。

学術集会は、日本や世界の研究者や専門家が一堂に会する、知識の交流と革新の場です。ホームページはその「顔」ともいえる重要な存在であり、参加者やスポンサー、さらには一般の方々にも学術集会の魅力を伝える大切なチャンネルです。運営を通じて培われる信頼や評価が、学術界や産業界、そして社会全体へのインパクトをより大きくするでしょう。

学術集会のホームページ運営においては、本記事でご紹介した課題と解決策を参考に、丁寧なプランニング柔軟な対応を心がけてみてください。最適化されたサイト設計や適切な運営体制を築けば、参加者の満足度を高めるだけでなく、新しい協力者やスポンサーを呼び込み、学術集会自体の影響力を飛躍的に拡大することが可能になります。これからホームページを立ち上げる方も、すでにサイトがある方も、ぜひ学術集会ならではの特性を踏まえて、より魅力的かつ有益な情報発信の場を作り上げていきましょう。

学術集会ホームページの運営でお悩みの方々は遠慮なくご相談ください。

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ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例

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学術集会のホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。

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ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、Mプラン
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、Lプラン
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

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ozasaオフィスピコッツ株式会社代表取締役社長
1971年奈良県生まれ。京都・滋賀を中心にWeb制作・DX支援を行うオフィスピコッツ株式会社代表取締役。制作歴25年以上、官公庁・大手企業から中小まで多様なサイトを手掛け、Webアワードでの受賞歴多数。ホームページ制作、リニューアル、SEO、補助金活用、多言語EC・オンラインショップ運営支援までワンストップ提供するWebマーケティングのプロ。新規事業立ち上げ支援や自治体DX、各種プロジェクトのアドバイザー、大学校・高校講師、PTA会長など活動は多岐にわたる。琵琶湖観光PRにも情熱を注ぎ、地域企業の売上向上と持続的成長を伴走型で支援し、日々研鑽を続けている。