ホームページリニューアルは、自社のビジネスやブランドイメージを高めるだけでなく、顧客との接点を拡大し、売上や問い合わせ数を増やす大きなチャンスにつながります。実際に、競合他社も新しいデザインや最新技術を取り入れたホームページを公開しているケースが多く、古いままのデザイン・不十分な機能性ではユーザーに飽きられたり、検索エンジンからの評価が下がったりするリスクが高まってしまうのも事実です。そこで重要になるのが、しっかりと計画を立ててホームページリニューアルを実施し、失敗しない運用体制を整えることです。
しかし、いざホームページリニューアルに着手しようとすると、想定以上の費用がかかったり、制作スケジュールが大幅にずれ込んでしまったり、公開後に思うように成果が出なかったりといった問題が発生しがちです。これらは、よくある落とし穴を把握しないままリニューアルを進めてしまうことが原因になっています。そうした落とし穴を事前に理解して回避策を講じることにより、ホームページが完成した後でも効果的な運用が可能になります。
ここでは、ホームページ制作の現場で頻繁に挙げられる、リニューアルにおける代表的な12の落とし穴とその回避策について詳しく解説します。効果的なホームページリニューアルを成功させるために、ぜひ事前に確認してみてください。
もくじ
- 1 目的があいまいなまま進めてしまう
- 2 ユーザー視点が欠如している
- 3 デザインと機能のバランスを見誤る
- 4 モバイルフレンドリーを軽視する
- 5 SEO対策が不十分
- 6 コンテンツ更新の体制が整備されていない
- 7 ターゲットユーザーが不明確
- 8 ページ速度の最適化を怠る
- 9 セキュリティを後回しにする
- 10 問い合わせ導線・CVポイントの不備
- 11 アクセス解析や運用方針が不十分
- 12 制作スケジュールと予算管理のミス
- 13 まとめ
- 14 補助金関連記事
- 15 ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
- 16 ホームページのリニューアルをご希望の方
- 17 サイト運営サポートをご希望の方
- 18 ECサイトやホームページ制作をご希望の方
目的があいまいなまま進めてしまう
落とし穴の概要
ホームページリニューアルの際に、「とりあえず今のデザインが古いから変えよう」という動機だけで進めると、実際に公開した後に目的が見えなくなり、成果が出ないケースが多くあります。デザインを一新するだけで効果を感じられるのは、せいぜい最初の短期間です。ユーザーや検索エンジンにとっての価値は、見た目だけでなく情報の正確性や使い勝手、ブランドメッセージとの一貫性なども含まれます。
特に、目的設定をしっかり行わずにホームページ制作を行うと、どのようなコンテンツを充実させるべきか、あるいは問い合わせや購入まで導くための導線をどう設定すべきかがはっきりしなくなります。結果的に、闇雲にページを量産してしまったり、新機能を詰め込みすぎて運用管理が難しくなったりすることも少なくありません。
回避策
ホームページリニューアルを行う前に、具体的な目的とKPI(重要指標)を設定しましょう。例えば、以下のような目標を検討してみると明確になります。
- 問い合わせ件数を月間○件に増やす
- サービスの認知度を高めるために訪問者数を○%増やす
- 商品購入数を○%増加させる
- 採用活動を強化するためにエントリー数を増やす
設定した目標に応じて、ホームページの構成や優先すべき機能、ページのデザインテイスト、コンテンツ制作の方向性などを固めると、リニューアルの軸がぶれにくくなります。また、後から振り返る指標があることで、リニューアル後の改善点を見つけやすくなるでしょう。
さらに、目的を複数設定する場合は、主目的と副目的を明確に区別することが大切です。たとえば、1番の優先事項は商品やサービスの購入や問い合わせにつなげることだとして、副次的に自社の認知度向上やブランディングを高めることを目指すといった形です。そうすることで、ホームページ全体の構成に一貫性を持たせられるようになります。
ユーザー視点が欠如している
落とし穴の概要
企業サイドの思いだけでホームページリニューアルを行うと、気づかないうちに社内都合ばかりが優先されてしまい、ユーザーの利便性や興味関心が後回しになってしまうことがあります。具体的には、社内の部署紹介を詳しく載せているのに、サービスの料金体系や利用方法がわかりにくいままだったり、ユーザーが知りたい情報を探しにくい作りになっていたりするケースが典型的です。
また、リニューアルを機に斬新なデザインを採用した結果、ユーザーが使い慣れたナビゲーションが失われて混乱させてしまうという問題もよく起こります。どれだけ見栄えが良くても、「使いやすい」「わかりやすい」という基本がないと、訪問者はすぐに離脱してしまい、検索エンジンからの評価も下がりやすくなってしまいます。
回避策
まず、ターゲットとなるユーザーのペルソナを明確にしましょう。性別や年齢層、求めている情報や商品の価格帯、サイトを利用するシチュエーションなどをできる限り具体的にイメージします。ペルソナをしっかり設定することで、ページのレイアウトや導線設計、コンテンツの言語表現など、ユーザーに寄り添う形で検討しやすくなります。
さらに、ユーザービリティテストやヒアリング調査も有効です。既存のホームページ利用者や顧客に対して、現在の使い勝手や欲しい情報などを聞き取るだけでも、思わぬ改善のヒントが得られる場合があります。リニューアル前の段階でプロトタイプデザインをユーザーに試してもらい、直感的に理解できない箇所や使いづらい部分を洗い出すのもおすすめです。
こうしたアプローチを取り入れることで、「このボタンを押したらどこに飛ぶのか」「初めて訪問した人でもサービス内容がすぐ分かるか」といった点をチェックできます。特に、サービス申し込みボタンや問い合わせフォームへの導線など、ユーザーに行動を起こしてほしい部分は最短でアクセスできる位置に置くなどの配慮が必要です。
デザインと機能のバランスを見誤る
落とし穴の概要
ホームページ制作のトレンドを追いかけすぎて、華美なビジュアル演出や最新のアニメーション効果を盛り込みすぎるというのも、よくある失敗例の一つです。もちろん、デザイン面のインパクトはユーザーの印象を左右する重要な要素ですが、その一方で処理が重くなる、読み込み速度が遅くなる、必要な情報にたどり着くまでのステップが増えるなどの問題を引き起こす可能性があります。
また、企業ブランドを意識して凝ったデザインにするあまり、文字の可読性や画面遷移のわかりやすさが損なわれてしまい、ユーザーが離脱する原因になる場合もあります。こうしたデザイン偏重のリニューアルは、SEO的にも不利になることが多いです。
回避策
リニューアルを検討する際は、見た目の美しさと機能性の両立が最重要です。具体的には、重要な情報を分かりやすく配置するレイアウト、ユーザーが知りたいことに最短でアクセスできる導線、読み込み速度の速さ、スマートフォンからの使いやすさなどを優先的に考慮しましょう。
デザインを評価する際は、「この装飾や動きに意味があるか」「ブランドイメージを伝えられているか」という観点を持つと同時に、ユーザーが直感的に使いやすい構造になっているかを必ずチェックしてください。たとえば、動画を背景に使いたい場合は短時間で読み込める軽量なファイルを準備するとか、動画が再生されるタイミングを遅延させるなど、工夫次第でリッチな表現と実用性を兼ね備えることが可能です。
また、開発チームとデザインチームの連携も欠かせません。ホームページリニューアルの段階から、エンジニアとデザイナーが一緒になって仕様を詰めることで、デザイン案と実装面のズレを最小限に抑えられます。見栄えを追求しすぎることで生じる機能制約や、逆に機能面を優先しすぎてデザインがチープになるリスクなどを、早い段階で調整できるのは大きなメリットです。
モバイルフレンドリーを軽視する
落とし穴の概要
スマートフォン利用が主流になって久しい今、モバイル端末に最適化されていないデザインを提供してしまうのは大きな痛手です。PC表示用のレイアウトのまま、文字が小さくて読みにくかったり、ボタンが押しづらかったり、横スクロールが発生するなどの不便があると、せっかく訪問してくれたユーザーの満足度を大きく下げてしまいます。
また、近年では検索エンジンがモバイルページの評価を優先する動きが強まっています。モバイルフレンドリーの要素が不十分なサイトは、検索結果の順位が下がる恐れもあり、アクセス数を伸ばすチャンスを逃してしまう可能性があります。
回避策
ホームページリニューアルの際には、最初からモバイル対応の設計を念頭に置くことが大切です。具体的には、レスポンシブWebデザインを採用して、スマートフォンやタブレットなど多様な画面サイズに自動的に対応できるようにします。また、デバイスごとに配信するコンテンツ量や画像サイズを調整することで、高速表示を実現する工夫も必要です。
さらに、モバイル閲覧を前提としたデザインでは、画面上での操作性に特に注意が必要です。指でタップする操作では、ボタンやリンクの間隔が狭いと誤タップが発生しやすいので、ある程度余裕を持たせたデザインを心がけましょう。文字サイズも小さすぎると読みにくく、ユーザーがストレスを感じてしまう要因になります。
また、重要な情報や行動ボタンはスマホ画面のファーストビューに配置することで、ユーザーがスクロールしなくても一目でわかるようにすることが望ましいです。問い合わせや購入、資料請求など、コンバージョンにつながるボタンは、常にユーザーの目に留まる位置に設置することで、離脱を防ぐことができます。
SEO対策が不十分
落とし穴の概要
せっかくホームページリニューアルを行っても、検索エンジンから評価される仕組みを無視したり軽視したりしてしまうと、リニューアル後に急激にアクセス数が落ち込むことがあります。特に注意が必要なのは、リニューアルに伴うURLの変更やページ構成の大幅な変更で、リダイレクトの設定を怠ると検索エンジンからの評価がリセットされてしまうケースです。旧URLが検索結果に残ったままリンク切れになり、ユーザーの離脱を招く可能性もあります。
また、リニューアル後のコンテンツ内容が浅かったり、検索されやすいキーワードを意識していなかったりすると、上位表示が難しくなってしまいます。せっかくデザインや機能を充実させても、ユーザーがそもそもアクセスしてくれなければ成果にはつながりません。
回避策
リニューアルの計画段階から、SEOの専門知識を持つ担当者やチームと連携して構成を詰めることをおすすめします。特に以下のポイントを意識すると、リニューアル後の検索順位下落をある程度抑えられます。
- URL設計とリダイレクト設定
旧URLが存在する場合、新URLとの対応関係をきちんと整理して301リダイレクトを設定します。検索エンジンが正しく評価を引き継げるよう、ページごとに対応を考えることが大切です。 - サイトマップとrobots.txtの整備
リニューアル後にサイトマップを更新して、検索エンジンに新しいページ構成を素早く伝えましょう。不要なページやテストページを誤ってインデックスさせないように、robots.txtの設定も見直す必要があります。 - メタタグの最適化
ページごとに、**タイトルタグ(title)やディスクリプション(description)**をしっかり記述し、主要キーワードを適切に含めます。キーワードの詰め込みすぎは逆効果なので注意が必要です。 - コンテンツの品質向上
ユーザーが求める情報を深く掘り下げた文章や、わかりやすい図解、役立つ事例紹介などを豊富に盛り込みます。検索エンジンは、ユーザーが求める情報とのマッチングを重視するため、質の高いコンテンツが評価されやすくなります。
こうした対応を継続的に行うことで、ホームページリニューアルの効果を最大限に高め、より多くのユーザーに訪問してもらえる可能性が高まります。
コンテンツ更新の体制が整備されていない
落とし穴の概要
リニューアル後にきれいなデザインと新機能が備わったホームページを公開しても、更新が滞って情報が古いままになってしまえば、ユーザーの信頼を失ってしまう恐れがあります。また、検索エンジンは新鮮なコンテンツを好む傾向があるため、更新頻度が低いサイトは上位表示が難しくなることもあります。
会社案内や商品情報など、基本的には一定期間変更しない部分もありますが、ニュースリリースやブログ、キャンペーン情報など、鮮度が求められるページはこまめに手を入れていかなければなりません。制作段階でこの運用体制を考慮していないと、忙しさや担当者不在などを理由に更新が後回しにされがちです。
回避策
リニューアル段階から、社内で誰が更新作業を担当し、どのような手順で行うのかを明確にしておきましょう。頻度の高い更新が見込まれるページについては、社内スタッフでも簡単に編集できるようにCMS(コンテンツ管理システム)を導入するのがおすすめです。更新作業を外部の制作会社に委託する場合は、作業の依頼手順や費用をあらかじめ整理しておくとスムーズに進みます。
また、更新すべき情報のネタ出しを定期的に行うため、担当者が複数名いる場合は、月に1回でもいいのでミーティングを行い、最新の製品情報、イベントレポート、顧客からの問い合わせで多かった質問などを共有する習慣をつけると良いでしょう。更新の優先順位やスケジュールを明確にすることで、情報の鮮度を保ちつつ、計画的なコンテンツ制作が実現できます。
さらに、更新した記事やお知らせはSNSなどと連動して告知することで、より多くのユーザーへリーチできます。せっかく質の高い記事を作成しても、周知が不十分だと新規訪問者の獲得につながらないことも多いので、更新と発信をセットで計画するのがおすすめです。
ターゲットユーザーが不明確
落とし穴の概要
ホームページ制作の段階で、誰に向けて発信するのかがあいまいなまま作り込んでしまうと、ページごとに中途半端なメッセージが乱立することになります。企業案内から採用、商品販売、情報発信など、複数の目的が混在している場合、優先順位がつかずにどのページも同じようなボリュームになってしまい、肝心なポイントが伝わらないという失敗を招きがちです。
また、ターゲットが明確でないと、キャッチコピーや画像、コンテンツのトーン&マナーなども統一感がなくなり、サイト全体の印象が散漫になる可能性があります。結果的にユーザーは、「このサイトは自分のための情報があるのか」を短時間で判断できず、離脱を早めてしまうのです。
回避策
ターゲットユーザーを詳細に設定し、ペルソナとしてまとめることをおすすめします。例えば、以下のような項目を明確にすると、制作やコンテンツ開発の方向性が定まりやすくなります。
- 性別・年齢・職業・年収などの基本的なプロフィール
- どのような課題や悩みを抱えているか
- どんな情報を求めて、どんな行動をとるのか
- 自社の商品・サービスに興味を持つ理由は何か
- どのようなメディアをよく利用するのか
こうした情報を踏まえて、ホームページ全体のメッセージやコピーライティングを統一することで、ターゲットユーザーに刺さるサイト構成が実現できます。特に、トップページや重要なランディングページでは、最初の数秒で「自分の欲しい情報がここにある」と感じてもらうことが極めて重要です。
それでも複数のターゲットを同時に狙う必要がある場合は、目的別の導線をはっきり分けるのがコツです。商品購入や問い合わせなどを促す導線、採用ページへ誘導する導線、資料ダウンロードへ誘導する導線など、それぞれのユーザーが最短距離で必要なページにたどり着けるよう整理しましょう。
ページ速度の最適化を怠る
落とし穴の概要
デザインを重視して大量の画像や動画を配置したり、様々な機能を詰め込みすぎてページの読み込み速度が遅くなると、ユーザーはストレスを感じてすぐに離脱する可能性が高まります。さらに、検索エンジンのアルゴリズムもページ速度の速さを重要な評価項目の一つとしています。
せっかくホームページリニューアルを行っても、表示が遅いだけで機会損失が生じるのは非常にもったいないことです。競合他社のサイトがスムーズに表示される一方、自社サイトの表示に数秒以上かかるのであれば、ユーザーを奪われてしまうリスクは高まります。
回避策
ページ速度を意識した設計と開発を行い、リニューアル時からパフォーマンス最適化を念頭に置きましょう。具体的には、以下のような対策が挙げられます。
- 画像の軽量化
写真やイラストのサイズ圧縮やWebP形式への変換などを行い、容量を抑えます。必要以上に大きい解像度の画像を使わないように注意しましょう。 - CSSやJavaScriptの最適化
ファイルを圧縮(minify)して読み込みリクエストを少なくする、不要なプラグインやライブラリを排除する、JavaScriptの読み込み順序を調整するなどの工夫で、表示速度を向上させます。 - キャッシュの活用
ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュの設定を最適化し、再訪問時に高速でページを表示できる仕組みを導入します。 - サーバー環境の見直し
アクセス数やコンテンツ量に応じて、適切なサーバープランやCDN(コンテンツ配信ネットワーク)の利用を検討します。サーバーのスペック不足が原因で表示が遅い場合もあるため、リニューアル後に想定されるトラフィックに対応できるインフラを準備しましょう。
さらに、リニューアル公開後も、定期的にページ速度計測ツールを用いて問題点を洗い出し、修正を続ける姿勢が大切です。ホームページ制作時に最適化を施していても、新たに追加したコンテンツやプラグインが原因で速度が低下することがあるため、運用フェーズでも注意が必要です。
セキュリティを後回しにする
落とし穴の概要
ホームページリニューアルで新機能の実装やデザインの刷新に注力していると、ついセキュリティ面がおろそかになりがちです。特に、問い合わせフォームや会員登録機能、EC機能など、ユーザー情報を扱うページがある場合は、不十分なセキュリティ対策が大きなリスクになり得ます。万が一、情報漏えいが発生すれば、企業の信用低下や損害賠償など深刻な問題へ発展する可能性があります。
また、セキュリティ対策が甘いサイトは、マルウェア感染や改ざんの標的になりやすく、検索エンジンからの評価も急落します。ユーザーが安心して利用できる環境づくりのためにも、セキュリティはリニューアル計画の初期段階から考慮すべき重要項目です。
回避策
ホームページリニューアルの際には、SSL/TLSの導入やCMSのバージョンアップ、プラグインの更新など、基本的なセキュリティ対策を確実に行いましょう。特に、問い合わせフォームや顧客データを扱う部分では、暗号化通信(HTTPS)を必須にして、機密情報が外部に漏れないように配慮が必要です。
また、管理画面へのアクセス制限も有効です。特定のIPアドレスからしか管理画面にログインできないよう設定する、あるいは多要素認証(MFA)を導入するなど、第三者による不正アクセスを防止する仕組みを整えましょう。
日々変化するサイバー攻撃の手口に対応するため、リニューアル後も定期的なセキュリティ監査や脆弱性テストを実施し、早めに対処策を講じることが大切です。セキュリティは一度導入して終わりではなく、継続的に更新していく必要がある点を忘れないようにしましょう。
問い合わせ導線・CVポイントの不備
落とし穴の概要
ホームページ制作の最終目的が問い合わせや資料請求、商品購入などのコンバージョン(CV)である場合が多いのに、そこに至る導線がわかりにくいと、ユーザーはスムーズにアクションを起こせません。例えば、せっかく興味を持ってくれた人が「どこから問い合わせすればいいのかわからない」と困ってしまったり、ボタンの配置が画面の下部に隠れていて見落とされたりするケースが考えられます。
また、問い合わせフォームの項目数が多すぎたり、デザインが複雑すぎたりしてユーザーの負担が大きい場合、途中で離脱してしまう可能性が高まります。ちょっとした使いづらさが、貴重な見込み客を逃す原因になることを忘れてはなりません。
回避策
リニューアルの段階で、コンバージョンポイントへの導線をシンプルに設計しましょう。例えば、トップページやサービス紹介ページからわかりやすいCTA(Call To Action)ボタンを配置し、問い合わせフォームや購入ページへアクセスできるようにします。さらに、ボタンの色やサイズを目立つように設計することで、ユーザーに行動を促しやすくなります。
問い合わせフォームについては、必要最低限の入力項目に絞りましょう。長すぎるフォームや意味のわからない必須項目があると、ユーザーは記入を面倒に感じて離脱してしまうことがあります。もし複数の情報を一度に集めたい場合でも、ステップを分けて入力させるなど、ユーザーが負担を感じにくい設計を検討してください。
また、スマートフォンからのフォーム入力がスムーズに行えるよう、入力補助や適切なキーボード種別の設定(例えば電話番号欄は数字キーボードを出す)を盛り込むのも大事なポイントです。最終的にユーザーがフォーム送信を完了するまで、一連の流れにストレスがないかを常に意識して改善を続けることが、ホームページリニューアルを成果につなげるカギになります。
アクセス解析や運用方針が不十分
落とし穴の概要
リニューアルで美しいデザインや最新機能を導入しても、その後の運用においてアクセス解析を活用しないと、どのページがよく見られているのか、どこでユーザーが離脱しているのかなど、具体的な改善ヒントを得ることができません。結果的に、訪問者数やコンバージョン率が伸び悩んでも、原因を特定できずに放置してしまうケースが多いです。
また、アクセス解析を導入していても、運用体制が整っていないと数値を見て終わりになりがちです。社内の意思決定者がデータをどう活用するかが曖昧なままでは、具体的な施策につなげるのは難しくなります。定期的なレポート作成やミーティングなどの分析サイクルを回す仕組みがないと、時間やコストをかけてリニューアルを実施した意味が薄れてしまいます。
回避策
ホームページ制作の段階から、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのアクセス解析ツールを正しく設定し、リニューアル後にどのような数値を追いかけるかを明確にしましょう。具体的には以下のような観点でデータを分析すると、改善点を見つけやすくなります。
- ユーザーがどのページから多く流入しているか
- 直帰率が高いページはどこか
- コンバージョンに結びついているルートはどうなっているか
- 検索キーワードの流入状況
- スマートフォンとPCで利用状況に差があるか
こうしたデータを分析し、改善すべきページやリニューアルで強化するべきコンテンツを洗い出します。その上で、具体的な施策(ページ改善やキャンペーン実施など)を試し、その効果を再度計測して次のアクションにつなげるというPDCAサイクルを回しましょう。
また、社内でアクセス解析を担当する人材や、外部の専門家と連携して定期的にレポートを作成する仕組みを整えておくと、データドリブンなホームページ運用が実現しやすくなります。数値から得られるインサイトをもとに、ホームページのコンテンツや導線を継続的にアップデートしていくことで、リニューアルの効果を長期的に高めることができます。
制作スケジュールと予算管理のミス
落とし穴の概要
ホームページリニューアルには意外と多くの工程が存在します。要件定義、サイトマップ作成、デザイン案の検討、コーディング、CMS導入、テスト、そして公開後の調整など、一つ一つのタスクが後ろ倒しになると、全体のスケジュールに大きく影響します。さらに、工程が増えるとその分コストも増してしまい、最初に想定していた予算を超過してしまうこともしばしばです。
特に、リニューアルを急ぎすぎたり、社内外のステークホルダーとの連携が不十分だったりすると、情報共有の遅れや仕様の後出しによって作業が大幅に延びる可能性があります。公開日に間に合わず、中途半端な状態で公開せざるを得ないという、もっとも避けたい状態になることもあり得ます。
回避策
まず、ホームページ制作の全体像を把握し、細かいタスクごとにスケジュールを立案しましょう。各工程に必要な日数と担当者を明確にし、万が一のリスクに備えてバッファ期間も設けておきます。とくにデザインやコンテンツの確認・修正には時間がかかりがちなため、社内承認や関係部署のチェックプロセスをできるだけ効率化できるように検討しましょう。
また、予算については、リニューアル範囲と優先度を明確にして見積もりを細かくとり、追加費用が発生しそうな項目は早めに洗い出しておくことが重要です。開発途中で「やっぱりこの機能が必要だ」「デザインを大幅に変更したい」などと要件が増えると、スケジュールもコストも膨らんでしまいます。要件定義の時点でしっかりとゴールを明確化し、追加要望が出た場合には優先順位や予算調整の相談を速やかに行う体制を作っておきましょう。
さらに、制作会社など外部パートナーとのコミュニケーションを緊密に行い、進捗状況を定期的に共有する仕組みを設けると、トラブルを早期発見・早期解決しやすくなります。メールだけでは情報が埋もれてしまうケースもあるため、プロジェクト管理ツールやチャットツールを導入するなど、情報共有を可視化することがリスク回避に役立ちます。
まとめ
ホームページリニューアルには、デザインや機能面の刷新だけでなく、ビジネスの目的達成とユーザー満足を両立させるための様々な視点が求められます。ここまで挙げた12の落とし穴は、どれもありがちな問題ですが、あらかじめ対策を知っておくことで大きな失敗を避け、スムーズなリニューアルを実現することができます。
ホームページ制作や運用は一度完成すれば終わりというわけではありません。リニューアル後も運用と改善を繰り返しながら、ユーザーのニーズや技術トレンド、検索エンジンのアルゴリズム変化などに対応し続けることが必要です。そのためには、社内での連携体制や外部の専門家との協力が欠かせません。
まずは、今回ご紹介した12の落とし穴の中で、自社にとって特に優先度の高い課題はどれなのかを洗い出し、少しずつでも改善策を講じてみてください。目的の明確化、ユーザー視点の徹底、デザインと機能のバランス、モバイルフレンドリー、SEO対策、コンテンツ更新の体制、ターゲット設定、ページ速度、セキュリティ対策、問い合わせ導線とCVポイント、アクセス解析による運用、そしてスケジュールと予算管理。こうした視点を丁寧にカバーしておくことで、ホームページリニューアルを成功に導く確率は格段に上がるでしょう。ユーザーとビジネスの両方にメリットをもたらすホームページづくりを目指し、継続的に改善を重ねていただければと思います。
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営についてのご相談はお気軽に下記より。
補助金関連記事
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例を随時ご紹介させていただきます。事例は、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリュームといった具体的な内容を紹介させていただきます。
少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
ホームページのリニューアルをご希望の方
ホームページのリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。
ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業と公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
ECサイトやホームページ制作をご希望の方
ECサイトやホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。
ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、Sプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、Mプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、Lプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。