もくじ
SSLとは何か
SSLとは、インターネット上で情報を暗号化してやり取りするための仕組みです。正式名称を「Secure Sockets Layer」といい、現在はより進化した「TLS(Transport Layer Security)」が主流となっていますが、一般的には今でも「SSL」と呼ばれることが多いです。ウェブサイトを閲覧するとき、URLが「https://」で始まるページは、このSSL/TLSで暗号化通信を行っています。暗号化によって、入力フォームなどでやり取りされる個人情報やクレジットカード情報などが安全に保護されやすいというメリットがあります。
インターネット上の通信は、そのままでは盗み見や改ざんのリスクが存在します。とくに、銀行やECサイトなど機密性の高い情報を扱うサイトの場合、通信の保護は最も重要な課題です。そこで登場したのがSSLです。SSLを導入してHTTPS通信を利用することで、悪意ある第三者による情報の盗聴や書き換えを極力防ぎ、訪問者が安心してサイトを利用できるようになります。近年では、多くのブラウザがSSL対応していないウェブサイトに警告を表示するようになっており、サイトの信頼性向上という面でもSSLは欠かせません。
SSLはもともと米国のNetscape社が開発した仕組みで、1990年代後半からインターネット上で活用されてきました。技術の発展やセキュリティ対策の強化によって後継規格としてTLSが登場し、現在ではTLS 1.2や1.3が主流です。とはいえ、多くの人々の間では「SSLを導入する」という表現が一般化しているため、TLSを含めて総称として「SSL」と呼ぶことが多いです。ホームページ制作の現場でも、SSL化はもはや必須と言えるほど広く受け入れられています。
なぜSSLが必要なのか
SSLが必要とされるのは、単にセキュリティ上のリスクを低減するだけではありません。多様なメリットをもたらすことが分かってきたからです。ここではSSLが求められる主な理由を解説します。
個人情報の保護
インターネットを通じてやり取りされるデータは、通信経路のどこかで盗み見られたり、改ざんされたりする可能性があります。特に、会員登録時に名前や住所、電話番号などの個人情報を送信したり、ECサイトでクレジットカード情報を入力したりするときは、盗聴や不正利用のリスクが高まります。SSLで暗号化を行うことで、送受信される情報を第三者が容易に解読できない状態にし、安全性を高めることができます。
ユーザーの信頼向上
近年、多くのウェブブラウザがSSL未対応のページに警告文を表示するようになりました。Google ChromeやMozilla Firefoxなどのブラウザでは、HTTPS接続でないページには「保護されていません」という表示を行ったり、強い警告画面を出したりする場合があります。ユーザーがそのサイトを初めて訪問したときに、「保護されていません」という表示があれば、たとえ内容が有用だったとしても不安に思って離脱する可能性が高いです。これを防ぐためにもSSLは必要ですし、適切に導入されたサイトであれば、ブラウザのアドレスバーに**「鍵マーク」**が表示されて安心感を与えます。これによってユーザーがサイトを信頼しやすくなり、サイト内での行動(商品購入やお問い合わせなど)につながる可能性も高まります。
SEO(検索エンジン最適化)への影響
検索エンジン大手のGoogleは、HTTPS対応サイトを検索結果で優遇する方針をとっています。これは公式にアナウンスされており、いわゆる「検索エンジン最適化(SEO)」においてもSSLは大きな要素の一つとされています。特に、近年はユーザーの安全性を担保するサイトをGoogleが高く評価する傾向がより強まっており、HTTPS化していないサイトは相対的に評価が下がりやすい可能性があります。ホームページリニューアルの際に、SSL化はほぼ必須作業として位置づけられるようになっています。
ブランドイメージの向上
企業のウェブサイトやECサイトなどでは、オンライン上での商品販売や情報提供が主な集客手段となることも少なくありません。もし「このサイトは安全ではありません」と表示されてしまった場合、企業やブランドの印象は一気に悪化することが考えられます。一方で、適切にSSL導入がなされたサイトは安全対策をしっかり行っていると示せるため、利用者の安心感を高めるのはもちろん、ブランドイメージの向上にも寄与します。企業や店舗が公式サイトを作る際、SSLはもはやスタンダードな要素であり、ホームページ制作でも早い段階で考慮しておくべきポイントです。
SSLを導入する基本的な手順
ここからは、実際にSSLを導入する際の流れを説明します。サイトをHTTPS化し、安全な通信を実現するまでの手順にはいくつかのステップがあります。ホームページリニューアルや新規のホームページ制作を検討している場合は、早めに計画に組み込み、スムーズに移行できるようにすることが大切です。
サーバーの対応確認
まずは利用しているウェブサーバーがSSL/TLSに対応しているかを確認します。ほとんどのホスティングサービスやレンタルサーバーは対応しているはずですが、プランによってはSSL証明書のインストールが制限されていたり、専用IPアドレスが必要だったりする場合があります。事前にサーバー会社のサポートページやサポート担当者に確認することが重要です。もしサーバーがSSL証明書に対応していなければ、サーバー移転や上位プランへの変更を検討する必要があります。
SSL証明書の取得
SSL証明書は、暗号化通信を行うために必要な電子証明書です。無料の証明書と有料の証明書があり、選択肢はいくつか存在します。代表的な例としては以下のようなものがあります。
- Let’s Encrypt
無料で利用できるSSL証明書発行サービスとして有名です。多くのホスティングサービスがLet’s Encryptへの対応を進めており、コントロールパネルからワンクリックで導入できる場合もあります。費用を抑えながらHTTPS化したい場合に適しています。 - 商用SSL証明書(GeoTrust、GlobalSign、DigiCertなど)
有料の証明書は認証レベルが高く、企業の実在確認などを行うものがあります。より高い信頼性を得られるEV SSL(Extended Validation SSL)などは、ブラウザ上で企業名が表示されるなどの特徴があります。オンラインバンキングや大規模ECサイトなど、より厳格なセキュリティを求める場合に選ばれます。
無料のLet’s Encryptを利用しても暗号化強度は高く、通常のECサイト程度であれば問題なく使用できます。ただし、企業の実在証明を兼ねたい場合や、フィッシング対策などをより強化したい場合は有料の証明書も検討しましょう。
サーバーへの証明書インストール
SSL証明書を取得したら、ウェブサーバーにインストールします。多くのホスティングサービスやコントロールパネルでは、証明書と秘密鍵を入力欄に貼り付けるだけで設定できますが、場合によってはSSHでサーバーにアクセスして手動で設定ファイルを編集する必要がある場合もあります。設定ファイルに誤りがあると、HTTPS接続がエラーになったりサイトが正しく表示されなくなったりするため、慎重に手順を進めましょう。
正しくインストールが完了すると、「https://」でアクセスしたときにブラウザのアドレスバーに鍵アイコンが表示されるようになります。また、有効期限があるので自動更新の設定をしていない場合は、忘れずに更新手続きを行う必要があります。Let’s Encryptは90日ごとに更新が必要ですが、多くの場合は自動更新の仕組みが用意されています。
リダイレクト設定
ウェブサイトをHTTPS化すると、URLが「http://」から「https://」に変わります。検索エンジン上で重複コンテンツとみなされるのを防いだり、ブックマークや外部リンクで「http://」にアクセスしたユーザーを自動的に新しいURLに誘導したりするために、リダイレクト設定(301リダイレクト)が必要です。具体的には、.htaccessファイルやサーバーの設定で「http://~」へのアクセスを「https://~」へ転送させます。
リダイレクトを設定しないまま放置していると、ユーザーが「http://」のURLで訪れた場合に暗号化されない通信が行われてしまったり、重複ページとしてSEO上不利になったりする恐れがあります。確実に全ページがHTTPSに統一されるように設定しておきましょう。
コンテンツ内のURLチェック
サイト内の画像やCSS、JavaScriptなどのリソースが「http://」のリンクのままになっていると、ブラウザによっては「保護されていないコンテンツが含まれています」という警告が出る場合があります。これをMixed Contentと呼びます。ウェブサイトを完全にHTTPS化するためには、全てのリソースのURLが「https://」で始まるよう修正が必要です。
WordPressなどのCMSを使用している場合、プラグインを利用して一括変換できる場合がありますが、テーマやプラグインのファイル内に埋め込まれているURLはプラグインでは修正できないこともあります。手作業で確認するか、デベロッパーツールなどを活用してMixed Contentを探し出し、リンクを修正しておきましょう。特に、外部のCDNや広告タグ、SNSの埋め込みコードなどは「http://」の記述になっていないか注意が必要です。
動作確認
リダイレクト設定やURL変更後は、必ず動作確認を行います。パソコンやスマートフォン、タブレットなど、複数の環境で正しくHTTPS接続が行われているかチェックすることが大切です。また、サイト内のフォームや決済ページなど、特にセキュリティが重視されるページを重点的に確認し、警告やエラーが表示されていないか検証しましょう。さらに、Google Search ConsoleやGoogle Analyticsなどの管理画面で、プロパティの登録やトラッキング設定が正しく反映されているかも確認が必要です。
ホームページリニューアル時に知っておきたいSSL導入ポイント
既存ページのURL変更によるSEOへの影響
既に運用しているサイトをSSL化するとなると、全てのページのURLが「https://」に変更されます。これは検索エンジンにとってURLが変わるということを意味するため、一時的に検索順位が変動する可能性があります。一般的には、正しいリダイレクト設定を行っておけば、ある程度の期間が経った後に評価が引き継がれます。しかし、移行直後は順位が下がったり検索結果に混乱が生じることもあり得るので、サイトのアクセス解析や順位の推移を注視しておくことが大切です。
リニューアルを機にサイト構造やデザインを大きく変更する場合は、URL構造自体が変わるケースも多いでしょう。その際には、リダイレクト設定だけでなく、内部リンクの修正やサイトマップの更新などを行い、検索エンジンに正確な情報を送るようにします。ホームページリニューアルで大幅な変更を予定しているなら、SSL対応も含めて一度に実施するのが効率的です。
期限切れにならないよう運用体制を整備
SSL証明書には有効期限があります。無料のLet’s Encryptなら90日、有料の証明書なら1年~2年程度の有効期限が多いです。有効期限が切れると急にSSL通信が無効化されるため、ユーザーから見ると「安全でない接続」になってしまいます。これを防ぐには、自動更新設定を利用する、あるいはカレンダーやリマインダーに登録しておき、期限切れ直前に更新手続きを行う必要があります。
企業や店舗の公式サイトであれば、担当部署や担当者を決めておく、あるいは外部の管理会社に運用管理を委託するなどして、確実に更新し続けられる体制を作りましょう。ホームページ制作後もセキュリティ維持のために欠かせない作業なので、リニューアル時には契約内容やサーバーのプランを見直し、更新作業をスムーズにできる仕組みを整えておくと安心です。
CDNやキャッシュサービスとの連携
リニューアルやSSL導入を機にCDN(コンテンツデリバリネットワーク)やキャッシュサービスを利用してサイトの表示速度を向上させるケースも増えています。CloudflareやFastlyなどのCDNサービスを導入する場合は、SSL設定がサービス側の設定とも連携しているか確認しましょう。たとえば、CDNを通すときに「Flexible SSL」などの設定を誤ると、サーバーとの間の通信が暗号化されない状態になってしまうことがあります。さらに、キャッシュのクリアやSSL証明書の再発行が必要になる場合もあるため、導入手順をしっかり確認しておくことが大切です。
旧サイトからのリダイレクト漏れを防ぐ
ホームページリニューアルでサイトの構成を大幅に変えると、旧サイトのURLとの対応が複雑になることがあります。たとえば、リニューアルと同時にサイト構造をルートディレクトリから階層構造に変更する、あるいはページの整理によってURL自体を変更してしまう、といったケースです。こうした場合、SSL化だけではなく、旧サイトからのすべてのURLが新サイトにきちんとリダイレクトされるようにしておく必要があります。
リダイレクト設定を誤ると、404エラーが発生したり、検索エンジンが古いURLをインデックスしたままになってしまったりします。とくに、外部サイトからの被リンク(バックリンク)も放置されるとSEOに影響が出るため、すべての旧URLをリストアップして新URLとのマッピングを行うのが理想です。URLが大幅に変わる場合は、リダイレクトルールを細かく設定するか、ページごとに301リダイレクトを設定するなど、丁寧に対応するのがおすすめです。
SSL導入によくあるトラブルと対処法
Mixed Content警告
SSL導入後も、サイト内の一部コンテンツが「http://」のまま残っていると、ブラウザがMixed Content警告を出してユーザーに不安を与えます。画像だけでなく、JavaScriptやCSS、iframeなど、さまざまな要素がhttp://で呼び出される可能性があるため注意が必要です。対処法としては、すべてのリンク先を「https://」に修正する、あるいは相対パスを使う方法などが挙げられます。
もし外部の広告やアフィリエイトタグなどで「https://」対応していないものがある場合は、その提供元に問い合わせたり、代替の広告サービスを検討したりする必要が出てきます。
不要なリダイレクトループ
リダイレクト設定を誤ると、http→https→http→httpsといった形でループが発生し、サイトにアクセスできなくなることがあります。特に、CDNやWAF(Web Application Firewall)を併用しているケースでは、リダイレクト設定が二重に作用する場合があるため注意が必要です。対処法としては、htaccessやサーバー設定、CDN側の設定を一度すべて確認し、どの部分でリダイレクトが行われているのかを整理することが大切です。
SSL証明書のチェーンエラー
SSL証明書には、中間CA証明書などが含まれる場合があります。サーバーへのインストール時に、必要な証明書ファイルをすべて正しく設定しないと、「証明書チェーンが不完全」というエラーが起きることがあります。これにより、一部ブラウザでは警告画面が出たり、正常にアクセスできなかったりします。解決のためには、提供元からダウンロードした中間証明書を正しい順序でまとめ、サーバー設定ファイルで正しく指定することが必要です。
有効期限切れによるサイトブロック
SSL証明書の更新を忘れてしまうと、有効期限切れとなり、ブラウザは「安全ではない接続」と判断してアクセスを遮断しようとします。多くのユーザーがサイトにたどり着けなくなるため、売上や問い合わせが激減するリスクがあります。更新作業を忘れないように、管理体制をしっかり整えることが最も重要です。自動更新機能を活用できる環境があれば、積極的に利用するのが望ましいですし、有料証明書の場合は更新前の通知を受け取れるサービスが多いため、これらを利用して常に把握しておきましょう。
SSL導入がもたらすメリットを最大化するポイント
ユーザー体験の向上
SSL導入はセキュリティを高めるだけでなく、サイト全体のユーザー体験(UX)を向上させるうえでも重要です。ユーザーが安心してフォームに情報を入力できる、クレジットカード番号を入力する際の不安が軽減されるなど、心理的ハードルを下げる効果があります。とくにECサイトや予約システムを備えたサイトでは、離脱率やカゴ落ち率の低減につながる可能性が高いです。
また、ブラウザのアドレスバーに表示される「保護された通信」を示す鍵アイコンは、ユーザーにとって分かりやすい安心材料となります。リニューアル時にデザインだけでなくセキュリティ面も同時にブラッシュアップすることで、サイト全体の印象を底上げできます。
モバイルユーザー対応
スマートフォンが普及し、モバイルからのアクセスが主流となった今、モバイルユーザーへのセキュリティ対策はより一層重要になっています。公共Wi-Fiや不特定多数が利用するネットワークを使う機会が増えたことで、盗み見リスクや不正アクセスのリスクが高まる可能性があるからです。HTTPS化されたサイトであれば、そうした環境下でも通信内容が暗号化されているため、ユーザーは比較的安心してアクセスできます。モバイルフレンドリーなサイト設計とあわせてSSL導入を行うことで、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できます。
広告収入・ビジネスチャンスの拡大
アフィリエイトや広告収入を得ているサイトの場合、近年は広告掲載プラットフォーム側もHTTPS化されたサイトでの掲載を推奨しています。一部の広告サービスでは、HTTPサイトを敬遠する動きがあるなど、広告主がセキュリティ対策の整った媒体を選ぶ傾向が強まっています。そうした状況でサイトがHTTPS化されていないとビジネスチャンスの損失になりかねません。広告掲載だけでなく、ネットショップやサブスクサービスなどオンライン決済を伴うビジネスでは、SSL非対応が大きなマイナス要因となることは言うまでもありません。
パフォーマンス最適化との両立
かつては、SSL通信によってサーバーの負荷や表示速度が低下すると言われることもありました。しかし、近年のサーバーやブラウザの性能向上、通信プロトコル(HTTP/2など)の進化によって、HTTPS化していても表示速度にほとんど差が出ないことが一般的です。むしろ、HTTP/2を活用すれば複数リソースの同時読み込みが高速化し、結果的にサイトの表示速度が向上することもあります。セキュリティを強化しつつパフォーマンスも最適化できるため、SSL導入はデメリットよりメリットのほうがはるかに大きいと言えるでしょう。
SSL導入とあわせて検討したいセキュリティ対策
WAF(Web Application Firewall)
WAFは、ウェブアプリケーションへの攻撃を検知・防御するためのファイアウォール機能です。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、ウェブサイト特有の攻撃を検出してブロックする仕組みを提供します。SSLによる通信の暗号化は盗聴や改ざんを防ぐ役割が主ですが、攻撃手法を防ぐという点ではWAFなど他のセキュリティ対策も重要です。リニューアルを機にサーバー環境を整備する際は、ホスティングサービスやクラウドサービスのWAFオプションを検討してみるとよいでしょう。
定期的な脆弱性診断
WordPressなどのCMSを利用している場合は、テーマやプラグインのバージョンが古くなると脆弱性を狙われるリスクが高くなります。SSLで通信を暗号化していても、サイトそのものに脆弱性があれば攻撃される可能性は依然として残ります。そこで、定期的なアップデートや脆弱性診断を行い、常に最新の安全性を保つことが大切です。ホームページリニューアル後もセキュリティは継続的にメンテナンスしていく必要があります。
データベースやバックアップのセキュリティ強化
SSLは通信を暗号化してくれますが、サーバー内部のデータベースやバックアップは別途対策が必要です。特にユーザー情報や注文データなどを扱うサイトの場合、サーバー上のファイルやデータベースへのアクセス権限設定が適切かどうかをチェックし、不要なポートやプロトコルを閉じるなどのサーバーセキュリティ強化が求められます。さらに、定期的なバックアップの実施と、そのバックアップデータを安全に保管する仕組みも欠かせません。災害やサーバートラブル時の復旧にも役立ちます。
具体的な導入事例と効果
ECサイトの売上向上
あるECサイトでは、非HTTPS時代に比べてSSL導入後はコンバージョン率が向上し、売上が上がったと報告されています。ユーザーが安心して支払い情報を入力できるようになったことが大きな理由です。また、GoogleのChromeブラウザによる「保護されていません」警告を回避できるようになり、ユーザー離脱率が低減したこともプラスに働きました。加えて、検索エンジンでの評価向上も後押しとなり、リニューアルの成果として複合的なメリットが得られたようです。
企業サイトのブランド力向上
BtoB企業のコーポレートサイトでは、SSL導入を機にサイト全体をモダンなデザインにリニューアルし、お問い合わせ数や資料請求数の増加につながったケースがあります。企業サイトの場合、取引先や採用応募者などが閲覧する機会も多く、サイトの安全性や信頼性がブランドイメージに直結します。デザインを刷新しつつSSLも導入することで、「ちゃんとセキュリティ対策している企業だ」という印象を与えることができ、コンバージョン率や問い合わせ件数の向上に貢献したというわけです。
公共サービスサイトのアクセシビリティ
公共機関や自治体のウェブサイトでも、住民の個人情報を扱う申請フォームなどが増えています。これらのサイトでは、セキュリティ上の観点から早期のSSL導入が求められ、同時にアクセシビリティやユーザビリティの観点からのリニューアルが行われることが多いです。結果として、SSL導入により守秘性が向上し、住民が安心してオンラインで申請や問い合わせが行えるようになりました。このように、公共サービスにとってもSSLは欠かせない要素となっています。
今後のSSLの動向とトレンド
TLS 1.3への移行
現在主流となっているTLS 1.2より、さらに高速化とセキュリティ強化を実現したTLS 1.3が普及しつつあります。TLS 1.3では、ハンドシェイクの回数が減り、通信の初期設定に要する時間が短縮されるなどのメリットがあります。サーバーやブラウザの対応が進めば、HTTPS接続のパフォーマンスがさらに向上することが期待できます。リニューアルを行う際には、利用しているサーバーの設定やソフトウェアがTLS 1.3に対応しているかどうかをチェックすると良いでしょう。
HSTSの活用
HSTS(HTTP Strict Transport Security)は、ブラウザに対して「このサイトはHTTPSでのみ接続するべきだ」と明示的に伝える機能です。これを有効にしておくと、たとえユーザーが誤って「http://」でアクセスしようとしても、ブラウザ側が自動的にHTTPS接続に切り替えます。リニューアルしたてでユーザーが古いURLを使っていたり、検索結果にhttpのURLが残っていても強制的に安全な接続へ誘導できるため、SSL化の効果をより確実に活かせます。
ただし、HSTSを導入すると設定解除が難しいため、ある程度サイトのSSL化が安定してから導入することをおすすめします。
常時SSL時代へのシフト
一昔前までは、会員登録ページや決済ページなど、個人情報を扱う部分だけをSSL化する「部分的なHTTPS対応」が一般的でした。しかし、近年はサイト全体を通じて暗号化を行う「常時SSL」が主流です。理由としては、Googleの検索結果での優遇やユーザーの信頼感の向上、ブラウザによる警告表示の強化などが挙げられます。今後はすべてのページでSSLを適用するのが当たり前となり、ホームページ制作の最初の段階でHTTPSを前提とした設計を行うのがスタンダードになるでしょう。
まとめ
SSL(TLS)を導入して安全なサイトにリニューアルすることは、今やホームページ制作の必須要件と言っても過言ではありません。ユーザーの情報保護はもちろん、検索エンジンでの評価向上やブランドイメージの向上など、多くのメリットが期待できます。特にホームページリニューアルのタイミングで一括して行うと、URL構造の変更やデザイン改修などを同時に進められるため、スムーズに移行できるでしょう。
いざSSL導入を行おうとすると、サーバーの対応や証明書の種類選び、リダイレクト設定やMixed Content対策など、多岐にわたる作業が待ち受けています。しかし、これらは今後のウェブ運営の基盤にも関わる大切なステップです。セキュリティとユーザー体験の両面でメリットを得るためにも、着実に計画を立てて運用を進めてください。
SSL化が進むにつれて、HTTPS対応していないサイトへの風当たりはますます強くなっています。検索エンジンやブラウザの仕様変更に置いていかれないよう、早めの対応が望ましいです。サイト全体をリニューアルする場合でも、細かなリダイレクト設定やコンテンツのURLチェックを怠らず、安心・安全でユーザーフレンドリーなウェブサイトを作り上げていきましょう。SSL導入は、単なるセキュリティ対策ではなく、今後のウェブビジネスを加速させる重要な投資となるはずです。
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ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
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少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
ホームページのリニューアルをご希望の方
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ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
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