もくじ
はじめに
運送・物流業界は、EC市場の拡大や企業間取引の活性化などにより需要が増加し続けています。その一方で、多くの運送会社が参入しており、サービスや料金プランが複雑化しているため、顧客は「どの運送会社を選べばいいかわからない」と混乱しがちです。こうした状況下で自社の競争力を高めるには、オンラインでの情報発信、特に「ホームページ」をいかに活用するかが大きなカギを握ります。
しかし、実際には「見た目が古い」「運ぶ内容やサービスエリアが不明」「問い合わせ動線がわかりにくい」といったホームページが存在し、潜在顧客を取りこぼしている事例が少なくありません。せっかくコストや手間をかけて「ホームページ制作」や「ホームページリニューアル」を行っても、運送業の特性を理解せずにデザインや構成を決めてしまうと、ユーザーが知りたい情報が得られず離脱してしまいます。
本稿では、運送会社がホームページを作成・運用する際に陥りやすい「5つのNG例」を取り上げ、それぞれの問題点と具体的な改善策を探ります。運送という業態ならではの信用力の確保やサービス範囲の明示、問い合わせ誘導の工夫などを理解し、競合他社との差別化を図るにはどうすればいいのか、事例を交えつつ詳しく解説します。ぜひご一読いただき、集客力と信頼度を高めるホームページ作成・運用のヒントを見つけてください。
NG例1:デザインがゴチャゴチャで何を運んでいるのか不明瞭
運送会社のホームページでは、社名やロゴを大きく載せたり、業務内容を箇条書きで羅列したりするだけで終わっているサイトを見かけることがあります。見た目がゴチャゴチャして視線が定まりにくく、ユーザーが「この会社は何が強みなのか」「どんな荷物を扱っているのか」まで把握できない状態になっているのはNGです。
(1) 視覚的な整理が不足している
トップページやヘッダー部分にあれもこれも情報を詰め込みすぎると、ユーザーの目線が混乱し、第一印象として「忙しそうなサイト」「どこをクリックすればいいのか分からない」というネガティブな印象を与えがちです。運送会社のホームページなら、まずは「どんな荷物をどこまで運んでいるのか」「企業向けか個人向けか」「引越しやチャーター便なども受け付けているか」など、メインの情報を大きく示すことが大切です。
たとえば、撮影したトラックやスタッフの写真を背景に配置し、その上に「全国対応可能」「24時間緊急対応OK」「法人専用プランあり」などのキーフレーズを配置するとわかりやすいです。過剰に装飾を追加するよりも、必要な情報をシンプルにまとめ、空白(ホワイトスペース)を活用して見やすさを演出しましょう。
(2) 読み込む前に離脱される危険性
デザインが散漫だと、ユーザーがページを開いて数秒で離脱してしまう可能性が高くなります。「なんだか見にくいな」と思わせるだけで、次の検索結果へ移動してしまい、他の運送会社のサイトを検討されてしまうわけです。サイト滞在時間が短いとSEO的にも悪影響が出やすいため、デザインと情報を見直すことで離脱率を下げる工夫が必要です。
改善策としては、「ホームページリニューアル」の際にプロのデザイナーが設計したテンプレートやモックアップを使用し、運送業ならではのイメージカラーや写真素材を効果的に配置します。ナビゲーションをヘッダーにまとめ、キーとなるメッセージをファーストビューに大きく表示し、ユーザーが一目で業務内容を把握できるようにするのが理想的です。
NG例2:業務内容や対応エリアが曖昧で信頼感に欠ける
運送会社のサービス範囲は、宅配から大型貨物まで幅広いものがあり、エリアも全国対応からローカル限定まで様々です。にもかかわらず、「業務内容の説明が2、3行しか書かれていない」「エリアについてほとんど触れていない」といったサイトをたまに見かけます。これではユーザーが「この会社は自分の依頼に対応してくれるのだろうか」と疑問に思い、問い合わせを諦めるケースもあるでしょう。
(1) 具体的な業務範囲と強みを明示していない
運送業者によっては一般貨物、引越し、定期便、緊急便、重量物の運搬など得意分野が異なります。にもかかわらず「運送全般承ります」とだけ書いていては、ユーザーが具体的に何を頼めるかわかりません。特に法人顧客や工場からの依頼では、重量物(機械設備)や産業廃棄物の運搬など特殊なニーズがあるため、専門ページを作って対応可能な業務を詳細に記載すると効果的です。
また、近年需要の高いEC向け配送、チャーター便やスポット便などもあれば「ネット通販の物流代行」「イベント機材の輸送」などシチュエーション別に事例を紹介しておくと、ユーザーが“自分のケースに当てはまる”と判断しやすくなります。
(2) 対応エリアや拠点情報の不十分さ
全国対応可能なのか、関西・近畿圏限定なのか、拠点はどこにあるのか――こうした基本情報が曖昧だと、ユーザーは「一応問い合わせてみるか…」というモチベーションを持てず、結局他社へ行ってしまいます。特に京都を拠点にする場合、「市内全域」「洛北・洛西・伏見」などを具体的に書くのか、それとも京都以外に大阪・滋賀なども視野に入れているのかをはっきり示すとユーザーに安心感を与えられます。
拠点が複数あるなら、それぞれの所在地や駐車場の規模、スタッフ数なども書き込むと、配送体制の充実度をアピールできます。
NG例3:問い合わせフォームがわかりにくい&レスポンスが遅い
ホームページを訪れるユーザーは「具体的な見積もりが欲しい」「荷物の運搬を依頼したい」と思っている可能性が高いです。しかし、問い合わせフォームがわかりにくかったり、入力項目が多すぎたりすると途中で挫折し、結局電話もメールもしてこないケースが発生します。また、フォームから送信しても返信が遅いとユーザーの熱量が下がってしまい、他社へ依頼してしまうこともあるでしょう。
(1) 不要な入力項目が多すぎる
「住所・氏名・電話番号・メールアドレス・荷物の種類・配送先住所・日程希望・アンケート質問…」など、初回問い合わせの段階であまりに細かい情報を求めると、ユーザーは疲れてしまいます。フォームの項目は最低限にしつつ、後日の電話やメールで詳細をヒアリングする流れのほうがコンバージョン率が高まる傾向があります。
ただし、法人向けの場合は会社名や担当者名、概算の荷物量などをある程度把握しないと見積もりが難しいケースもあるため、バランスを考慮する必要があります。たとえば「簡易見積もり」と「詳細見積もり」でフォームを分けるのも手です。
(2) 問い合わせ対応が遅い、または返答が形式的
問い合わせフォームから送信したのに数日経っても返信が来ない、あるいは自動返信メールすら設定していないというケースはNGです。ユーザーが次の業者を探してしまう可能性が高く、機会損失につながります。ホームページリニューアル時には、「○○営業日以内に折り返し連絡いたします」などの目安を明示し、自動返信メールで受け付け完了を知らせる仕組みを導入しましょう。
また、返信内容がテンプレート通りの文面だけではなく、ユーザーが送った条件や要望に合わせて具体的な解決策や料金目安、流れを提示することが重要です。こうした丁寧な対応は信用度を大きく高め、商談成立の確率を大きく押し上げます。
NG例4:スマホ対応やSSL化の未実装でユーザビリティを損ねる
近年、ウェブアクセスの大半がスマートフォン経由と言われる中、未だにモバイルフレンドリー対応をしていないサイトや、常時SSL化がされていないサイトが存在します。運送会社のホームページでも、スマホ対応が不十分だとユーザーが閲覧しにくく、問い合わせフォームも利用しづらいなどの不便を強いることになります。また、SSL化されていないと「保護されていません」と警告が出るケースがあり、セキュリティ面の不信感を与えます。
(1) レスポンシブデザインやモバイルUIに対応していない
PC用のデザインをそのままスマホで表示していると、文字が小さすぎたりボタンが押しづらかったりしてユーザーが離脱しやすいです。Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル対応していないサイトは検索順位で不利になる場合もあります。
ホームページリニューアル時には、レスポンシブデザインやAMP(Accelerated Mobile Pages)を導入し、ページ速度や操作性を高めることで、ユーザビリティとSEO両面でメリットを得られます。
(2) SSL未対応でセキュリティ警告が表示される
HTTPS化(常時SSL)は、ユーザーとサーバ間の通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぐために必須とされるようになりました。特に問い合わせフォームやログイン画面では個人情報を扱うケースがあるため、SSL化していないと重大なリスクとなります。ブラウザによってはアドレスバーに「保護されていません」と表示され、ユーザーが警戒してサイトを閉じてしまうこともあります。
運送業者のサイトは決済機能はないかもしれませんが、信用を重視する業界ゆえに、SSL化は最低限の対応として確実に行いましょう。
NG例5:実績やスタッフ紹介が不足し、人間味を感じない
運送業は依頼者にとって見えないところで荷物を扱うため、「この会社に任せて大丈夫なのか?」「スタッフはきちんと教育されているのか?」という不安がつきものです。しかし、ホームページ上に実績やスタッフの顔、企業理念などが一切書かれていないと、人間味を感じられず「ここに頼んでもいいのか?」と不信感が先立ちます。
(1) 施工事例や稼働実績の具体例が皆無
運送業とは少し違いますが、他のBtoB企業では「施工事例」「導入事例」などのコンテンツが豊富なのに対し、運送業では「年間何件の運送実績」「大型トラック保有台数」「対応エリア」「特殊荷物の実績」などを載せていないケースが多いです。こうした情報がないと、ユーザーは自分の案件が対応可能か、どのくらいの実績があるか見当がつかないため、電話や問い合わせまで行き着きません。
ぜひ「○○工場から他県の倉庫へ毎月定期便」「大手ECサイトの商品を全国配送」など事例を紹介し、写真や数字を使って具体的にアピールしましょう。
(2) スタッフ紹介や社内風景がなく、人柄が伝わらない
運送会社を選ぶ際、担当スタッフやドライバーの「対応が丁寧そうか」「安全管理を徹底していそうか」などが決め手になるユーザーもいます。しかし、ホームページでスタッフ紹介や社内風景の写真が全くないと、どんな人が働いているのかわからず、安心感を得づらいです。
簡単なプロフィールや顔写真、コメントなどを載せれば、ユーザーは「人間味」を感じられ、一気に親近感が増します。特に地域密着型の運送会社は、「地元出身のスタッフが多く道路事情を熟知している」「女性スタッフ在籍で細やかな気配りが得意」などの強みをアピールすると好印象を与えやすいです。
まとめ:ホームページリニューアルで“運送会社の強み”を最大限に引き出すために
ここまで「運送会社のホームページ作成における5つのNG例」と、それぞれに対する改善策を解説してきました。改めて主なポイントを振り返ると、以下のようになります。
- デザインがゴチャゴチャで何を運んでいるのか不明瞭:
- 視覚的な整理が不足していると離脱率が高まり、会社の強みが伝わらない。
- 大きなビジュアルとシンプルなレイアウトで、サービス内容を瞬時に理解させることが大事。
- 業務内容や対応エリアが曖昧で信頼感に欠ける:
- 具体的に「何を運ぶ」「どのエリアをカバー」「どんな荷物に対応可能」を明示しないと問い合わせが来ない。
- 地域名やサービス内容をハッキリ書き、利用者が自分のニーズに合うかをすぐ判別できる構成を作る。
- 問い合わせフォームがわかりにくい&レスポンスが遅い:
- 余計な入力項目が多すぎたり、フォームの場所が分かりにくいとコンバージョンを逃す。
- 迅速な返信と自動返信メールでユーザーの不安を払拭し、成約につなげる。
- スマホ対応やSSL化の未実装:
- 非レスポンシブだとモバイルユーザーが使いにくく、サイト評価も下がる。
- SSL未対応で「保護されていません」表示が出ると、信用を一気に失う可能性がある。
- 実績やスタッフ紹介が不足し、人間味を感じない:
- 具体的な運送事例や保有車両、スタッフの顔や声を載せないと、ユーザーが安心感を得にくい。
- 顧客がイメージしやすい施工事例やスタッフインタビューを掲載し、信頼度を高める。
運送会社がホームページを活用して集客やビジネス拡大を目指すためには、これらのNG例を回避し、ユーザー目線に立ったサイト構成と運用体制が不可欠です。ホームページリニューアルを機にデザインと機能を刷新し、問い合わせフォームやコンテンツを整備することで、競合他社との差別化を実現しやすくなります。
さらに、運送業ならではのサービス(定期便、倉庫保管、梱包サポート、産業廃棄物運搬など)を詳しく紹介し、運べる荷物や物流ソリューションの強みを前面に押し出せば、ユーザーに「ここに頼みたい!」と思わせる誘導がスムーズにできます。レスポンシブ化、SSL対応、SNS連動、ビフォーアフター事例やスタッフ紹介などを総合的に行うことで、ユーザーに“安心・安全・頼りになる運送会社”という印象を与えやすくなります。
終わりに
運送会社のホームページ作成やリニューアルにおいては、“運べるもの”や“サービスエリア”だけでなく、“どう運ぶのか”“誰が運ぶのか”といった内実をしっかり伝えることが非常に重要です。今回紹介した5つのNG例を回避し、適切な情報整理とデザイン、問い合わせ導線の構築、SNSや検索エンジンとの連携を行えば、より多くの見込み顧客が「ここなら大丈夫」と感じてくれるはずです。
そのためにも、ホームページリニューアルの計画段階から専門家の意見を取り入れ、SEO対策やレスポンシブ対応、SSL化などを抜かりなく実装することをおすすめします。運送会社としての信頼性を向上させ、将来的な顧客獲得や売上アップにつなげるため、ぜひ今回のNG例と改善策を参考に“集客&信頼アップ”を実現してください。
運送会社のホームページ制作やリニューアル、サイト運営などでお悩みの方々は遠慮なくご相談ください。
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