近年では、個人や企業がウェブサイトを持つことが当たり前になりつつあります。情報発信や集客、ブランディングなど、ホームページを活用する目的は人によってさまざまです。しかし、漠然とホームページを作っただけでは思うような効果が得られないことも珍しくありません。本当に成果の出るウェブサイトを作るためには、戦略的な「ホームページ制作」が重要なのです。
ホームページ制作を成功させるためには、制作前の準備やデザイン、運用に至るまで、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。今回は、「ホームページ制作における10の注意点」をピックアップしました。デザイン面やコンテンツ作成のコツ、SEO対策、運用の継続性など、さまざまな視点からわかりやすく解説します。ウェブサイトをこれから作ろうとしている方や、既存サイトをリニューアルして成果を高めたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
もくじ
1. 目的と目標を明確にする
ホームページ制作を始める前に、まずやるべきことは「目的と目標の明確化」です。ウェブサイトを作る理由があいまいなまま進めてしまうと、完成後に「結局どのような成果が欲しかったのか」がわからなくなり、徒労感だけが残ってしまうケースもあります。
たとえば、目的としては次のような例が考えられます。
- 自社の商品やサービスを知ってもらう(ブランディング・広告)
- オンラインショップとして売り上げを伸ばす(ECサイト)
- 名刺代わりに基本情報を掲載しておく(簡易的な会社案内)
- 予約や問い合わせの窓口を設置する(利便性向上)
これらの目的が1つだけの場合もあれば、複数の目的を兼ね備えていることもあるでしょう。大切なのは、「何を重視したいのか」を明確にして、ウェブサイト全体の方針やデザイン、コンテンツの方向性を定めることです。たとえば「自社の魅力を発信し、問い合わせを増やしたい」という目標がはっきりしていれば、問い合わせフォームをわかりやすい場所に設置したり、事例や実績を充実させたりと、必要な要素を的確に配置しやすくなります。
また、目標を数字で表すこともおすすめです。
- アクセス数を月間○○PVにする
- 問い合わせ件数を月○件に増やす
- SNSフォロワーを半年で○人増やす
こうした指標を設定することで、ホームページ制作後の効果測定も行いやすくなります。具体的な目標を定めると、次にどのような施策を取るべきかが見えやすくなり、ウェブサイトの運用にも力が入ります。
2. ターゲットを絞り、ユーザー目線を徹底する
ホームページ制作では、ターゲットとするユーザーの属性を明確にすることが欠かせません。自社の製品やサービスを求める人は、年齢や性別、職業、居住地など、どのような特徴を持っているのでしょうか。ペルソナと呼ばれる、「具体的なユーザー像の設定」を行うと、コンテンツやデザイン、導線づくりがスムーズになります。
たとえば、健康志向の30代女性をメインターゲットにしている食品メーカーならば、デザインもやわらかいイメージを意識したり、栄養成分をわかりやすく見せる工夫をすると効果的です。逆に、30代のIT系エンジニアを対象とした技術系ブログなら、モノトーンやシンプルなテイストで読みやすさを重視するほうが好まれるかもしれません。
ユーザー目線を徹底するというのは、閲覧者が「このサイトには、私の欲しい情報がちゃんとある」「使いやすい」「面白い」と感じてくれる設計を行うことを指します。
- 余計な装飾や情報を減らす
- 必要な情報にすぐアクセスできる導線を用意する
- スマホ対応を怠らない
- 難しい専門用語は使わず、かみ砕いた表現を心がける
こういった配慮は、結果的にコンバージョン率(問い合わせや購入などの成果指標)の向上にも貢献します。特にターゲットが高齢者である場合や、スマートフォンで閲覧するユーザーが大半を占める場合などは、文字の大きさやボタンの押しやすさ、読み込み速度といった細かい点にも気を遣いましょう。
3. デザインでブランディングを強化する
「デザインは見た目だけの問題」と思われがちですが、実際には、ホームページ制作におけるデザインは企業やお店の“顔”と言える重要な要素です。視覚的な印象は一瞬でユーザーのイメージを決定づけるため、デザインの方向性によってブランディング効果が大きく左右されます。
ブランディングを強化するには、「一貫性」がカギとなります。たとえば、コーポレートカラーやロゴが赤色なら、ホームページのメインカラーにも赤を使用し、アクセントとして適度に配色することで統一感を出します。フォントの選び方や写真のテイストなども含めて、企業イメージとマッチしたスタイルに仕上げることが重要です。
また、写真やイラストのクオリティも見落とせません。商品の写真やスタッフの紹介写真などをプロのカメラマンに依頼し、統一感あるアートディレクションを行うと、閲覧者が受け取る印象が格段に上がります。特にECサイトの場合、商品の魅力が伝わる写真は購買意欲に直結するので手を抜けないポイントです。
さらに、動きや演出効果を取り入れることで、ウェブサイトを訪れたユーザーに強い印象を与えることも可能です。ただし、アニメーションや動画を多用しすぎると読み込み速度が遅くなってしまい、逆効果になるケースもあるので、目的とバランスをよく考慮して導入を検討してください。
4. 情報設計をしっかり行い、わかりやすい導線をつくる
ホームページ制作の成否を左右する要素の一つとして、「情報設計」が挙げられます。これは、ウェブサイト内に掲載するコンテンツをどのように配置し、どうやってユーザーを目的のページへ誘導するかを考える作業です。サイトマップを作成し、各ページの役割や階層構造を整理しておくと、開発途中で迷子になりにくくなります。
情報設計を行う際は、「ユーザーが最短のクリック数で目的を達成できる」ことを意識するのがおすすめです。クリックやタップを何度も要求されると、途中で面倒になり離脱してしまうユーザーが増える傾向があります。メインメニューやサイドメニューを使って複雑な階層構造を整理し、ユーザーが迷わないよう道しるべを提示しましょう。
また、各ページで掲載する情報量にもメリハリが大切です。トップページやランディングページには、サイト全体の魅力や要点を端的にまとめて、ユーザーが「このサイトには何があるのか」を一目で把握できるようにします。詳細情報が必要な場合は、適切なリンクやボタンで関連記事へ誘導し、興味のある人だけが深掘りして読めるようにすると、全体として読みやすくなります。
5. スマホ対応(レスポンシブデザイン)を怠らない
スマートフォンやタブレットが普及した現代において、モバイル端末でウェブサイトを閲覧するユーザーは非常に多くなっています。パソコンの画面だけを前提としたホームページ制作では、たとえデザインが美しくても、スマホからアクセスした場合に見づらく使いにくい可能性が高まります。
こうした問題を解決するためには、「レスポンシブデザイン」が必要不可欠です。画面サイズに合わせてレイアウトを自動的に調整する仕組みを取り入れることで、どのデバイスからアクセスしても快適に閲覧・操作できるようになります。また、Googleもモバイルフレンドリーなサイトを優遇する傾向があるため、SEOの観点から見てもスマホ対応は無視できない重要事項です。
レスポンシブデザインを導入する際は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 文字サイズ:小さすぎると読みづらい
- ボタンの大きさ:タップしやすい適度なサイズ
- 画像や動画の読み込み速度:通信環境に配慮し軽量化
- メニューの配置:スマホ用のハンバーガーメニューなどで見やすさを確保
もし既存のウェブサイトがスマホ対応していない場合は、リニューアルの優先事項として検討することをおすすめします。モバイル端末でもストレスなく利用してもらえる環境を整えることで、ユーザーとの接点が広がり、機会損失を防ぐことができるでしょう。
6. コンテンツ品質を重視し、SEO対策を意識する
ホームページ制作の際に見落とせないのが、「検索エンジン最適化(SEO)」です。検索エンジンからの流入は、ウェブサイトへの訪問者を増やす大きなチャンス。とくに、多くのユーザーがGoogleなどで検索を行う現代において、上位表示されるかどうかでアクセス数が大きく変わります。
しかし、「SEO=キーワードをたくさん詰め込む」と考えてしまうのは危険です。過度なキーワードの乱用は、検索エンジンからのペナルティの対象にもなる可能性があります。大事なのは、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供するという基本姿勢です。
具体的には、以下のような取り組みが考えられます。
- 独自性の高い記事や情報を発信する
- 視覚的にもわかりやすいレイアウトを心がける
- 見出しや文章に適度にキーワードを含める(不自然にならない程度に)
- 定期的にブログやお役立ちコンテンツを更新し、サイトを活性化させる
また、タイトルタグやメタディスクリプション(検索結果で表示される要約)にも適切なキーワードを入れると効果的です。ページのタイトルは検索エンジンが内容を把握するうえで重要視する要素なので、コンテンツの内容を簡潔かつ魅力的に伝えるよう工夫しましょう。ホームページ制作の段階からSEOを意識し、コンテンツの品質を高めることが、長期的なトラフィック増加とブランド力向上につながります。
7. ページ表示速度を意識して快適な体験を提供する
ウェブサイトを訪れたユーザーが最初に経験するのは、「ページが表示されるまでの時間」です。いくらデザインがきれいで内容が充実していても、表示に何秒もかかってしまうと、途中で諦めて離脱される可能性が高くなります。
表示速度を改善するには、不要なスクリプトやプラグインを削減し、画像や動画のファイルサイズを圧縮するなどの対策が有効です。特にECサイトなどでは商品画像が大量にあるため、適切な圧縮技術やCDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用を検討することも考えられます。
ページの表示速度は、ユーザーの満足度だけでなく、SEOにも影響を与えます。検索エンジンは表示速度が速いサイトを優遇する傾向にあるので、快適な閲覧体験を提供するためにも、パフォーマンス最適化は常に意識しておきたいポイントです。
8. 問い合わせや購入フローをわかりやすくする
ホームページ制作では、成果(コンバージョン)を得るためのフロー設計も重要です。商品を購入してもらいたい、問い合わせを送ってほしい、資料請求をしてもらいたいなど、目的となる行動をユーザーがスムーズに行えるように案内する必要があります。
たとえば、問い合わせフォームはできるだけ項目数を絞って記入しやすくする、送信ボタンや確認ボタンをわかりやすい位置に設置するなどの工夫が考えられます。ECサイトの場合は、カート追加から決済までの流れが複雑になりすぎないようにし、購入を検討しているユーザーがストレスを感じない導線を用意することが大切です。
また、「個人情報の取り扱い」が関わる場合は、プライバシーポリシーをわかりやすく明記し、安心感を与えることも忘れないようにしましょう。問い合わせフォームや決済ページでSSL(暗号化通信)が導入されていないと、ユーザーは不安を感じて離脱してしまう可能性が高まります。セキュリティ面にも配慮しつつ、利用しやすいフォームや購入フローを整備するのが理想です。
9. アクセス解析でデータを把握し、改善を続ける
ホームページ制作が完成したからといって、そこで終わりではありません。むしろ公開後こそが本当のスタートといえます。ウェブサイトを効果的に運用していくためには、アクセス解析ツールを導入し、どのページにどのくらいの人が訪れ、どのような経路で離脱しているのかを把握することが大切です。
代表的な無料ツールとしてはGoogleアナリティクスがあります。これを使えば、ユーザーの閲覧デバイス、地域、滞在時間、直帰率など、さまざまなデータを確認できます。
- どのページが人気なのか
- どんな検索キーワードで流入しているのか
- どのページから離脱していることが多いのか
こうした情報をもとに、ページのレイアウト変更やコンテンツの追加、内部リンクの最適化などの改善施策を継続的に行いましょう。データに基づいたPDCAサイクル(計画→実行→確認→改善)を回すことで、ホームページ制作の成果を徐々に高めていくことができます。
また、アクセス解析だけでなく、ユーザーからの問い合わせ内容やSNSのコメントなども重要なフィードバックの源泉です。ユーザーが何を求めているかを知り、それに応じてコンテンツを拡充するなどの取り組みを続けると、サイト全体のクオリティが上がりやすくなります。
10. 運用とメンテナンスを軽視しない
最後の注意点として、「運用とメンテナンスを軽視しない」ことを強調したいです。ホームページ制作の段階では、多くの方がデザインや機能に目を奪われがちですが、実際には公開後の運営がより重要と言っても過言ではありません。
運用とメンテナンスには、次のような要素が含まれます。
- コンテンツの更新(ブログ投稿、ニュースリリース、商品入れ替えなど)
- セキュリティ対策(CMSやプラグインのバージョンアップ、脆弱性のチェック)
- デザインや構成の見直し(トレンドや顧客ニーズの変化への対応)
- 不具合やエラーへの対処(リンク切れやサーバートラブルの検出・修正)
たとえ完成直後は最先端のホームページでも、1年、2年とたつうちに機能やデザイン、コンテンツが古びてしまうことは避けられません。定期的にアップデートを行うことで、検索エンジンからの評価も維持でき、ユーザーに飽きられないサイトを保つことが可能です。
運用体制をどうするかも大きな課題です。社内スタッフで対応するのか、専門の制作会社やフリーランスに依頼するのか。更新頻度が高い場合は、誰でも簡単に更新できるCMSを導入しておくとスムーズです。どちらにしても、「サイトを育てていく」意識を持つことで、長期的に成果を出し続けるホームページを目指せるでしょう。
まとめ
ここまで、ホームページ制作における10の注意点を順に解説してきました。改めて振り返ってみましょう。
- 目的と目標を明確にする
まずは、どのような成果を求めるのかをはっきりさせ、指標を定めることが大切です。 - ターゲットを絞り、ユーザー目線を徹底する
具体的なユーザー像を設定し、使いやすさと情報のわかりやすさを重視しましょう。 - デザインでブランディングを強化する
一貫性のあるビジュアルや色使いを心がけ、印象的な写真やロゴでブランドイメージを高めます。 - 情報設計をしっかり行い、わかりやすい導線をつくる
サイトマップやメニュー構成を整理して、ユーザーが迷わず目的を達成できる仕組みを作りましょう。 - スマホ対応(レスポンシブデザイン)を怠らない
どんなデバイスでも快適に使えるサイトを目指し、モバイルフレンドリー化を優先的に取り組みます。 - コンテンツ品質を重視し、SEO対策を意識する
ユーザーに役立つ情報を提供しつつ、検索エンジンからの評価も得られるよう工夫してください。 - ページ表示速度を意識して快適な体験を提供する
不必要なデータやスクリプトを削減し、速やかに表示されるウェブサイトを実現します。 - 問い合わせや購入フローをわかりやすくする
フォームや決済プロセスをシンプルにし、ユーザーが行動を起こしやすい導線を構築します。 - アクセス解析でデータを把握し、改善を続ける
ユーザー行動のデータを解析し、PDCAサイクルを回してサイトの完成度を高めましょう。 - 運用とメンテナンスを軽視しない
公開後も定期的に更新・メンテナンスを行い、常に新鮮な状態を保つ意識が大切です。
ホームページ制作は、単なる「ウェブサイトの見た目づくり」ではなく、コンテンツマーケティングやブランディング、コミュニケーション手段としても機能する総合的な取り組みです。目的やターゲットを正しく設定し、継続的な改善を続けることで、ウェブサイトがビジネスや活動の大きな支えになってくれるでしょう。
今や、どのような業種や目的でもオンラインでの存在感は無視できません。自分たちが発信したい情報や世界観を、最大限に活かせる「ホームページ制作」を行うことで、多くの人々との出会いが生まれ、新たなビジネスチャンスや可能性が広がります。ぜひ今回のガイドを参考に、効果的なホームページを目指して制作・運用を進めてみてください。たとえはじめは試行錯誤の連続であっても、適切な方向性を持ってPDCAを回すことで、ウェブサイトは着実に成長していきます。
最終的には、「ユーザーの役に立ち、その結果、ビジネスの成果を上げる」ことがホームページ制作のゴールとなります。デザイン・コンテンツ・導線すべてにこだわりを持ちつつ、常に最新の情報や技術を取り入れていきましょう。ホームページは作って終わりではなく、公開後の運用とアップデートを通じてこそ真価を発揮する重要な資産です。継続的な運用を行う中で、自分たちならではの魅力や強みを活かした発信ができるよう、楽しみながらウェブサイトを育てていってください。
ホームページ制作に行き詰まったり、ちょっとした手直しなど部分的なサポートが必要な方は遠慮なくご相談ください。
ホームページリニューアルの事例
ホームページ制作の事例を随時ご紹介させていただきます。事例は、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリュームといった具体的な内容を紹介させていただきます。
少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
ホームページ制作をご希望の方
ホームページ制作をご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。
ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
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