世界から未来の才能が集まる。京都の大学研究室ウェブサイトリニューアルが秘める可能性

もくじ

はじめに

悠久の歴史と文化が息づき、世界中から知的好奇心旺盛な人々が集う街、京都。この特別な場所で、日々新たな知の地平を切り拓いておられる大学研究室の皆様にとって、その研究活動の深化こそが最も重要な使命であることは論を俟ちません。しかし、その世界水準の研究成果や、研究室が持つ唯一無二の魅力は、適切な形で「世界」に届いているでしょうか。現代において、その最も重要な窓口となるのが、研究室の「顔」であるウェブサイトです。

もし、研究室のウェブサイトが数年前から更新されていない、スマートフォンで見るとレイアウトが崩れる、あるいは、専門的すぎて研究室を目指す学生や共同研究を検討する企業にとって内容が十分に伝わらない、といった課題を少しでも感じておられるなら、それは非常に大きな機会損失を生んでいる可能性があります。

本稿では、単なる「ホームページのリニューアル」という作業を超え、それを戦略的な投資と捉え、京都という地の利を最大限に活かしながら、世界中から優秀な人材を惹きつけ、研究資金や共同研究の機会を拡大し、そして研究成果の社会的価値を最大化するための具体的な方策を、ウェブマーケティングのプロフェッショナルとしての視点から、深く、そして分かりやすく解説していきます。これは、研究室の未来を大きく左右する、極めて重要な「研究開発」の一つなのです。

未来の研究を担う逸材を惹きつける京都の研究室ウェブサイト

京都の大学が持つブランド力は絶大ですが、現代の優秀な学生や研究者は、そのブランド名だけで研究室を選ぶわけではありません。彼らはデジタルネイティブ世代であり、オンラインで得られる情報の質と量を極めて重視します。研究室のウェブサイトは、彼らが最初に研究室の「実態」に触れる、いわばデジタルの玄関口です。その第一印象が、彼らの重要な選択を大きく左右するのです。

学生が本当知りたい情報とは何か?そのインサイトに応えるコンテンツ戦略

研究室への配属を希望する学部生や、国内外の大学院進学希望者がウェブサイトを訪れる時、彼らはどのような情報を求めているのでしょうか。もちろん、第一に重要なのは「研究内容」です。しかし、論文リストや専門用語が並んでいるだけでは、彼らの心を掴むことはできません。彼らが本当に知りたいのは、「この研究室で自分は成長できるのか?」「どのような環境で日々を過ごすことになるのか?」「この先生や先輩たちと一緒に研究がしたいと思えるか?」といった、より人間的で、未来を想像させる情報なのです。

例えば、京都大学大学院の研究室のウェブサイトは、がん研究という高度な内容を扱いつつも、その研究が我々の日常生活とどう結びつくのかを丁寧に解説することで、専門外の訪問者にも興味を抱かせる工夫が凝らされています。このように、研究テーマの社会的意義や将来性を、物語として語ることが極めて重要です。さらに、指導教員の教育方針や研究に対する情熱を伝えるページ、在学生の声を掲載したインタビュー、一週間のモデルスケジュール、研究室のイベント(ゼミ合宿、歓迎会、追いコンなど)の写真ギャラリーといったコンテンツは、訪問者が研究室での生活を具体的にイメージする上で非常に有効です。これらの「生の情報」こそが、数多ある研究室の中から「ここを選びたい」と思わせる決定的な要因となるのです。リニューアルに際しては、こうした学生のインサイト(深層心理)を徹底的に分析し、彼らの期待を超える情報を提供することが、優秀な人材獲得競争における第一歩となります。

世界の頭脳を京都へ。国際的な研究者を魅了する多言語対応と情報設計

国際都市・京都の大学研究室にとって、海外からの優秀な博士課程学生やポスドク、共同研究者の獲得は、研究レベルを飛躍的に向上させる上で不可欠です。[1] 彼らにとって、研究室のウェブサイトは、日本での研究生活を始めるか否かを判断するための、ほぼ唯一の情報源と言っても過言ではありません。ここで重要になるのが、徹底した多言語対応、特に英語での情報発信です。トップページからワンクリックで英語版にアクセスできるのは最低条件であり、研究内容はもちろんのこと、教員や在籍する留学生のプロフィール、さらには京都での生活情報(住居、ビザ、大学のサポート体制など)に至るまで、日本語版と同等、あるいはそれ以上の情報量を提供することが望まれます。

情報学研究科のある研究室のウェブサイトでは、日本語と英語のコンテンツが完全に両立されており、多様な国籍の研究者が在籍していることが一目でわかるようになっています。[1] これは、グローバルな研究環境を求める海外の研究者にとって、非常に魅力的に映ります。また、単に情報を翻訳するだけでなく、文化的な背景の違いを意識した情報設計も重要です。「Theses(学位論文)」や「Projects(プロジェクト)」といった項目を整理し、過去の研究成果を体系的にアーカイブすることで、研究室の学術的な蓄積と信頼性を具体的に示すことができます。[1] ウェブサイトが「世界への窓」として機能しているか。その問いに対する答えが、国際的な人材獲得の成否を分ける鍵となるのです。京都という世界的なブランドを最大限に活かし、世界中の才能が自然と集まるような、開かれたウェブサイトを構築すべきです。

「人」の魅力で惹きつける。研究室のリアルな日常と文化の発信

研究室は、研究テーマや設備だけで成り立っているのではありません。そこに集う「人」こそが、研究室の最も重要な資産であり、その魅力の源泉です。ウェブサイトを通じて、研究室の持つ独自の文化や温かいコミュニティの雰囲気を伝えることは、特に若い世代の学生を惹きつける上で絶大な効果を発揮します。格式高い研究内容の紹介ページとは別に、「Lab Life」や「Blog」といったセクションを設け、研究室の日常を積極的に発信していくことを推奨します。例えば、定期的なゼミの様子を写真付きでレポートする、新しいメンバーが入った際の歓迎会の様子を伝える、在学生が主体となって研究紹介や学生生活に関するブログ記事を執筆する、といった取り組みが考えられます。

京都大学の測地学研究室のウェブサイトでは、「NEWS」欄で学生の論文掲載や学会での受賞といったタイムリーな情報が発信されており、研究室の活気が伝わってきます。[2] このような継続的な情報発信は、研究室が常にアクティブであることを示すだけでなく、メンバーの成功を皆で祝い、称賛する文化があることの証左ともなります。また、研究の合間の息抜きや、京都ならではの季節のイベント(花見、祇園祭、紅葉狩りなど)を楽しんでいる様子を発信することも、研究一辺倒ではない、人間味あふれる研究室の姿を伝え、学生に親近感と安心感を与えます。ウェブサイトは、もはや静的な情報パンフレットではありません。研究室という「生きたコミュニティ」の魅力を、リアルタイムで世界に伝えるダイナミックなメディアなのです。

共同研究と資金獲得を加速させる京都からの戦略的情報発信

大学研究室の持続的な発展のためには、外部との連携、特に産業界との共同研究や公的な研究資金の獲得が不可欠です。ウェブサイトは、こうした重要なステークホルダーに対する、最も効率的かつ効果的なプレゼンテーションツールとなり得ます。プロフェッショナルで信頼性に足る情報発信基地を構築することが、新たな機会の扉を開きます。

産業界のパートナーシップを拓く。技術シーズと連携実績の見せ方

企業の研究開発担当者や技術探索担当者が大学の研究室ウェブサイトを訪れる際、彼らは学術的な新規性だけでなく、「自社の課題解決に繋がるか」「スムーズに連携できるか」という極めて実践的な視点で情報を探しています。したがって、彼らのニーズに応える専門のコンテンツを用意することが、連携の第一歩となります。具体的には、「企業の方へ」あるいは「産学連携」といった独立したページを設け、研究室が保有する技術シーズ(特許、ノウハウなど)を、専門用語を避けつつ、可能な応用分野や提供できる価値を明記して紹介することが重要です。

例えば、「我々の〇〇触媒技術は、従来のプロセスと比較して製造コストを30%削減し、環境負荷を50%低減する可能性があります」といった具体的なメリットを提示することで、企業の担当者は自社での活用をイメージしやすくなります。さらに、過去の共同研究実績や受託研究の実例を(守秘義務に配慮しつつ)紹介することは、研究室の信頼性と実力を証明する上で非常に効果的です。どの企業と、どのようなテーマで、どのような成果を上げたのか。具体的なケーススタディは、何よりも雄弁な説得材料となります。また、連携相談の窓口となる担当者名と連絡先を明確に記載し、問い合わせフォームを設置するなど、コンタクトへの導線を分かりやすく設計することも、機会損失を防ぐ上で不可欠な配慮です。

競争的資金獲得を有利に進めるための研究ビジョンと実績の提示

科学研究費助成事業(科研費)をはじめとする競争的資金の申請において、研究内容そのものの独創性や実現可能性が審査の根幹であることは言うまでもありません。しかし、審査員も人間であり、限られた時間の中で多くの申請書に目を通します。その際、申請書だけでは伝わりきらない研究室の全体像や将来性、研究に対する熱意を補完する情報源として、ウェブサイトが参照されるケースは少なくありません。ウェブサイトが、研究室の「信頼性」と「ビジョン」を力強く裏付けてくれるのです。

そのためには、単に発表論文リストを並べるだけでなく、研究室が目指す長期的な研究ビジョンや、解決しようとしている大きな学術的・社会的課題を、ストーリーとして提示するページが有効です。「私たちの研究グループは、〇〇という未解明な生命現象の根本原理を解き明かし、10年後には△△という難病の治療法開発に繋がる基盤を築くことを目指しています」といった、壮大かつ明確なビジョンは、研究の意義を深く印象付けます。また、研究成果を時系列やテーマごとに整理し、それぞれの研究がどのように次のステップに繋がっていったのか、その「研究の系譜」を可視化することも、研究室の着実な歩みと計画性を示す上で効果的です。京都大学の学術研究展開センター(KURA)のような大学全体の研究力強化の取り組みと連動していることをアピールするのも良いでしょう。[3] 質の高いウェブサイトは、研究室が持つポテンシャルを最大限にアピールし、資金獲得の可能性を高める強力な武器となります。

学際的・国際的連携を生むための研究リソースの可視化

現代の科学技術の進展は、一つの研究室だけで完結することは稀であり、国内外の他大学や研究機関との学際的な連携、すなわちオープンイノベーションが成功の鍵を握っています。共同研究のパートナーを探している研究者は、「この研究室は、どのようなユニークな知見や技術、そして設備を持っているのか」という点に強い関心を寄せます。ウェブサイトは、こうした研究リソースを効果的に「見える化」し、新たな連携のきっかけを生み出すためのプラットフォームとなり得ます。

具体的には、「研究設備(Facilities/Equipment)」というページを設け、研究室が保有する特殊な実験装置や分析機器のリストを、その仕様や性能、可能となる測定・分析内容と共に掲載します。可能であれば、高解像度の写真や、実際に稼働している様子のショートビデオを添えると、より魅力的に伝わります。これにより、外部の研究者は「あの装置を使えば、自分の研究が格段に進展するかもしれない」と具体的な連携をイメージしやすくなります。また、研究室が得意とする特定の実験技術や解析手法、独自に開発したソフトウェアなども、重要な研究リソースです。これらの知的資産を分かりやすく紹介し、共同利用や技術指導の可能性について言及することで、思わぬ分野からの連携の申し出に繋がる可能性があります。研究室の持つリソースをオープンにすることは、閉鎖的な印象を払拭し、世界中の研究者との新たなネットワークを構築するための第一歩となるのです。

研究成果の価値を最大化し、社会に届けるためのデジタルブランディング

優れた研究成果は、学術論文として発表されることでその価値が公に認められます。しかし、その価値を学術コミュニティ内だけに留めておくのは、あまりにもったいないと言えるでしょう。ウェブサイトを戦略的に活用し、研究成果の価値を社会全体に広く、深く届けること。それが、研究室の評価をさらに高め、次なる研究への好循環を生み出す「デジタルブランディング」です。

専門分野でのSEO(検索エンジン最適化)によるプレゼンス向上

「SEO」と聞くと、商業的なウェブサイトを連想するかもしれませんが、その本質は「情報を求めている人に、的確に情報を届ける技術」であり、これは大学研究室にとっても極めて重要です。例えば、ある特定の疾患の治療法を探している患者さんやそのご家族、あるいは、特定の技術に関心を持つ企業の開発者が、GoogleやYahoo!で検索した際に、皆様の研究室のウェブサイトが上位に表示されるとしたらどうでしょうか。それは、研究成果が社会に貢献する、新たな扉を開くことに他なりません。

SEOの基本は、人々がどのようなキーワードで検索するかを予測し、そのキーワードに関連する質の高いコンテンツをウェブサイト上に用意することです。例えば、「京都 がん免疫療法 研究室」や「iPS細胞 応用研究 京都大学」といった具体的なキーワードで検索された際に、自研究室のサイトが的確にヒットするよう、ページタイトルや見出し、本文のテキストを最適化していく必要があります。また、研究内容を解説するページでは、専門用語だけでなく、一般の人にも理解できる平易な言葉を交えて説明することで、より広い層からのアクセスが期待できます。Google Scholarのプロフィールとウェブサイトを連携させることも有効です。ウェブサイトのリニューアルは、こうしたSEOの土台となるサイト構造を最新の基準に合わせて設計する絶好の機会であり、何もしなければ埋もれてしまうかもしれない研究成果に、光を当てるための重要なステップなのです。

論文発表だけでは終わらない。研究ストーリーを伝えるコンテンツマーケティング

一本の学術論文が世に出るまでには、その背景に数々の試行錯誤、予期せぬ発見、そして研究者たちの情熱が込められています。こうした論文の行間にある「物語」を発信することこそが、研究の真の面白さや価値を社会に伝えるための鍵となります。これが研究室におけるコンテンツマーケティングです。例えば、重要な論文がアクセプトされたタイミングで、その研究の背景や、何が新しく、どのような社会的インパクトが期待されるのかを、研究者自身の言葉で解説するブログ記事を公開します。難解なデータやグラフは、分かりやすい図やインフォグラフィックスに加工して示すと、理解は格段に深まります。

京都産業大学のタンパク質動態研究所のサイトは、「どうしてタンパク質を食べないと生きていけないのか」という問いかけから始めることで、訪問者の興味を引きつけることに成功しています。このように、人々の素朴な疑問に答える形のコンテンツは、科学コミュニケーションとして非常に優れています。また、研究プロセスでの失敗談や、そこから得られた教訓などを共有することも、研究のリアルな姿を伝え、科学に対する親近感を醸成します。こうしたコンテンツは、SNSで共有されることで学術コミュニティを超えて拡散し、思わぬところから取材の依頼や講演の機会に繋がる可能性も秘めています。ウェブサイトを、単なる成果の保管庫ではなく、研究という物語を紡ぎ出すメディアとして活用することで、研究室のブランド価値は飛躍的に高まるのです。

メディアや社会との良好な関係を築くための情報発信基盤

研究室の画期的な成果が、新聞やテレビ、ウェブメディアで取り上げられれば、その影響力は計り知れません。研究室や大学の知名度向上はもちろん、社会からの理解と支援を得る上でも大きな力となります。しかし、多忙なメディア関係者が、数多ある研究成果の中から価値あるニュースを発掘するのは容易ではありません。そこで、メディア関係者が迅速かつ正確に情報を得られるような「おもてなし」を、ウェブサイト上に用意しておくことが極めて重要になります。

具体的には、「プレスルーム」や「メディアの方へ」といったセクションを設け、そこに研究室の概要をまとめた資料(ファクトシート)、専門用語を使わずに研究内容を解説した文章、研究室や教員の高解像度の写真、ロゴデータなどをダウンロード可能な形で用意しておきます(プレスキット)。また、取材依頼や問い合わせに迅速に対応できる担当者の連絡先を明記しておくことも不可欠です。重要な研究成果を発表する際には、事前にプレスリリースを作成し、ウェブサイト上で公開すると同時に、関係するメディアに配信することで、記事化される可能性は高まります。普段からこうした情報発信の基盤を整えておくことで、いざという時にスムーズなメディア対応が可能となり、社会との良好なコミュニケーションを築くことができるのです。これは、研究成果を社会に還元するという、大学の重要な使命を果たす上でも欠かせない取り組みと言えるでしょう。

ユーザビリティと技術革新がもたらす持続可能な研究室ウェブサイト

どれほど優れたコンテンツを用意しても、ウェブサイトそのものが使いにくかったり、技術的に時代遅れであったりすれば、その価値は半減してしまいます。訪問者にとって快適な利用体験を提供し、研究室のメンバーが容易に情報を更新できる、持続可能なウェブサイトを構築すること。それが、これまでの努力を結実させるための最後の、しかし極めて重要な要素です。

学生も企業担当者も。あらゆる訪問者が見やすいモバイルファースト設計

現代において、人々がインターネットにアクセスする際の主要なデバイスは、もはやパソコンではありません。スマートフォンです。研究室を探す学生が移動中の電車の中で、共同研究先を探す企業の担当者が出張先で、皆様の研究室のウェブサイトを閲覧するシーンを想像してみてください。その時、文字が小さすぎて読めなかったり、レイアウトが崩れていたりすれば、彼らは即座にページを閉じてしまうでしょう。ウェブサイトがスマートフォンに最適化されていないことは、もはや致命的な欠点と言えます。

「モバイルファースト」とは、単にスマートフォンでも表示できる、というレベルの話ではありません。最初からスマートフォンの小さな画面で最も快適に閲覧・操作できることを前提としてデザインを設計し、その後でタブレットやデスクトップといった大きな画面に対応させていくという考え方です。これにより、タップしやすいボタンの大きさ、無駄な情報を削ぎ落としたシンプルなナビゲーション、そして高速なページ表示が実現され、あらゆる訪問者にストレスのない閲覧体験を提供できます。特に若い世代にとっては、ウェブサイトのモバイル対応は「当たり前」の品質基準です。この基準を満たしていないサイトは、それだけで「古い」「利用者のことを考えていない」というネガティブな印象を与えかねません。リニューアルにおいては、このモバイルファーストの思想を徹底することが、現代のウェブサイトの必須要件です。

専門知識は不要。研究者自身が簡単に情報を更新できるCMSの導入

ウェブサイトは「作って終わり」ではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。新しい研究成果、メンバーの異動、イベントの告知など、ウェブサイトの情報を常に最新の状態に保つことが、その価値を維持・向上させる上で不可欠です。しかし、情報の更新のたびに専門の業者に依頼していては、時間もコストもかかり、タイムリーな情報発信は困難になります。そこで絶大な効果を発揮するのが、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の導入です。

CMSとは、HTMLやCSSといった専門的なウェブ制作の知識がなくても、ワープロソフトを使うような感覚で、ウェブサイトの文章や画像を追加・修正できる仕組みのことです。世界で最も普及しているWordPressなどがその代表例です。CMSを導入すれば、例えば新しい論文が発表された際に、担当の学生が自身のパソコンからすぐに「業績」ページを更新できます。学会発表の予定を「お知らせ」に掲載することも簡単です。大学研究室に特化した「ラボゼミCMS」のようなサービスも存在し、研究室特有のニーズに応える機能を備えています。これにより、ウェブサイトは外部の業者に依存する「お荷物」ではなく、研究室のメンバー全員で育てていく「生きたツール」へと変わります。情報更新のハードルを劇的に下げ、サイトの鮮度を保つこと。それが、持続可能なウェブサイト運営の鍵となります。

すべての人に情報を。アクセシビリティへの配慮が研究室の信頼を高める

ウェブサイトの「アクセシビリティ」とは、年齢や身体的な条件、利用環境にかかわらず、誰もがウェブサイトの情報や機能に問題なくアクセスし、利用できることを指します。例えば、視覚に障がいのある方が音声読み上げソフトを使って情報を得られるように、画像にはその内容を説明する代替テキスト(altタグ)を設定する。あるいは、色の区別がつきにくい方でも情報が読み取れるように、文字と背景のコントラストを十分に確保する、といった配慮が求められます。

こうしたアクセシビリティへの対応は、単なる社会的な要請に応えるというだけでなく、研究室の信頼性を高める上でも非常に重要です。公的な機関である大学の研究室が、インクルーシブ(包括的)な姿勢をデジタル空間においても示すことは、その社会的責任を果たすことにも繋がります。また、Googleをはじめとする検索エンジンは、アクセシビリティの高いウェブサイトを評価する傾向にあり、SEOの観点からも有利に働きます。ウェブサイトのリニューアルは、デザインやコンテンツだけでなく、その根底にある技術的な設計思想を見直し、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)などの国際的なガイドラインに準拠した、真に「開かれた」ウェブサイトを構築する絶好の機会です。すべての人々に対して門戸を開くこと。その姿勢こそが、21世紀の研究室にふさわしい品格と信頼性の証となるのです。

まとめ

本稿では、京都の大学研究室がウェブサイトをリニューアルすることの多岐にわたるメリットと、その具体的な戦略について詳述してきました。

もはやウェブサイトは、単なる研究業績を並べるだけの静的な電子看板ではありません。それは、未来の才能を世界中から惹きつける強力な磁石であり、新たな共同研究や資金獲得の機会を創出する戦略的な交渉のテーブルであり、そして、研究成果の真の価値を社会に届け、研究室のブランドを構築するためのダイナミックな情報発信基地です。

時代遅れのウェブサイトを放置することは、日々生まれているはずの貴重な出会いやチャンスを、静かに逃し続けていることに他なりません。

ウェブサイトのリニューアルは、京都という伝統と革新が共存する世界的な知の集積地において、皆様の研究室が持つポテンシャルを最大限に解放するための、極めて効果的な一手です。学生の視点に立ち、国際的な感覚を持ち、産業界や社会との対話を意識したウェブサイトを構築すること。そして、技術的な使いやすさを追求し、誰もが情報を得られる開かれた場所にすること。

これらの投資は、必ずや研究室の未来をより明るく、豊かなものにするでしょう。今こそ、皆様の研究活動にふさわしい、世界水準のデジタルな「顔」を創り上げる時ではないでしょうか。

参考

  1. 未来の研究者と世界を惹きつける、京都の研究室サイト刷新術
  2. 京都大学 理学部/理学研究科 地球惑星科学専攻 地球物理学教室 測地学研究室
  3. 大学及び大学共同利用機関の研究力強化に必要な課題及び対策に関する調査(part3)

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ozasaオフィスピコッツ株式会社代表取締役社長
1971年奈良県生まれ。京都・滋賀を中心にWeb制作・DX支援を行うオフィスピコッツ株式会社代表取締役。制作歴25年以上、官公庁・大手企業から中小まで多様なサイトを手掛け、Webアワードでの受賞歴多数。ホームページ制作、リニューアル、SEO、補助金活用、多言語EC・オンラインショップ運営支援までワンストップ提供するWebマーケティングのプロ。新規事業立ち上げ支援や自治体DX、各種プロジェクトのアドバイザー、大学校・高校講師、PTA会長など活動は多岐にわたる。琵琶湖観光PRにも情熱を注ぎ、地域企業の売上向上と持続的成長を伴走型で支援し、日々研鑽を続けている。