もくじ
はじめに
設計事務所のホームページは竣工写真を並べるだけの作品集ではなく、設計思想と施主課題解決力を証明する営業資産です。しかし現場では「写真は美しいが問い合わせが伸びない」「更新が止まり検索圏外に沈む」等の悩みが頻発します。
本稿ではポートフォリオ情報設計・高速表示・専門用語の伝達・ローカルSEO強化・問い合わせ導線最適化・CMS保守体制という6領域に分け、設計事務所特有の課題を深掘りし、実装レベルの解決策を提示します。読み終えたとき、貴社は「どの順序でサイトを改修すべきか」を具体的に描けるはずです。
魅力的なポートフォリオ構築
プロジェクトメタデータをJSON-LD化し比較検討を容易にする
竣工写真のみを列挙したページでは閲覧者が敷地条件や構造制約を把握できず自案件と照合できません。各事例ページに「敷地面積」「主要構造」「工期」「採用素材」「設計課題と解決ポイント」を必須項目として掲載し、Schema.org/Project型でJSON-LDマークアップするとGoogle検索結果にリッチリザルトが表示されクリック率が向上します。
京都市で集合住宅中心に活動するRはこの情報設計を導入し問い合わせ率を約1.6倍に伸ばしました。項目はテーブル化するとスマホでも可読性が高まりページ滞在時間が延び、SEO評価も強化される副次効果が得られます。
設計ストーリー公開で専門性と人間味を両立させる
完成写真は外注撮影でも再現できますが、プロセスにおける判断と葛藤こそ設計力の証拠です。設計ストーリー型記事では初回ヒアリングのメモ、基本設計段階のBIMモデル、現場監理中の対策写真を時系列で紹介し、それぞれに施主コメントを添えます。
伊丹市のアトリエFは週1本のストーリー記事を公開し平均ページ滞在時間を32%向上させました。記事末尾に「同様の条件でお考えなら無料相談へ」と短いCTAを置くと自然な流れで問い合わせを誘導できます。
Matterportビューで立体的魅力を体験させ合意形成を高速化
SketchfabやMatterportの埋め込みビューは閲覧者がマウス操作で空間を360度確認でき、写真では伝わらない採光計画や素材感を体感させます。スタジオNはMatterportツアーを全案件に導入し、成約率を14%向上させました。ビュー内注釈機能で「光だまり生成」「床剛性強化位置」を示すと専門性が直感的に伝わり修正回数が減少します。事前に用語集PDFを共有するとレビューが整理され工数を20%削減できます。
表示速度とパフォーマンス最適化
WebP変換とCloudflareImagesで画像転送量を70%削減
設計事務所サイトは高解像度写真が不可欠ですが無圧縮画像は速度を著しく低下させます。長辺4,000px超の元画像を90%圧縮のWebPへ変換しCloudflareImagesのオンザフライリサイズで配信すると転送量を約70%削減しLCPを大幅改善できます。Cloudflareは画像ストレージとリサイズ機能を統合し開発者が一元管理できると発表しており、実装負荷も下がります。
HTTP/3+Brotli圧縮で国際クライアントのUXを向上
海外案件を抱える事務所ではリージョン外アクセスのレイテンシが課題です。CloudflareCDNでHTTP/3とBrotli圧縮を併用するとTLSハンドシェイクが高速化され北米からの読み込みが平均35%短縮された事例があります。EdgeCachingを併用すれば静的アセットをユーザー最寄りノードから配信でき、グローバル案件獲得競争で優位に立てます。
LazyLoad実装時のCLS対策で視覚安定性を確保
画像遅延読込は転送量削減に有効ですが不適切実装はCLSを悪化させUXを損ないます。ファーストビュー画像のみpriority属性を付与し残りはIntersectionObserverで読込む構成が安全です。WordPressならNativeLazyLoading対応テーマへ切替えプラグイン依存を回避し保守負荷を削減できます。CLSを0.1未満に抑えPageExperience評価をクリアすれば検索順位低下を防止できます。
専門用語の伝わるコンテンツ設計
難解ワードを四〇文字以内に区切り読み替えを添える手法
建築基準法や構造計算用語が連続すると施主は内容を正確に理解できず離脱します。文章を作成する際には「柱頭変位角」「許容応力度設計」「準耐火構造」のように一語で重い概念を示す単語が現れたら読点で文を区切り、その直後に「つまり地震時に柱が傾く限界値」「構造材が耐えられる強度の計算基準」「火災時でも一定時間崩落しにくい構造」など平易な読み替えを必ず添えます。
さらに語句の横に視覚で捉えやすい縮尺付き図解を挿入し、数値を強調せずポイントカラーでマーキングすると読者は文章と図を交互に参照しながら理解を深められます。実務ブログでこの方法を採った事務所は平均読了率を20%以上高め、滞在時間も30%伸長しました。検索エンジンは用語の同義語を自動学習しており、明快な読み替えがあるほどコンテンツを高品質と判定し上位表示につながります。文章末尾に用語解説ページへの内部リンクを設定すればサイト全体の回遊性も向上し直帰率を下げられます。
ストーリー形式で技術解説を自然に挿入する
「幅35メートル奥行き15メートルの狭小地で採光と通風を両立させた住宅」を例とします。朝7時に東側のハイサイドライトから差し込む光を家族が浴びながら朝食をとるシーンを描写し、続いてBIM上で設定した開口率や反射率を示すスクリーンショットを提示すると、施主は数値を意識せずに設計意図を理解できます。
次に夕刻の場面へ切り替え、西日の熱負荷を抑える深い庇の効果をシミュレーション画像で説明し、その後「この庇はアルミ押出材の持続可能グレードSC701を使用し、耐候年数は25年以上」と技術情報を添えます。物語を通じて数値を分散配置することで読者の負荷を軽減しながら専門性を訴求でき、導線として記事末尾に「似た条件で計画中なら無料相談へ」のCTAを置けば自然な流れで問い合わせへつながります。
同義語活用と内部リンクで専門用語を網羅的にカバー
同一ページに「設計事務所」といったメインキーワードを過剰に詰め込むとスパム判定を受ける恐れがあります。本文13,000字規模なら主要2語を合計400以内に抑え、「建築設計オフィス」といった同義語を循環させます。語彙の多様性が文章の自然さを高め読者のストレスを軽減する効果もあります。
関連キーワード「木造耐震補強」「BIMマネジメント」「長期優良住宅認定」などを取り上げた過去記事へ内部リンクを張り巡らせると、検索エンジンがサイト全体の専門領域を正確に把握し評価を底上げします。クリック先の記事にはパンくずリストを実装し、HTMLのschema.org/BreadcrumbListを付与しておけばクローラビリティが向上し、サイト構造が明瞭化して検索順位の安定化に寄与します。
地域集客を強めるローカルSEO
詳細地名と主力ジャンルを掛け合わせた3語キーワード戦略
都市部では「大阪 設計事務所」だけでは競合が多すぎて検索1ページ目に入るのは困難です。タイトルタグとH1に「大阪市福島区 木造住宅 設計事務所」のように詳細地名と専門ジャンルを組み込み、本文では地域特有の建築条例や準防火地域指定に触れて信頼性を示します。3語掛け合わせを実施した京都市のオフィスでは月間自然流入が3倍に増加し、広告費ゼロで問い合わせが2倍以上に伸びました。ページ下部に地域名のタグクラウドを設けると他エリアの記事閲覧へ回遊が進み、ロングテールキーワードでの流入も期待できます。
Googleビジネスプロフィールの画像カテゴリ更新で表示機会を拡大
スマートフォンユーザーは検索結果より先に地図タブを開く傾向があります。外観写真・内観写真・スタッフ写真を3カテゴリそれぞれ5枚以上登録し、月次で差し替えるとアクティブなアカウントとしてGoogleが評価し表示回数が増えます。実際に週1回の投稿と写真更新を継続した小規模設計事務所は電話タップ数を2倍に伸ばしました。口コミには24時間以内に返信し、専門的な質問は自社でQ&Aを作成して先回り回答するとユーザーの疑問が解消され相談率が向上します。
施工事例マップと口コミ構造化データでローカルパック強化
WordPressのマッププラグインで施工場所をピン表示し、ピンから事例詳細へ遷移させる導線を構築すると閲覧者は自宅近くの実績を素早く確認できます。位置情報をschema.org/Placeでマークアップし、クチコミ点数をAggregateRatingで構造化するとローカルパックの星評価欄に反映されクリック率が高まります。
さらにストリートビューに竣工外観を登録しておけば現地確認の手間が省け、遠距離施主の検討意欲を後押しできます。ページビューは平均2.3三倍に伸び、滞在時間も長くなるため、検索評価とユーザー満足度を同時に向上できます。
問い合わせ導線を最適化しコンバージョン率を向上
ファーストビューCTAと補色ボタンで視認性を高める
ヒーロー画像直下に「無料相談はこちら」といった行動喚起ボタンを配置し、ブランドカラーより一段明るい補色を使うと視認性が飛躍的に向上します。色彩心理学では赤系やオレンジ系が購買行動を促進するとされ、A/Bテストでもボタン色変更だけでクリック率が20%超伸びるケースが確認されています。実際にウェビナープラットフォームDはCTAをより濃い色に変更し、13日間のテストでコンバージョンを57.79%改善しました 。
この成果は設計事務所サイトでも再現性が高く、住宅事例ページで同手法を導入した大阪市内の事務所は問い合わせ率が1.4倍に増加しました。重要なのはファーストビュー内に余白を確保し、本文とのコントラストを維持することです。スマホではスクロール追従型の小型ボタンを固定し、タップ距離を短縮すると離脱を抑制できます。さらにボタン文言を「プランの相談をする」のように動詞+ベネフィット型へ変えると意欲が高い訪問者を的確に取り込めます。
フォーム項目の最小化とインセンティブ付き自動返信
入力途中離脱の主因は必須項目の多さです。氏名・電話番号・メール・相談内容の4項目に絞れば完了率が上がります。京都の木造専門オフィスでは従来8項目だったフォームを4項目へ削減後、送信完了率が46%→72%に向上しました。送信後すぐに配信する自動返信メールには担当者名と顔写真を入れ、返信目安時間を「24時間以内」と具体的に示します。
加えて施工事例PDFや費用早見表へのリンクを提供すると「問い合わせメリット」が明確になり、次回打合せ参加率が高まります。自動返信は二重opt-inにもなりスパム防止に寄与します。MailgunやSendGridのWebhookを使えば送信エラーをダッシュボードで監視でき、メール不達による機会損失を減らすことも可能です。
用途別ランディングページと動画活用でCVRを引き上げる
住宅・店舗・公共施設を一つのページで説明すると訴求がぼやけます。用途別ランディングページへ分割し、各ページ冒頭に60秒程度のダイジェスト動画を埋め込むと読了前に設計方針を提示でき、問い合わせ動機を早期に刺激します。兵庫県のアトリエ型事務所は動画LPを3本公開し、ページ到達からフォーム送信までの平均時間を5分短縮しました。
動画は既存Matterportツアーの抜粋やBIMモデルのアニメーションで制作コストを抑え、YouTube埋め込みではなく自社ホスティングで行うと外部広告が表示されずブランドイメージを守れます。LPの末尾には「無料プラン相談」ボタンを設置し、クリック後に入力済みメールをURLパラメータで受け渡すプリフィル処理を行えば、二度入力の手間が省けCVRが上がります。
CMS運用体制とセキュリティ強化
テンプレート化と権限分離で更新品質を担保
GutenbergブロックやAdvancedCustomFieldsで投稿テンプレートを実装すると、設計士自身がHTMLを意識せず記事を公開でき、更新速度が向上します。大阪の構造設計事務所はテンプレート導入後、記事公開までの平均工数を従来比70%削減しました。
役割を「管理者」「編集者」「寄稿者」に分け、承認フローを設けると公開前に誤字脱字や法的リスクを除去できます。チェックリストをGoogleSpreadsheetで共有し、ステータスセルに条件付き書式で色を付ければ進捗が一目で分かり運用ミスを防げます。
ステージング環境と自動バックアップで無停止運用
KinstaやWPEngineが提供するワンクリックステージングを利用すれば、本番サイトを複製した環境でプラグイン更新やテーマ改修を安全にテストできます。検証後は「PushToLive」ボタンを押すだけで差分を本番へ反映でき、公開中の瞬断を数秒以内に抑えられます。アップデート直前に手動バックアップを取得し、さらに日次自動バックアップを保持しておけば、障害発生時も数分前の状態へロールバック可能です。夜間にアクセスが集中する作品ギャラリーページでもダウンタイムをほぼゼロに保ちながらセキュリティパッチ適用が行えます。ステージングはSSL証明書も自動複製されるためHTTPS警告の心配もありません。
障害監視と即時復旧体制でブランド信頼を守る
ステージングとバックアップが整っていても、障害検知が遅れればユーザー体験は損なわれます。UptimeRobotやStatusCakeで30秒間隔のHTTP監視を設定し、異常時にSlackへWebhook通知すると担当者が即応できます。KinstaのAPMツールを併用すればPHP実行時間のボトルネックを可視化でき、リリース後のパフォーマンス劣化を迅速に解決可能です。さらにCloudflareのRateLimitingとWAFルールを設定するとDDoSやブルートフォース攻撃を自動遮断でき、サイト停止リスクを低減します。こうした多層防御と即時復旧体制を社内マニュアル化し年2回の訓練を実施すれば、クライアントからの信頼保持に直結します。
まとめ
設計事務所のホームページを成果につなげる鍵は、視認性の高いCTA設計・最小フォームと自動返信による離脱防止・動画LPでの早期訴求・テンプレート化での更新効率向上・ステージングとバックアップによる無停止運用です。これらを段階的に実装し、A/Bテストや監視ツールで数値を継続計測すれば、サイトは強力な営業チャネルへ進化します。ローカルSEOやストーリー型記事との相乗効果で検索流入を増やし、問い合わせ率と成約率を同時に押し上げることで、設計事務所の受注基盤を長期にわたり支えられるでしょう。
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