もくじ
- 1 なぜ古いWordPressを使い続けると危険なのか
- 2 脆弱性が放置される恐怖:セキュリティホールの現状と攻撃事例
- 3 プラグイン・テーマとの互換性:運用面でのトラブルが続発
- 4 古いWordPressを使い続ける組織的理由とその弊害
- 5 アップデートを先延ばしにしないための実践ステップ
- 6 ホームページリニューアルとセットで取り組むと効果倍増:具体的アクション
- 7 “古いままでいいや”は大きな損失につながる:今こそ行動を
- 8 古いWordPressからの移行手順:具体的アプローチをさらに詳しく
- 9 セキュリティ対策の要点:アップデート後も続ける安心設計
- 10 テーマやプラグイン更新時のエラー原因と対処法
- 11 リニューアル計画に必要な工数とスケジュール感
- 12 成功例に見る、アップデートでサイトを進化させた事例の特徴
- 13 まとめ
- 14 WordPress関連記事
- 15 ホームページリニューアルやサイト運営サポートの事例
- 16 WordPressのサイト運営サポートをご希望の方
- 17 WordPressのホームページリニューアルをご希望の方
なぜ古いWordPressを使い続けると危険なのか
WordPressは世界中で多くのサイトに導入されている人気のCMS(コンテンツ管理システム)です。テーマやプラグインが豊富で使いやすい反面、バージョンアップが頻繁に行われることでも知られています。ところが、さまざまな理由から長期間古いバージョンを使い続けているサイトも少なくありません。実は、この“アップデートしていない”という行為が、セキュリティリスクや運用上のトラブルを招く大きな原因となるのです。
とくに、WordPressのバージョンがかなり古いまま放置されている場合、既知の脆弱性が未修正のまま残っているため、サイトが攻撃者の格好の標的になる恐れがあります。また、テーマやプラグインとの互換性の問題も増加し、サイト表示の不具合や管理画面へのログイン障害など、運用面でのトラブルが発生しやすくなるでしょう。さらに放置期間が長いほどバージョン差が大きくなり、いざアップデートしようとしても一度に更新できず大きなコストや手間がかかるといった悪循環に陥るケースも珍しくありません。
こうした状況を避けるためにも、古いWordPressを使い続けるリスクを正しく理解し、ホームページリニューアルの際には必要な対策を早めに検討することが不可欠です。本稿では、古いバージョンを放置していると具体的にどんな問題が起こるのか、その対策方法や移行のポイントを詳しく解説します。脆弱性を放置した状態を続けると、最悪の場合サイトが改ざんされたり、顧客データが流出したりといった重大な事件につながる可能性もあるため、危機感を持ってアップデート計画を立てることが大切です。
脆弱性が放置される恐怖:セキュリティホールの現状と攻撃事例
アップデートのたびに修正される脆弱性が狙われる理由
WordPressが定期的にバージョンアップを行う主な目的の一つが、発見された脆弱性の修正です。たとえば、管理画面への不正ログインを招くバグや、外部からファイルをアップロードできてしまう穴など、ネット上の悪意ある攻撃者が見つけたセキュリティホールを迅速にふさぐために新バージョンがリリースされます。つまり、最新バージョンでは問題を解決できている事柄でも、古いバージョンには同じ脆弱性が残り続けるというわけです。
攻撃者は世界中のサイトをスキャンし、同じ脆弱性を大量に探し回っていることが多いです。見つけ次第、自動ツールで改ざんしたり、マルウェアを仕込んだり、不正なリダイレクトを設定したりします。古いWordPressを使っているということは、既に修正されているはずの脆弱性をずっと抱えている状態ですから、攻撃のターゲットにされやすく、被害が深刻化するリスクが跳ね上がります。サイトが改ざんされれば、ブランドイメージの失墜や検索エンジンからのペナルティなど、大きな損失に直結するでしょう。
加えて、WordPressコア(本体)だけでなく、プラグインやテーマにも脆弱性が見つかることがあります。古いバージョンで保守が行われていないプラグインを使用していれば、そこから侵入される可能性も十分に考えられます。こうしたリスクを根本的に減らすには、WordPress本体、プラグイン、テーマのすべてを最新か、少なくともサポート範囲内の安定版にアップデートするのが欠かせません。
セキュリティインシデントの悪夢:改ざんや情報漏洩の深刻性
仮にサイトが攻撃され、改ざんや不正なコードを仕込まれてしまうと、以下のような深刻な被害が想定されます。
- 利用者の個人情報流出
会員登録しているユーザーの氏名やメールアドレス、パスワードなどが流出すると、顧客への謝罪や信頼喪失、最悪の場合は法的責任にも発展します。 - Google検索からの除外・順位低下
ハッキングされてマルウェアが仕込まれたサイトは、Googleにより“有害サイト”として警告が出されたり、検索結果から除外されるリスクがあります。これによりトラフィックと売上が大幅減少することは避けられません。 - スパム配信の踏み台
攻撃者がサイトを乗っ取り、メール送信機能を悪用して大量のスパムを送信するケースもあります。結果としてプロバイダのブラックリストに載り、正常なメール送信ができなくなるなどの被害も考えられます。 - SEOスコアの低下
不正リダイレクトやリンクスパムを仕込まれることで、サイトが検索エンジンからペナルティを受け、順位が急落する場合があります。サイトの復旧や検索順位の回復には長い時間と労力を要するでしょう。
こうしたセキュリティインシデントは企業にとって痛手ですし、場合によっては賠償問題や信用回復に多大なコストがかかります。古いWordPressを使い続けるリスクを放置することが、どれほど恐ろしい結末を招きうるか、改めて認識しておく必要があるのです。
プラグイン・テーマとの互換性:運用面でのトラブルが続発
アップデートしないままだとプラグインが動かなくなる?
WordPressのバージョンが古い場合、最新のプラグインとの互換性が失われてしまうことがよくあります。プラグイン開発者は新しいWordPressを前提に機能改善やバグ修正を行うため、古いバージョンでは動作確認を行わないケースも増えていくのです。例えば、セキュリティ系プラグインやキャッシュ系プラグインが新バージョンで導入された重要な機能を利用しているなら、古いWordPress上ではインストール自体ができない、もしくはエラーを起こしてサイトが白画面になるといったトラブルも起こりかねません。
さらに、プラグインだけでなくテーマも同様です。テーマのアップデートはWordPress本体の機能向上に合わせて行われることが多く、古いバージョンのままのテーマを使い続けていると、管理画面やフロントエンドでレイアウト崩れや機能が使えないといった状況が発生します。結果として「新しいデザインや機能を取り入れたいのに、バージョンが古すぎて無理」となり、サイト改修のたびに余分なコストや時間を要する事態に陥るでしょう。
また、一部のプラグインは古いWordPress上で動いているうちにセキュリティの穴を生むこともあります。アップデートしていれば修正されていた脆弱性が残り続けてしまい、最終的にサイト全体が危険にさらされる可能性があるわけです。
ホームページリニューアル時に発覚する“想定外の不具合”
ホームページをリニューアルしようとすると、デザイン変更や機能追加に伴い、複数のプラグインを導入することが一般的です。ところが、古いWordPressを土台として新しいプラグインを試みた際にエラーや表示崩れが頻発すると、プロジェクト全体の進行を遅らせる原因となります。特に、本番サーバー上で突発的な不具合が出ると、営業中のサイトが長時間ダウンしてしまう危険もあります。
こうしたトラブルを避けるには、リニューアルのタイミングでWordPress本体を最新バージョンにアップデートし、テーマとプラグインも互換性が保証されるバージョンへ統一するのが理想です。事前にステージング環境(テスト環境)を用意し、全てのプラグインが問題なく動作するかを確認すれば、本番サイト移行時のリスクを最小限に抑えられます。逆に、ホームページのデザインやレイアウトだけをリニューアルし、WordPress本体を放置したままだと、後々の拡張や管理が一層困難になり、結局二度手間三度手間をかける羽目になるのです。
古いWordPressを使い続ける組織的理由とその弊害
“アップデートが面倒”という心理的ハードル
古いWordPressのまま放置しているケースの多くは、「アップデート作業が面倒だし怖い」という心理が背景にあります。確かに、バージョンアップした途端にテーマが崩れたり、プラグイン同士の競合でサイトが真っ白になったりするリスクはゼロではありません。しかし、面倒だからといって放置すれば、その間に脆弱性が放置され、先述のセキュリティリスクや運用上の不具合がどんどん蓄積してしまうのです。
特に、社内にウェブ担当者がいない場合は「外部に頼む費用がかかる」「担当者が辞めてしまって更新方法がわからない」などの理由でアップデートを先延ばしにしがちです。こうした状況で万が一被害が発生すると、修復費用や信用損失はアップデート作業のコストよりはるかに高額になる可能性があり、結局後から大きなダメージを受ける結果となります。
アドホックな修正が積み重なりシステムが複雑化
古いWordPressに小出しのパッチや独自のカスタマイズを繰り返していると、どこにどんなコードが埋め込まれているか把握しにくくなるパターンがあります。テーマやプラグインごとにアドホックな修正を行っているうちに、全体像が把握できない複雑なシステムが出来上がるのです。これでは、新規スタッフや制作会社が引き継ぎを受けたときに大変困惑し、「このままではアップデートすると何が起こるかわからない」という最悪のシナリオが想定されます。
ホームページリニューアルの際には、システムを一度整理して不要なプラグインを削除し、コア機能で代用できる部分を統合するのが得策です。必要なカスタムコードがあるなら、子テーマや機能プラグインを活用して管理しやすい形に移行すると、将来のバージョンアップに対応しやすくなります。こうした整理を怠ると、新デザインを適用しても想定外の不具合や速度低下を招き、本来のリニューアル効果を十分に発揮できなくなるでしょう。
アップデートを先延ばしにしないための実践ステップ
ステージング環境で安全にテスト&アップデート
古いWordPressを最新化するには、一気に本番環境で行うとリスクが大きいため、事前にステージング環境(テスト用コピーサイト)を用意してアップデートを試すのが定番の手順です。ここで、WordPress本体→テーマ→プラグインの順番でアップデートを進め、画面表示や機能動作を確認します。もしエラーが出る場合は原因を特定し、不具合を修正してから再度試すことで、安全にアップデートが可能です。
また、アップデート前には必ずバックアップ(データベースやファイル一式)を取っておき、トラブル時には巻き戻せるようにしておくことが大切です。これを定期的に行う仕組みを社内に整備しておけば、一度アップデートに成功した後も、最新版への追従を持続的に実践しやすくなるでしょう。予算に余裕があるなら、外部の制作会社や運用代行にステージング環境構築とメンテナンスを依頼するのも一案です。
定期点検の仕組みづくりと担当者設定
アップデートに関して「忙しくて結局やらない」「気がついたら1年以上バージョン上げていない」といった事態を防ぐには、定期的にチェックする担当者を社内で決めておくと効果的です。たとえば、月に1回または2~3か月に1回のペースでWordPressの管理画面を確認し、プラグインやテーマ、本体の更新通知があればステージング環境でテストのうえ本番に適用するといったプロセスをルーチン化するのです。
この仕組みは、ホームページリニューアルの際に導入しておくと最初から最新バージョンを使い続ける土台が作れます。また、WordPressを触る頻度が少ない場合でも、メール通知や運用ダッシュボードを活用して、自動更新が可能なものは自動化し、慎重に検証すべき要素は担当者が手動で行うなど仕分けすると、負担が軽減されるでしょう。結果として「いつの間にか古いWordPressのままだった」というリスクが大きく減り、セキュリティや機能面で常に最良の状態を維持しやすくなるわけです。
ホームページリニューアルとセットで取り組むと効果倍増:具体的アクション
- 調査と計画立案
- 現在のWordPressバージョンやプラグイン、テーマの状況を洗い出す
- どの部分に不具合が潜んでいるか、要修正箇所や不要なプラグインをリストアップ
- ステージング環境の構築
- 本番サイトをコピーしたテスト環境を作り、そこですべてのアップデート作業を試す
- テーマやプラグインの互換性テスト、不具合の発生有無を入念に確認
- 一括か段階的かアップデート方針の決定
- WordPressコアを最新にする前に、プラグインやテーマをアップデートする順序を検討
- 大きな差がある場合は、段階的なバージョンアップが必要かもしれない
- デザイン・機能の刷新と同時に行う
- リニューアルするなら、デザイン変更やコンテンツ追加のタイミングでWordPress本体の更新をセットで実施
- 不要プラグインの整理やカスタムコードの統一など、システムをスリム化して保守しやすい形にする
- GoogleビジネスプロフィールやSNS連携の最適化
- リニューアルサイトとあわせて、Googleビジネスプロフィールの情報更新(写真追加、紹介文の刷新)を行う
- SNSでリニューアルのお知らせや新機能の案内を行い、アクセスを誘導する
- 定期的な点検・アップデートルーチンの確立
- リニューアル後も、月1回など決まった周期で更新状況をチェックし、小さなバグを早期に修正する
- 担当者や外部運用会社と連携し、自動更新+手動検証のハイブリッド体制を築く
こうしたプロセスを踏むことで、古いWordPress由来のセキュリティリスクや運用上の落とし穴を回避し、最新の機能やデザインをフルに活かしたホームページ運用が実現します。アップデートの先延ばしがいかに危険かを改めて理解したうえで、迅速かつ着実なステップを踏むのが最善策と言えるでしょう。
“古いままでいいや”は大きな損失につながる:今こそ行動を
WordPressは、便利な拡張性と使いやすさで多くのサイト運営者に利用されている反面、アップデートの重要性をきちんと理解していないと深刻なセキュリティ被害や運用トラブルに陥るリスクをはらんでいます。特に古いバージョンを使い続ける理由として、費用面や作業面の負担が挙げられがちですが、もしハッキングされてサイトが停止・改ざんされた場合の損害と比べれば、アップデートコストははるかに小さいものです。リニューアルによってサイトデザインやコンテンツを一新する際には、必ずWordPress本体の更新も組み合わせたプランを立て、運用体制を整えましょう。
ユーザーや検索エンジンから信頼を得るには、セキュアかつ最新のシステム環境がベースになります。もし“古いWordPressが怖くなってきた”“そろそろリニューアルを考えていた”と思ったなら、今こそ具体的な移行計画を動かすチャンスです。アップデートで得られる安全・速度・機能向上の恩恵を最大限に活かし、より高品質なユーザー体験を提供できるサイトへと脱皮していきましょう。
古いWordPressからの移行手順:具体的アプローチをさらに詳しく
段階的アップデートとマイグレーションプランの必要性
すでに古いWordPressを長期間使い続けているサイトの場合、現在のバージョンと最新バージョンの間に大きなギャップが生じている可能性があります。たとえばWordPress 4.x系を利用しているところが、いきなり5.x系へアップデートしようとすると、テーマやプラグインが一気に互換性エラーを起こすリスクが高まります。こうしたケースでは、段階的にバージョンを上げるアプローチが有効です。つまり、まずは4.x系の最新安定版へアップデートしてから、そこから5.x系の初期バージョンや5.x系の最新版へ移行するなど、いくつかのステップを踏むことで、大幅な不具合を避けられます。
ただし、この作業には十分なテスト環境と綿密なマイグレーションプランが必要です。アップデート中に万が一システムエラーが起こっても即座に戻せるよう、バックアップを複数世代分確保しておくことも重要でしょう。さらに、プラグインやテーマごとにアップデート対応状況が異なる点に注意が必要です。たとえば、あるプラグインは最新のWordPressにすでに対応しているが、別のプラグインはまだ4.x系にしか最適化されていない、といったことがあり得ます。このような場合、最新の代替プラグインへ移行するのか、それともリリースを待つのかを検討する段階で、サイト全体の構成を見直すきっかけにもなります。
加えて、マイナーアップデートを自動化しているサイトは、コアのマイナーリリース(セキュリティ修正やバグ修正のみ)だけは自動で進んでいるかもしれませんが、メジャーバージョンアップは手動が基本なので結局置き去りになっているケースもあります。こうした“自動アップデートの落とし穴”を把握しつつ、どの段階のバージョンが安全で安定しているかを見極めながら計画的に進めると、スムーズに移行できるでしょう。
サイト構成・データベースの整理とリファクタリング
長年運用したWordPressサイトでは、不要になったカスタムコードや使われなくなったプラグイン、データベース上のゴミデータなどが蓄積している場合が珍しくありません。リニューアルやアップデートのタイミングは、こうした過去の遺物を整理する絶好の機会です。具体的には、
- 使われていないプラグインやテーマを削除
- 旧プラグインが扱っていた投稿タイプやカスタムフィールドを再確認し、必要なら新しい仕組みへ移行する
- データベースをOPTIMIZEコマンドなどで最適化し、不要なテーブルやレコードを排除する
- カスタムコードをfunctions.phpなどへ直書きしているなら、子テーマやカスタムプラグインとして分離し、メンテナンス性を向上させる
これにより、アップデート後のサイト構成がスリムかつ把握しやすい状態となり、今後の運用で生じるリスクも低減します。特にデータベースが肥大化している場合はパフォーマンスに悪影響を与える恐れもあるため、不要データを削除したり、古いログやリビジョンを定期的にクリアするなど、軽量化を意識することが大切です。また、プラグインの中には似たような機能を重複して持つものがあり、まとめられるなら同系統のプラグインを1つに絞るといった取捨選択も進めていくとよいでしょう。
セキュリティ対策の要点:アップデート後も続ける安心設計
ログイン画面の強化と認証方法の追加
WordPressのセキュリティを固めるうえで、管理画面への不正アクセスを防ぐのは最優先課題です。最新版へのアップデートで脆弱性をふさいでも、弱いID・パスワードや単純なユーザー名であればブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)などにさらされる可能性が残ります。そこで、二要素認証(2FA)を導入し、SMSや認証アプリによるコード入力を必須にする、あるいはリカバリ用のバックアップコードを準備するなど、多段階で本人確認を行う仕組みが効果的です。
また、セキュリティプラグインを活用してログイン試行回数を制限する、特定のIPからしか管理画面にアクセスできないように設定するなどの対策も検討できます。ただし、最新版のWordPressではこうした機能が標準プラグインや設定でかなり充実しているケースもあるため、古いバージョンの時点では導入できなかった機能を、アップデート後にぜひ取り入れるとよいでしょう。
自動更新の活用と迅速なセキュリティリリース適用
WordPress 5.x系以降では、プラグインやテーマの自動更新機能が徐々に拡充され、細かなセキュリティリリースにいちいち手動対応しなくても済む可能性が高まっています。ただし、全プラグイン・全テーマを自動更新に設定すると、思わぬ表示崩れや機能競合が起きた際に気づきにくいデメリットもあるため、更新前にテストすべきプラグインは除外するなどのルール設定が必要です。
「自動更新をしていたらある日突然サイトが壊れた」という事態を避けるには、ステージング環境で常に最新リリースをテストするか、コアやプラグインのセキュリティリリースだけ自動化するなど運用ポリシーを決めましょう。特に緊急セキュリティ修正があった場合に即座に更新できれば、攻撃の標的になる可能性を大幅に減らせます。一方、大規模なメジャーアップデートは慎重に行い、メジャーバージョンとマイナーバージョンを切り分けるというのが、WordPress管理の上級者向けの常套手段です。
テーマやプラグイン更新時のエラー原因と対処法
PHPバージョンやサーバー環境の不整合
WordPressやプラグインを最新にする際、サーバー側のPHPバージョンが古かったり特定の拡張モジュールが不足していたりすると、エラーが起きやすくなります。たとえば、テーマがPHP 7.4以降を要求する一方で、サーバーのPHPが7.2のままだと“Fatal error”が表示されてサイトが動かないなどのケースです。リニューアルを機にサーバー移転やサーバープランの変更を検討するなら、最新のPHPとMySQL(もしくはMariaDB)に対応した環境を選び、WordPressの要求仕様を満たすことが大切です。
また、サーバーが安価プランでメモリが極端に少ないと、高機能テーマや複数プラグインの同時読み込みでメモリリミットに達し、サイトが白画面になることがあります。こうしたトラブルを避けるためにも、リニューアル前にサーバー仕様をしっかりチェックし、必要に応じて上位プランに変更すると、安定したサイト運用が可能になります。
カスタムコードや独自フックが競合を起こす場合
企業や個人がWordPressを長年使ってきた場合、functions.phpやプラグイン内に独自フックやカスタムコードが大量に書き込まれていることがあります。これらはWordPressやプラグインのアップデートによる仕様変更で互換性が崩れ、一部のコードが使えなくなる可能性があるのです。典型的な例は、フック名やフィルターが新バージョンで廃止・変更されており、旧コードがエラーを引き起こす状況です。
こうした競合やエラーを解消するには、まずステージング環境でアップデートしつつ、カスタムコードが正しく動作するかを一つひとつ検証します。大規模な改修が必要な場合は、プラグイン化して分離するか、アップデート後の仕様に合わせてリファクタリングするなどのステップを踏むと、将来のメンテナンスが楽になるでしょう。いずれにしても、長期的な運用を見据えてカスタムコードの管理を明確化しておくことが、アップデート時のトラブルを最小限に抑えるコツです。
リニューアル計画に必要な工数とスケジュール感
小規模サイトでも油断は禁物:十分なテスト期間を確保
WordPressの規模やカスタマイズの度合いによって異なりますが、小規模サイトであっても、古いバージョンから最新へアップデートするには最低数日~数週間のテストが必要な場合があります。ページ数が少なく見えても、プラグインの組み合わせやテーマのデザイン修正などに時間を要することは少なくありません。とくにセキュリティリスクが高い状態なら早急な対応が望まれますが、焦って本番サイトを更新して突発的なエラーに陥ることだけは避けたいものです。
そこで、ステージング環境を確保し、1週間~2週間程度はテスト期間を設けるなど、余裕を持った計画を作りましょう。プラグインの動作確認やテーマのレイアウト崩れ修正、翻訳ファイルの整備、セキュリティ対策の強化など、一連の作業をリストアップし、誰が担当するかを決めれば、目安工数を把握できるはずです。社内に専門スタッフがいない場合は制作会社やフリーランスへの外注費を見込んでおき、サイト規模によっては数十万円以上の予算が必要となるケースもあります。
リニューアル公開後も2~3週間は頻繁にチェック
ホームページリニューアル後、すぐに問題が発生しなくても、数日後や数週間後に特定のユーザーが特定の操作をした際にバグが表面化することがあります。とくに、フォームのエラーや一部プラグインの条件分岐などは、テストでなかなか網羅できない場面もあります。そのため、公開後2~3週間程度は頻繁にアクセス解析やエラーログを確認し、問い合わせや注文が滞らないかなどをモニターする必要があります。
また、リニューアル直後に検索エンジンのクローラーが新しいサイト構成を再評価するため、SEO順位が一時的に変動するかもしれません。301リダイレクトを適切に設定して旧URLから新URLに誘導できていれば大きな問題は起きにくいですが、何らかの設定漏れがあると検索流入が急激に落ちるリスクもあります。こうした変動を速やかにキャッチし、早期に修正することで、せっかくのリニューアル効果を最大化しやすくなるわけです。
成功例に見る、アップデートでサイトを進化させた事例の特徴
事例1:セキュリティリスクを回避しながらEC機能を追加
ある中小企業が運営するWordPressサイトでは、古いバージョンを使い続けた結果、テーマとプラグインの互換性が悪く、デザイン崩れやセキュリティホールが指摘されていました。リニューアル時に最新版へのアップデートを決断し、ステージング環境で徹底的にテストを行ったうえで、本番反映。並行してEC(ショッピングカート)機能も導入し、セキュアな決済プラグインを利用することで、ネット販売を開始できたという事例があります。
このサイトでは、アップデート以前は「管理画面に入りづらい」「頻繁にエラーが出る」など運用コストが高く、さらにはユーザーから“古い印象”を持たれていました。しかし、更新後はデザインも一新され、サイト表示速度が向上し、何より脆弱性が解消されたことで“本当にこの会社は大丈夫かな”という不安が払拭されました。結果としてアクセス数と売上が急伸し、スタッフの作業効率も改善。古いWordPressを継ぎはぎで使うのではなく、思い切ってアップデートとリニューアルを同時に進めるメリットを示す好例といえます。
事例2:大幅なバージョン差を段階アップデートしながらミニマリズムを実現
別の事例としては、WordPress 3.x時代から10年近く放置していたサイトが、テーマやプラグインの互換性問題を解決しながら最新バージョンへ段階的にアップデートしたケースがあります。一度に飛び級アップデートするとエラーが頻出したため、4.x系・5.x系の順に少しずつ上げていき、最終的に5.x最新版を安定運用できる状態へ導いたのです。
同時に、不要プラグインを約10個以上削除し、複雑だったカスタムフィールドや独自フックを整理してシンプルな構成に仕上げました。テーマもデザイン性を重視した海外製テーマから、ベーステーマ+子テーマの自作スタイルに変更。結果として、サイトの読み込み速度が向上し、管理画面での動作も軽くなったため、更新頻度が高まりました。これによってコンテンツが充実し、検索エンジン評価が徐々に上がる好循環が生まれ、アクセス数はリニューアル前の2倍以上に拡大。大幅なバージョン差があっても、計画的に段階的アップデートを行えば成功し得ることを示す事例です。
まとめ
古いWordPressを使い続けると、セキュリティ面と運用面の両方で大きなリスクを抱えることになります。特に、脆弱性が放置されると、サイト改ざんや不正アクセス、データ漏洩など深刻な被害につながる可能性が高いです。また、長年のアップデート放置によってテーマやプラグインとの互換性が失われると、デザイン崩れや機能エラーが起きやすくなり、スムーズな運用が難しくなります。
これらのリスクを回避するには、最新バージョンへのアップデートを定期的に実施し、セキュリティホールが速やかに修正される体制を整えることが不可欠です。リニューアルのタイミングであれば、不要プラグインの整理やステージング環境を活用した段階的アップデートなどを同時に行うと、サイト構成をスリム化しながら安全性を高められます。さらに、バージョンアップ後も定期点検を続けることで、今後の機能拡張やトラブル防止にも対応しやすくなるでしょう。
結局のところ、古いWordPressを使い続けると、サイトを守るためのコストやリスクが増大し、企業や個人の信用を失う結果にもなりかねません。ホームページのリニューアルをきっかけに、WordPress本体やテーマ・プラグインを最新化し、日常的にアップデートする仕組みを構築することで、セキュリティ・機能性・運用効率すべてにおいてメリットを享受できるのです。
WordPressでのホームページ制作やリニューアル、サイト運営などでお悩みの方々は遠慮なくご相談ください。
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ホームページリニューアルやサイト運営サポートの事例
ホームページリニューアルやサイト運営サポートの事例を随時ご紹介させていただきます。ただし事例については、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリューム、公開までの時間といった具体的な内容を紹介させていただきます。
それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
WordPressのホームページリニューアルをご希望の方
WordPressのホームページリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。
ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。リニューアル作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
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