学会は研究者同士の知見を共有し、専門分野を深め合う場として欠かせない存在です。学問の発展と社会への貢献をめざすうえで、近年はインターネットやSNSなど、オンラインを活用した情報発信やコミュニケーションの重要性がいっそう高まっています。そんな中、学会のホームページをどのように整備するかは、外部への情報発信や会員向けサービスの質を左右する大切な要素となっています。
とりわけ、管理がしやすく豊富な拡張機能を備えたWordPressを導入することで、学会ホームページの運用やコンテンツ管理が格段にスムーズになるケースが増えてきました。WordPressと聞くと企業のウェブサイトや個人ブログのイメージが強いかもしれませんが、実は学会のような専門性の高いコミュニティにとっても、多くの利点があるのです。
本記事では、なぜWordPressが学会ホームページの作成・運用に向いているのか、その理由や具体的なメリットを分かりやすくまとめてみたいと思います。学会がオンラインで発信力を高めるうえで不可欠な機能や、研究コミュニティを支えるためのカスタマイズの可能性、そして将来的な展望に至るまで、できる限り多角的にご紹介します。学会運営に関わる方々や、今まさにホームページをリニューアルしようと考えている方々の参考になれば幸いです。
もくじ
- 1 WordPressを学会ホームページに導入する背景と基本的な魅力
- 2 学会ホームページの特徴とWordPressの親和性
- 3 WordPressを活用するにあたって意識すべきポイント
- 4 WordPressを活かした学会ホームページの構築事例
- 5 将来を見据えたWordPress活用と学会の新しい可能性
- 6 学会がWordPressを導入してホームページを作るメリットの総括
- 7 まとめとこれからの一歩
- 8 学会のホームページ関連記事
- 9 ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
- 10 学会のホームページ運営サポートをご希望の方
- 11 学会のホームページリニューアルをご希望の方
- 12 学会のホームページ制作をご希望の方
WordPressを学会ホームページに導入する背景と基本的な魅力
WordPressは世界中で広く利用されているコンテンツ管理システム(CMS)のひとつです。もともとはブログ用のプラットフォームとしてスタートしましたが、シンプルな操作性と拡張性の高さが評価され、個人から企業、教育機関、NPO団体まであらゆる領域において定番のCMSとなりました。学会ホームページにも適用しやすい理由を、まずは基本的なポイントから探ってみましょう。
専門知識がなくても運用が容易
学会の活動には、研究発表や論文の管理、イベント運営、会員同士のネットワーク形成など、多岐にわたるタスクが存在します。運営スタッフは研究者自身や大学・研究機関の職員の方など、必ずしもウェブ制作の専門家ばかりではありません。WordPressを利用すれば、専門的なプログラミング知識がなくても、テキストや画像、PDFファイルなどを簡単に掲載・更新できる管理画面が用意されています。
また、使い慣れたワープロソフトのような感覚で記事の作成や編集が行えるため、情報発信のハードルがグッと下がります。日々のニュースや研究会の告知、学会誌の目次などをこまめにアップデートしやすくなるので、常に最新の情報を公開できるサイト運営が実現しやすいのです。
豊富なテーマとカスタマイズ性
WordPressには多種多様なテーマ(デザインテンプレート)が存在しており、無料・有料合わせて数万を超えるともいわれています。学会ホームページを作成する際も、専門性や目的に合ったテーマを選び、必要に応じてカスタマイズすることが可能です。学術的な印象を与える落ち着いた配色のものから、ビジュアル重視でインパクトのあるものまで、コンセプトやイメージに合わせて選択できる選択肢が豊富に揃っています。
さらに、デザインだけでなく、機能面の拡張もテーマによってサポートされる場合があります。論文検索やダウンロード機能、行事予定表の表示など、学会に適したレイアウトを備えたテーマをうまく使えば、比較的短時間で見栄えの良いサイトを構築できるでしょう。
プラグインで自由に機能拡張
WordPressの大きな魅力として、「プラグイン」と呼ばれる拡張モジュールを自由に導入できる点が挙げられます。学会に必要な機能は、多くの場合以下のように多岐にわたります。
- 会員情報の管理
- イベントの申込フォームや参加者リストの管理
- 論文投稿や査読システムとの連携
- マルチメディアコンテンツの公開
- 会費のオンライン決済
こうした機能をゼロから開発しようとすると大きなコストと工数がかかりますが、WordPressならすでに公開されているプラグインを活用することで、必要な機能を容易に追加できます。さらに、有志の開発者が世界中でプラグインをアップデートし続けているため、バグ修正やセキュリティ向上の面でも恩恵を受けやすいのです。
低コストで維持しやすい
学会の運営では、限られた予算の中で最大限の成果を出す必要がある場面が少なくありません。大規模な独自開発のウェブシステムを構築すると、多額の初期費用がかかるうえ、維持管理やセキュリティ対応にも専門業者を継続的に頼る必要が出てきます。
WordPressはオープンソースソフトウェアですので、ライセンス費用が無料である点が大きなメリットです。また、ホスティングサービスを選べば、さほど高くない月額料金でサーバーを運用できる場合も多く、学会におけるウェブ運営コストを抑えやすくなります。もちろん、運営スタッフの工数は必要ですが、管理画面の扱いやすさを考えれば導入・維持コストのバランスは良好といえるでしょう。
継続的なバージョンアップとコミュニティサポート
WordPressの開発は世界規模のコミュニティによって支えられており、常に最新の機能やセキュリティ対策が反映されたバージョンがリリースされています。商用のCMSの場合、バージョンアップに別途費用が発生することもありますが、WordPressは無料でアップデートできるため、長期的に見てもサイトの安定稼働を維持しやすい点が魅力です。
また、学会ホームページの運用中に困ったことがあっても、オンラインのコミュニティやフォーラムで同様の問題に直面しているユーザーがいるかもしれません。そういった情報が集まりやすいのも、WordPressというグローバルで実績のあるCMSならではの特長です。
学会ホームページの特徴とWordPressの親和性
学会のホームページには、一般的な企業サイトや個人ブログにはない特殊な要件や運用方法が存在します。ここからは、そうした学会独自のニーズとWordPressがどのようにマッチするのか、より深く掘り下げてみます。
会員専用エリアの構築が容易
学会では、会員向けに限定した情報発信が必要になる場面が多々あります。大会の資料や講演ビデオのアーカイブ、研究コミュニティ内でのディスカッションなど、機密度や重要度が高いコンテンツを一般公開するわけにはいかないケースもあるでしょう。WordPressの場合、会員制サイトを構築できるプラグインが豊富に取り揃えられているため、ユーザー登録やアクセス権限の管理を簡単に実装できます。
たとえば、あるプラグインを使えば、以下のような機能を備えた学会サイトが実現できます。
- 会員登録フォームと承認フロー
- ユーザーごとに閲覧可能なコンテンツを制限
- 会費の支払い状況に応じたアクセス権の付与・剥奪
- 会員専用フォーラムでの意見交換
こうした仕組みを導入すれば、学会の活動とウェブサイト運用が一体化し、オンライン・オフラインの双方で円滑なコミュニケーションが生まれやすくなるでしょう。
大会やセミナーの告知・申し込み管理
学会の目玉ともいえるのが、大会やセミナー、研究会などのイベントです。日時や場所、演題募集、プログラムの詳細といった多くの情報を整理して掲載し、参加希望者の申し込みを受け付け、関連資料を配布するなど、運営に手間と工数がかかりがちです。WordPressにイベント管理プラグインを組み合わせることで、これらの作業をひとつのサイト上で完結させられます。
具体的には、以下のような機能を想定できます。
- イベントカレンダーの表示
- 申し込みフォームの作成(オンライン決済も可)
- 申し込み者リストのダウンロード
- 複数のセミナーやワークショップを同時に管理
また、カスタム投稿タイプというWordPressの仕組みを活用すれば、イベント情報を見やすく分類・整理し、サイト訪問者が興味のある行事をスムーズに見つけられるようにもできます。
論文や学会誌のアーカイブ化
学会といえば、論文や学会誌の公開が活動の中心となる場合も多いでしょう。従来はPDFファイルをまとめて並べるだけのケースが多かったかもしれませんが、WordPressなら論文データベースをカスタム投稿タイプやメタデータ管理プラグインを用いて組織的に構築できます。たとえば、著者名・キーワード・発行年・巻号などの情報を入力しやすいフォームを用意しておき、論文検索ができるシステムを簡易的に整備可能です。
さらに、研究者が探しやすいように分類タグやカテゴリーを設定し、関連論文のレコメンド機能などを追加すれば、利用者にとって使い勝手の良いアーカイブが完成します。こうした工夫は、学会の研究成果を広く社会に発信するうえでも有効であり、会員以外の研究者や学生が学会の活動に興味を持つきっかけにもなるでしょう。
複数の言語対応で国際交流を促進
研究分野によっては海外との交流や国際会議が日常的に行われている場合も多く、ホームページも多言語対応が求められることがあります。WordPressには多言語化をサポートするプラグインや、多言語対応テーマが充実しているため、日本語・英語・その他言語など、複数の言語でコンテンツを提供する仕組みを作りやすいです。
これにより、海外の研究者や学生が学会の活動内容を理解しやすくなり、国際的な協力や共同研究のハードルを下げることが期待できます。また、オンラインセミナーやバーチャルカンファレンスとの相性も良くなり、コロナ禍以降増えつつあるリモート参加型の国際会議とも連動しやすくなるでしょう。
コラムやインタビュー記事で親しみやすさを演出
学会ホームページは、どうしても堅苦しいイメージになりがちですが、実はWordPressでブログ的なコンテンツを取り入れることも難しくありません。研究のトピックスや役員・会員へのインタビュー記事を定期的に掲載すれば、学会の雰囲気や最先端の研究動向が読者に伝わりやすくなります。
たとえば、以下のような記事があると、専門家だけでなく幅広い層の興味を引きやすいでしょう。
- 「初心者でもわかる○○学のキホン」といった解説記事
- 学会の歴史や創設者にまつわるエピソード
- 若手研究者の奮闘記やキャリアパスに関する情報
- 学会主催イベントのレポートや写真ギャラリー
こうしたコンテンツを通じて、学会が「情報発信の拠点」としてサイトを育てることができれば、新しい人材の獲得や社会的な認知度向上にもつながるはずです。
WordPressを活用するにあたって意識すべきポイント
WordPressは非常に優れたツールですが、万能というわけではありません。学会ホームページとして活用するうえで注意したい点や、より効率的に運用するためのコツもあるので、いくつか挙げてみます。
セキュリティ対策と定期的なアップデート
WordPressは世界的にシェアが高いため、ハッキングや不正アクセスの標的になりやすいという側面があります。基本的にはWordPress本体やプラグインのアップデートをこまめに行い、セキュリティ対策を怠らないことが重要です。学会のように機密性が高い情報を扱う場合、以下のポイントに注意しましょう。
- 管理画面のユーザー名とパスワードを複雑化する
- 不要なプラグインは削除し、定期的にバージョンアップを行う
- セキュリティプラグインを導入し、不正アクセスを常に監視する
- バックアップ体制を整え、万が一に備える
これらを徹底することで、サイトの安全性を高め、研究者や会員に安心して利用してもらえるウェブサイトを維持しやすくなります。
高機能プラグインの導入と取捨選択
WordPressには数多くのプラグインが存在し、魅力的な機能をいくらでも追加できます。しかし、プラグインを必要以上に導入しすぎるとサイトが重くなったり、プラグイン同士の相性トラブルが起こったりする可能性もあります。学会のサイトで必要な機能をしっかり整理し、本当に必要なプラグインだけを導入するのが望ましいです。
また、高機能なプラグインほど学会向けの要件をまとめて満たせる場合がありますが、利用や設定が複雑になるケースもあります。サポート体制やドキュメントの充実度を確認したうえで導入すれば、運用時のトラブルを減らしやすいでしょう。
デザインの統一感と情報整理
WordPressには多数のテーマがあり、カスタマイズも自由度が高い半面、レイアウトや配色にばらつきが生じると、訪問者に見づらさや混乱を与えてしまう危険性があります。学会ホームページは、対外的にも「知的で誠実なイメージ」を保ちつつ、学会独自のアイデンティティを伝える役割を担いますので、デザインや情報構成に一定の統一感を持たせると良いでしょう。
具体的には、以下の点を意識すると効果的です。
- 色の使い方やフォントの設定をサイト全体で統一
- 見出しや段落のスタイルを決め、可読性を高める
- 情報量の多いページはセクションごとに分割し、分かりやすいメニュー構造を設計する
- 画像やイラストのテイストをできるだけ揃える
これにより、サイト全体を通じて落ち着いた雰囲気や専門性がしっかり伝わり、学会としてのブランドイメージ向上に寄与するでしょう。
ディレクションと運用体制の確立
WordPress導入そのものは比較的容易ですが、学会の運営スタッフがどのようにサイトを活用し、情報を更新していくのかという運用体制が整わなければ、結果的にサイトがほとんど使われないままになってしまう恐れがあります。学会のホームページを定期的に更新し、会員や一般ユーザーにとって魅力ある情報を発信するには、以下のような体制づくりが大切です。
- サイト更新の担当者や責任者を明確化する
- 更新のフロー(文章の作成、承認、アップロード)をルール化する
- イベントや論文発表のスケジュールに合わせ、事前に告知記事を作成する
- アクセス解析を取り入れて、どのページが読まれているかをモニタリングし、改善を続ける
このように、サイトのディレクションと実務をしっかり管理できる組織体制を整備することで、WordPressのメリットを最大限に引き出せます。
WordPressを活かした学会ホームページの構築事例
ここでは、実際にWordPressで学会ホームページを作った場合、どのような運用例が考えられるかを架空の事例を通じてイメージしてみたいと思います。実在の学会をモデルにするわけではありませんが、学会サイト特有の機能や運営ポイントを盛り込みながら、運用メリットをより具体的に掴んでいただければ幸いです。
事例1:国際×オンライン対応の学会サイト
背景
- 生命科学分野を扱う国際学会
- 会員は日本国内の研究者だけでなく、海外の大学や研究機関所属者も多い
- コロナ禍以降、オンラインセミナーや国際会議のハイブリッド開催が一般化
WordPressサイトの構築
- 英語・日本語の二ヶ国語対応:トップページは日英の切り替えボタンを配置し、主要な告知や論文一覧は両言語で閲覧可能。
- オンライン会議の告知と申し込みフォーム:リモート参加用のZoomリンクや利用マニュアル、発表者のプロフィールなどをまとめたページを開設。
- 会員制コンテンツ:学会誌のPDFアーカイブや、各種発表スライドを会員限定で公開。ユーザーIDとパスワードで簡単にアクセスできる仕組み。
- メール配信システムとの連動:WordPressプラグインでニュースレターを発行し、国際学会やセミナーの最新情報を会員へ一斉送信。
成果
- 海外からの論文投稿や会議参加希望者が増加し、オンライン会議では時差を考慮したプログラム編成がスムーズに進行
- マルチ言語化によって、海外の研究者が学会の活動方針を理解しやすくなり、共同研究の提案数が増える
- セミナーや会議で使用した資料をすぐにアップロード・共有できるため、情報の鮮度と閲覧回数が向上し、会員の満足度も高まる
事例2:地域に根差したローカル学会サイト
背景
- 日本国内の特定地域で人文科学を中心に活動するローカル学会
- 地元の文化財調査や郷土史の研究を行っており、自治体や一般市民とも交流
- 学会員は高齢化が進んでいるが、若手を呼び込みたいという課題がある
WordPressサイトの構築
- 落ち着いた配色とわかりやすいナビゲーション:地域の風土を感じさせる写真をトップに配置し、学会の歴史や目的を丁寧に解説。
- イベントカレンダー:郷土史講座や文化財見学ツアーなどの告知をカレンダー形式で掲載し、申し込みフォームを設置。
- 論文・冊子のデジタルアーカイブ:地域史に興味のある市民や学生が自由に閲覧できるよう、古い紀要や研究ノートをPDFで公開。
- ブログセクション:会員が寄稿した研究レポートや調査日記を定期的に更新し、研究成果を分かりやすく紹介。交流のきっかけづくりを図る。
成果
- サイトを通じて地域住民が学会の存在を知り、講座やイベントへの参加が増える
- 若手研究者や学生がオンラインで論文を閲覧できるようになり、興味を持った人が新たに入会する例が増加
- WordPressの管理画面が扱いやすいため、高齢の会員でも慣れれば自分で記事を投稿でき、コミュニケーションの活発化につながる
事例3:先端研究学会の会員管理と論文投稿を一元化
背景
- AIやビッグデータなど、急速に進化する分野を扱う学会
- 会員数が数千名規模で、毎月のように研究会やセミナーが開催される
- 論文投稿や査読プロセスもオンライン化を進めたい
WordPressサイトの構築
- 会員管理プラグイン:年会費のオンライン決済や自動リマインドメール、会員データベースのエクスポートなどを実装。
- 論文投稿フォームと簡易的な査読プロセス:専用プラグインを導入し、投稿論文の受理・査読依頼・レビュー結果のフィードバックをサイト上で完結させる。
- 研究キーワードでの論文検索:膨大な数の論文が蓄積されるため、カテゴリ別やタグ別の検索機能を強化。
- SNS連動:新しい論文やセミナー情報をSNSと連携して自動投稿し、学会の発信力を強化。
成果
- 査読プロセスの効率化により、論文の採択や発表準備が迅速化
- 会員の更新手続きや個人情報の管理が一元化され、事務作業の負担が大幅に削減
- 研究会の開催告知もSNS経由で広く周知され、意外なところから新規参加者やスポンサーが集まるケースも生まれる
将来を見据えたWordPress活用と学会の新しい可能性
WordPressを使って学会ホームページを構築・運用すると、これまで紹介したような即効性のあるメリットに加え、将来的に新しい発展を見据えた運用がしやすいという特徴があります。ここからは、学会がより先進的な活動を展開するためのアイデアや視点をいくつか取り上げてみます。
オンラインコミュニティの拡充
学会の大きな役割は、研究者や専門家同士のネットワーク形成にあります。従来は学会大会やセミナーの会場で直接出会うことが主流でしたが、WordPressのコミュニティ機能やフォーラム機能を活用すれば、オンライン上でも活発な意見交換や交流ができます。グローバル化やリモートワークの普及を考えると、いつでもどこでも研究者同士が議論できる環境を整えておくことは、学会の競争力を高める意味でも重要です。
また、若手研究者や大学院生にとっても、オンラインコミュニティは敷居が低く、学会の先輩研究者と気軽にコミュニケーションがとれる場になります。こうした環境が整えば、研究コラボレーションや海外共同研究がより活発に生まれる可能性があります。
デジタル教材やEラーニングとの連携
学会には膨大な研究ノウハウや学術資料が集積しており、それを活かした教育活動にも期待が寄せられています。WordPressなら、Eラーニング機能を備えたプラグインや外部サービスとの連携が比較的容易に実装できます。たとえば、会員専用のオンライン講座や実習教材を配信し、受講状況やテスト結果を管理するシステムを構築できるでしょう。
これにより、学会が人材育成のプラットフォームとしても機能し、学生や社会人の学び直しの場を提供するなど、社会貢献の幅がさらに広がります。とりわけ専門性の高い分野では、大学や企業と協力してカリキュラムを組むことで、実践的な教育プログラムを実施できるかもしれません。
データビジュアライゼーションとインタラクティブ機能
近年はデータジャーナリズムや可視化技術の進歩により、複雑な統計や研究結果をインタラクティブに示すウェブコンテンツが増えています。学会でも研究成果や調査データをグラフや地図上でダイナミックに表示し、ユーザーが自由にフィルターをかけたり、時系列を操作したりできる仕組みを用意すると、学問的価値の高い情報が一段とわかりやすく伝わるでしょう。
WordPressには、データ可視化をサポートするプラグインや外部サービスとの連携オプションがあるため、こうしたビジュアルに訴求力のあるコンテンツを導入する敷居も高くありません。特に理系学会や社会調査系の学会であれば、大きな効果が見込めます。
AIやチャットボットとの連動
AI技術が進化し、自然言語処理や機械学習を用いたサービスが充実するにつれ、学会ホームページでも新たな利用シーンが想定されます。例えば、サイト内にチャットボットを導入して、以下のようなことが可能になるかもしれません。
- 過去の論文データや記事を学習させ、利用者が質問すると関連論文や研究者の情報を瞬時に提案
- イベント申し込みや論文投稿の流れを対話型でサポートし、操作方法や注意点をリアルタイムで案内
- 学会の問い合わせ対応を効率化し、スタッフの作業負荷を軽減
これらをWordPress上で実装する場合、AI連携プラグインや外部APIとの連動が鍵になりますが、実現すれば学会ホームページは単なる情報提供の場を超えた、知識ナビゲートのハブとして新時代の研究を後押しする存在となるでしょう。
コラボレーション・プラットフォーム化
将来的には、WordPressの強みを活かして学会がコラボレーション・プラットフォームへと進化する可能性があります。研究テーマごとにプロジェクトスペースを設置し、メンバーだけがアクセスできるオンラインツールでデータ共有や論文の執筆を進めるといった形です。すでに企業向けのコラボレーションツールやクラウドサービスは多く存在しますが、学会独自の機能要件や研究倫理に合わせたカスタマイズがしやすいという点で、WordPressは魅力的です。
こうした取り組みによって、プロジェクト横断的な研究が進みやすくなり、新たな学問分野の創生や社会的課題の解決に向けた動きが加速するかもしれません。学会が主導して自らプラットフォームを運営することで、学会員だけでなく外部の研究機関や民間企業にもオープンな連携が促進されるでしょう。
学会がWordPressを導入してホームページを作るメリットの総括
ここまで見てきたように、学会がWordPressを活用してホームページを作成することで得られるメリットは、実に多彩です。単にウェブサイトを持つだけでなく、学会そのものの活動や運営を支え、さらに発展させるためのツールとして大いに役立つ可能性を秘めています。以下に、改めて主な利点をまとめてみましょう。
- 直感的で扱いやすい管理画面
プログラミング知識がなくても、研究者や事務スタッフが手軽に更新できる仕組みが整っています。 - カスタマイズ性の高さ
テーマとプラグインによってデザインや機能を柔軟に拡張できるため、学会が必要とする独自の要件に応えやすいです。 - コストパフォーマンスの良さ
WordPress自体はオープンソースで無料。ホスティングサービスとの組み合わせ次第で、低コストで安定運用が可能です。 - 豊富なコミュニティとサポート
世界中にユーザーがいるWordPressは、トラブルシューティングやアップデートへの対応に強いコミュニティ基盤があります。 - 学会特有の機能実装のしやすさ
会員専用エリアの構築、イベント管理やオンライン決済、論文アーカイブなど、学会運営にマッチしたプラグインが多数存在します。 - 将来的な拡張・連携が容易
多言語化やEラーニング、AI連携など、時代の要請に応じて柔軟に機能追加していけるプラットフォームです。
これらの恩恵を享受しながらも、セキュリティ対策や運用体制の整備、デザインや情報の整理などに十分に気を配れば、学会ホームページは研究者だけでなく社会全体から注目される情報発信拠点へと成長していくことでしょう。
まとめとこれからの一歩
学会がWordPressを使ってホームページを作成・運営するメリットは、その扱いやすさ、拡張性、コストパフォーマンスの良さに加え、学会特有の多様なニーズ(会員制サイト、イベント管理、論文アーカイブなど)にも応えやすい点にあります。しかも、世界中の開発コミュニティが支えているため、日々最新の技術やセキュリティ改善が取り入れられていることも大きな安心材料です。
もちろん、実際に導入する際には、サイトの構成やデザインをどのようにするか、プラグインをどう選ぶかなど検討すべきことが山ほどあります。しかし、WordPressをベースに構築するという選択をすることで、学会がホームページをどのように活用し、会員同士や社会とどうつながり、どんな未来を描くかというビジョンを実現しやすくなります。
学会がWordPressを導入するメリットを最大限に引き出すためには、技術的な知見と学会活動に対する深い理解、そして何よりも**「新しい情報発信の形に挑戦しよう」という意欲**が欠かせません。コロナ禍を経てオンライン化の潮流が加速している今こそ、学会のウェブ活用を再考し、より開かれた研究コミュニティを形作るチャンスといえるでしょう。
もし、学会ホームページのリニューアルや新規立ち上げを検討中であれば、WordPressの導入をぜひ検討してみてください。簡単に始められるうえに、無限のカスタマイズが待っています。ひとつずつ機能を育てながら、学会の活動や研究内容を世の中へ広く、そして深く伝えていくホームページを作り上げてみましょう。それが、専門家同士の絆をさらに強めるだけでなく、社会と学問を結びつけ、新しい発見やイノベーションを生む大きな一歩になるはずです。
学会のホームページ制作やリニューアル、サイト運営については、お気軽にご相談ください。
学会のホームページ関連記事
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例
ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例を随時ご紹介させていただきます。事例は、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリュームといった具体的な内容を紹介させていただきます。
少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。
学会のホームページリニューアルをご希望の方
学会のホームページリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。
ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。リニューアル作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
学会のホームページ制作をご希望の方
学会のホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。
ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、Sプラン。
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、Mプラン。
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、Lプラン。
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。
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