未来の仲間と出会うために。中小企業の価値を最大限に伝える採用サイト設計図

もくじ

はじめに

「会社の未来を託せるような、優秀な人材が来てくれないだろうか」
「求人広告にお金をかけても、なかなか応募が集まらない」
「面接までは進むのに、なぜか辞退されてしまう」

中小企業の経営者や採用担当者の皆様から、このような切実な悩みを伺う機会が年々増えています。少子高齢化による労働人口の減少に加え、働き方の価値観も多様化し、企業と求職者の関係は大きく変化しました。特に、知名度や待遇面で大企業に及びにくい中小企業にとって、人材獲得は事業の継続と成長を左右する、極めて重要な経営課題です。

多くの企業が、求人情報サイトへの掲載を主な採用活動としています。しかし、決められたフォーマットと文字数制限の中では、給与や勤務地といった「条件面」での比較に終始しがちです。本当に伝えたいはずの、仕事のやりがい、仲間の人柄、独自の社風、そして何よりも「この会社で働くことで得られる未来」といった、目には見えないけれど最も大切な価値を、十分に伝えきれているでしょうか?

このページでは、
中小企業が採用サイトで「何を」「どの順番で」伝えれば、
自社に合う人材に届きやすくなるのかを、設計の視点で整理します。

すべてを一気に整えようとすると、結局どれも中途半端になりがちです。
まずは「どこから直すべきか」を掴むための設計図として、必要な見出しから拾い読みしてください。

すぐに全体像を掴みたい方は、「コンテンツ戦略」→「デザインとUX」→「運用と改善」だけ先に読むのがおすすめです。
「応募が来ない」など課題が明確な方は、気になる見出しからで問題ありません。

なぜ今、中小企業にこそ戦略的な採用サイトが必要なのか?

多くの人が「採用サイトは大手企業が作るもの」というイメージを持っているかもしれません。しかし、現実にはその逆です。リソースが限られている中小企業だからこそ、戦略的に設計された採用サイトは、他の何にも代えがたい強力な武器となり得るのです。求人媒体に情報をただ掲載するだけでは、その他大勢の中に埋もれてしまいます。自社の魅力を深く、熱く語れる唯一の場所、それが自社の採用サイトなのです。

大手と同じ土俵で戦わない、中小企業ならではの魅力発信の重要性

採用市場において、中小企業が大手企業と「同じ条件」で勝負するのは得策ではありません。給与、福利厚生、知名度といった点で、体力勝負に持ち込まれれば、不利な戦いを強いられることは明白です。しかし、求職者が企業を選ぶ基準は、本当にそれだけでしょうか。答えは明確に「No」です。特に近年、仕事に対する価値観は大きく変化し、「自己成長」「社会貢献」「良好な人間関係」「裁量権の大きさ」といった要素を重視する求職者が増えています。

ここに、中小企業の勝機があります。例えば、地方に根差す建設会社であれば、地域社会のインフラを支えるという使命感や、自分が手がけた建造物が地図に残るという大きなやりがいを伝えられます。社員数10名のITベンチャーであれば、社長との距離が近く、自分のアイデアが直接サービスに反映されるスピード感や、若いうちから責任あるプロジェクトを任される成長機会をアピールできるでしょう。

これらの魅力は、求人媒体の限られたスペースでは到底伝えきれません。採用サイトという自社だけのキャンバスに、社長の熱い想い、社員の生き生きとした表情、プロジェクトの裏側にあるストーリーを存分に描くことで、大手企業にはない、唯一無二の価値を求職者の心に直接届けることができるのです。これは、条件だけで企業を選ぶ層ではなく、自社の価値観や文化に共感してくれる「未来の仲間」を探すための、最も効果的なアプローチと言えるでしょう。

求人媒体だけでは伝えきれない、企業の「空気感」と「文化」

求人媒体に掲載されている情報は、いわば企業の「履歴書」のようなものです。事業内容、職務内容、給与、勤務時間など、客観的なデータが中心であり、それはそれで重要な情報です。しかし、求職者が本当に知りたいのは、その企業の「人となり」、つまり社内の雰囲気や独自の文化ではないでしょうか。仲間たちはどんな表情で働いているのか、上司や先輩はどんな人柄なのか、社内イベントはどんな雰囲気なのか、日々のコミュニケーションは活発なのか。こうした「空気感」は、入社後の働きがいや定着率に直結する極めて重要な要素です。

採用サイトは、この「空気感」を伝えるための最高の舞台です。例えば、製造業の工場で働く職人たちの真剣な眼差しと、休憩時間に見せる屈託のない笑顔を写した写真。営業チームが目標達成を祝して開いたバーベキュー大会の動画。お客様から寄せられた感謝の手紙。これらは、言葉で「アットホームな職場です」と100回説明するよりも、はるかに雄弁に企業のリアルな姿を物語ります。

また、企業独自の文化を伝えることも重要です。例えば、「毎月の最終金曜日は、全社員で地域の清掃活動を行う」「資格取得支援制度が充実しており、多くの社員がスキルアップに挑戦している」「子育て中の社員が多く、急な休みにも柔軟に対応できるチーム体制がある」といった具体的な制度や活動を紹介することで、企業が何を大切にしているのかという価値観が伝わります。こうした情報は、求職者が「自分がこの環境で気持ちよく働けるか」を判断するための、かけがえのない判断材料となるのです。

ミスマッチを防ぎ、定着率を高める採用サイトの役割

採用活動における最大の悲劇は、時間とコストをかけて採用した人材が、早期に離職してしまう「ミスマッチ」です。ミスマッチは、企業と求職者の双方にとって不幸な結果をもたらします。その主な原因は、入社前の「期待」と入社後の「現実」のギャップにあります。求人媒体の情報だけを見て、「給料が良いから」「家から近いから」といった理由だけで応募してきた人材は、少しでも理想と違う点があれば、すぐに不満を感じてしまう傾向があります。

ここで採用サイトが重要な役割を果たします。[1] 採用サイトは、企業の良い面だけでなく、ありのままの姿を伝えることで、このギャップを最小限に抑えることができるのです。例えば、仕事の大変さや乗り越えるべき課題についても正直に言及する。繁忙期の様子や、求められるスキルレベルについても具体的に示す。こうした「リアルな情報」を事前に提供することで、求職者は企業に対する過度な期待を抱くことなく、覚悟と理解を持って応募してくれます。

結果として、採用サイトを通じて入社した人材は、企業の文化や仕事内容を深く理解しているため、入社後の定着率が高くなる傾向があります。これは、採用コストの削減だけでなく、組織全体の安定と成長にも繋がります。採用サイトは、単に応募者を集めるためのツールではなく、自社に本当にマッチし、長く活躍してくれる人材を見極め、惹きつけるための「フィルター」としても機能するのです。[1] このフィルター機能こそが、中小企業の持続的な成長を支える基盤となります。

候補者の心を掴む、採用サイトのコンテンツ戦略

どれだけ美しいデザインの採用サイトを作っても、中身が伴っていなければ意味がありません。候補者の心に響き、「この会社で働きたい」と思わせるためには、戦略的に設計されたコンテンツが不可欠です。ここでは、企業の魅力を最大限に引き出し、候補者との強固なエンゲージメントを築くためのコンテンツ戦略を具体的に解説します。

「誰に」伝えるか?ペルソナ設定でメッセージを研ぎ澄ます

採用活動を始めるにあたり、最も重要な最初のステップは「誰に(どのような人材に)来てほしいのか」を明確にすることです。[2] これを「採用ペルソナ」の設定と呼びます。年齢、性別、居住地といった基本的な属性だけでなく、価値観、スキル、キャリアプラン、情報収集の手段まで、架空の人物像を詳細に設定します。例えば、「地方の工業大学で機械工学を学び、地元での就職を希望している21歳のA君。コツコツと技術を追求することに喜びを感じるタイプで、大規模な組織よりも、自分の仕事の成果が見えやすい環境を好む」といった具合です。

なぜペルソナ設定が重要なのでしょうか。それは、メッセージの受け手が具体的になることで、発信する情報の解像度が格段に上がるからです。[2] ターゲットが曖昧なままでは、「誰にでも響くように」と考えた結果、結局誰の心にも刺さらない、ぼんやりとしたメッセージになってしまいます。ペルソナを設定することで、「A君なら、当社のどんな技術に興味を持つだろうか?」「彼が不安に思うことは何だろう?」「どんな言葉で語りかければ、彼の心に響くだろうか?」といったように、候補者の視点に立ってコンテンツを企画できるようになります。例えば、上記のA君に対しては、最先端の加工技術の紹介や、若手技術者が開発に携わった製品事例、ベテラン職人からの丁寧な技術指導体制などを重点的にアピールすることが有効でしょう。

このように、ペルソナは、採用サイト全体のコンテンツの質を向上させ、訴求力を高めるための羅針盤となるのです。

社員の「生の声」を届けるインタビューコンテンツの作り方

求職者が最も信頼し、かつ最も知りたい情報の一つが、実際にその企業で働く社員の「生の声」です。経営者が語るビジョンも大切ですが、同じ目線で働く先輩社員のリアルな体験談は、何よりも強い共感と信頼を生み出します。社員インタビューは、採用サイトにおいて絶対に外せないキラーコンテンツと言えるでしょう。

効果的なインタビューコンテンツを作成するためには、いくつかのポイントがあります。まず、登場してもらう社員の選定です。役職、年齢、職種のバランスを考え、多様なロールモデルを提示することが重要です。例えば、新卒入社3年目の若手社員、中途採用で入社し活躍する社員、子育てと仕事を両立する女性社員など、様々な背景を持つ社員に登場してもらうことで、求職者は自分自身の未来を重ね合わせやすくなります。[2]

インタビューの内容も重要です。「入社動機」「現在の仕事内容」「仕事のやりがいや大変なこと」「職場の雰囲気」「今後の目標」といった定番の質問に加え、「入社前と後でギャップに感じたことは?」「休日の過ごし方は?」といった、よりパーソナルな質問を盛り込むことで、その社員の人柄や企業のリアルな日常が垣間見え、親近感が湧きます。テキストだけでなく、自然な笑顔の写真や、可能であれば短い動画を組み合わせることで、情報の信頼性と魅力はさらに高まります。この「生の声」こそが、候補者の最後のひと押しとなる強力な武器になるのです。

数字で語る、客観的なデータで示す企業の強みと安定性

情熱的なメッセージや社員の笑顔も重要ですが、それらを裏付ける客観的なデータを示すことで、採用サイトの説得力は飛躍的に向上します。特に、安定性や将来性を重視する求職者やその家族にとって、数字は安心感と信頼感を与える重要な要素です。多くを語らずとも、数字が企業の確かな実力を証明してくれるのです。

「インフォグラフィック」と呼ばれる、データを視覚的に分かりやすく表現する手法を用いるのが効果的です。例えば、棒グラフで売上高の推移を示し、安定した成長性をアピールする。円グラフで社員の年齢構成や男女比を示し、多様な人材が活躍していることを伝える。地図を使って、取引先が全国・世界に広がっていることを示す。その他にも、「平均勤続年数」「有給休暇取得率」「育児休業からの復帰率」「資格取得者数」「残業時間の月平均」といった具体的な数字は、企業の働きやすさや健全性を雄弁に物語ります。

例えば、ある運送会社では、「創業50年、黒字経営を継続」という実績をトップページに掲げ、長年の安定性をアピールしました。また、別の介護施設では、「職員の平均年齢45歳、平均勤続年数12年」というデータを公開し、長く安心して働ける職場であることを示しました。こうした数字によるファクト(事実)は、抽象的な美辞麗句よりも強く、候補者の心に「この会社は信頼できる」という印象を刻み込みます。自社の強みや特徴を棚卸しし、それを裏付ける数字を探し、積極的に公開していくことが重要です。

未来を共有する、経営者のビジョンとメッセージの伝え方

中小企業における最大の魅力の一つは、経営者との距離の近さです。経営者がどのような想いで会社を設立し、どのような未来を目指しているのか。そのビジョンに共感できるかどうかは、求職者が企業を選ぶ上で極めて重要な判断基準となります。[3] 経営者の言葉は、企業の魂そのものであり、採用サイトを通じてその熱量を余すことなく伝える必要があります。

単に会社の歴史や事業内容を説明するだけでは不十分です。なぜこの事業を始めたのかという「創業の物語」、仕事を通じて社会にどのような価値を提供したいのかという「企業の使命(ミッション)」、そして5年後、10年後に会社をどのような姿にしたいのかという「未来の展望(ビジョン)」を、経営者自身の言葉で情熱的に語ってもらうことが大切です。その際、飾らない、ストレートな言葉で語りかけることが共感を呼びます。

例えば、あるIT企業の社長は、自身のメッセージページで「私たちは、ITの力で地方の中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援し、日本を足元から元気にするという夢を持っています。あなたの力を、私たちの夢の実現のために貸してくれませんか」と力強く語りかけました。また、動画メッセージを取り入れ、経営者の表情や声のトーンを直接届けるのも非常に効果的です。求職者は、そのメッセージを通じて、自分がこれから乗る船の船長の人柄と、目指す航海の目的地を知ることができます。そのビジョンにワクワクし、「この船に乗ってみたい」と感じてもらうことこそが、経営者メッセージの最大の役割なのです。

ここまでで、採用サイトは「何を伝えるか(コンテンツ)」が軸になることを整理しました。
次は、それを候補者にストレスなく届けるための「見せ方(デザイン・導線)」です。

採用サイトの成功を左右するデザインとUX(ユーザー体験)

優れたコンテンツを用意しても、それが候補者にきちんと届かなければ意味がありません。見やすさ、使いやすさ、そして企業の個性が伝わるデザインは、採用サイトの成否を分ける重要な要素です。ここでは、候補者を引きつけ、スムーズな応募へと導くためのデザインとUX(ユーザー体験)のポイントについて解説します。

スマートフォンユーザーを最優先に考えたレスポンシブデザイン

今や、求職者が企業情報を収集するデバイスの主役は、パソコンではなくスマートフォンです。通勤中の電車内、休憩時間、就寝前など、隙間時間を使ってスマートフォンで情報収集を行うのが当たり前になりました。したがって、採用サイトは「スマートフォンで見たときにどう見えるか」を最優先に設計する必要があります。これを「モバイルファースト」の考え方と呼びます。

具体的には、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、異なる画面サイズに応じてレイアウトや表示が自動的に最適化される「レスポンシブデザイン」の採用が必須です。スマートフォンの小さな画面でも、文字が小さすぎて読みにくかったり、ボタンが押しにくかったり、表示が崩れたりするようなサイトは、候補者にストレスを与え、即座に離脱されてしまう原因となります。

特に、テキストは適度な大きさで、行間にもゆとりを持たせることが大切です。タップするボタンは、指で押しやすいように十分な大きさと間隔を確保する必要があります。また、画像の表示速度も重要です。データ量の重い画像は読み込みに時間がかかり、ユーザーの待ち時間を発生させてしまいます。画像を最適化し、軽快な表示を実現することで、候補者はストレスなくサイトを閲覧し、企業のコンテンツに集中することができます。[3] あらゆる候補者にとって快適な閲覧環境を提供することが、最初の「おもてなし」なのです。

企業の個性を表現する、写真・動画活用のポイント

採用サイトにおいて、写真や動画は「企業の顔」となる非常に重要な要素です。テキストだけでは伝わりにくい職場の雰囲気や社員の人柄、仕事の臨場感を、視覚的に、そして直感的に伝える力を持っています。ありきたりなフリー素材の写真ではなく、自社で撮影したオリジナルの写真を使うことで、サイトの信頼性と独自性は格段に向上します。

効果的な写真活用のポイントは、「リアル」と「プロフェッショナル」のバランスです。社員の自然な表情や、活気あるオフィスの様子を写したスナップ写真は、親近感やリアルな空気感を伝えます。一方で、プロのカメラマンに依頼して撮影した、高品質な集合写真や製品の写真は、企業の信頼性やプロフェッショナルなイメージを高めます。例えば、製造業であれば、機械のディテールや職人の真剣な手元をクローズアップで撮影することで、技術力の高さを訴求できます。

また、近年では動画の活用もますます重要になっています。1分程度の短い動画でも、オフィスの様子を歩きながら紹介する「オフィスツアー動画」や、複数の社員がリレー形式で自社を紹介する動画は、テキストや写真の何倍もの情報量を伝えることができます。社員インタビューを動画にすれば、その人の人柄や熱意がよりダイレクトに伝わります。こうした視覚的なコンテンツを戦略的に活用することで、企業の個性を際立たせ、候補者の記憶に残る採用サイトを作ることができるのです。

応募までの導線を最適化するUI(ユーザーインターフェース)設計

採用サイトの最終的なゴールは、候補者に「応募」というアクションを起こしてもらうことです。どんなに魅力的なコンテンツを用意しても、応募フォームにたどり着きにくかったり、入力が面倒だったりすると、候補者は途中で諦めてしまいます。これを「機会損失」と呼びます。この機会損失を防ぐためには、候補者を迷わせることなく、スムーズに応募まで導くUI(ユーザーインターフェース)設計が不可欠です。[3]

まず、サイト内のどこにいても、常に「募集要項」や「エントリーはこちら」といった応募ページへのリンクが分かりやすく表示されていることが重要です。これを「グローバルナビゲーション」や、追従するフローティングボタンとして設置するのが一般的です。これにより、候補者が「この会社いいな」と思った瞬間に、すぐさま応募のアクションに移ることができます。

次に、エントリーフォームそのものの最適化(EFO: Entry Form Optimization)も重要です。入力項目は必要最小限に絞り込み、候補者の負担を軽減しましょう。住所の自動入力機能や、「必須」「任意」の明確な表示も親切です。エラーが表示された場合も、どこが間違っているのかを具体的に分かりやすく示す必要があります。「入力内容に誤りがあります」というような不親切な表示では、候補者は修正を諦めてしまうかもしれません。候補者の立場に立ち、徹底的に「分かりやすさ」と「使いやすさ」を追求すること。この細やかな配慮が、最終的な応募率を大きく左右するのです。[3]

作って終わりではない、採用サイトの運用と改善

多くの企業が陥りがちなのが、採用サイトを「作って終わり」にしてしまうことです。しかし、採用サイトは公開してからが本当のスタートです。市場環境や求職者のニーズは常に変化しています。サイトのパフォーマンスを定期的に分析し、継続的に改善していく「運用」の視点なくして、採用活動の成功はありえません。ここでは、採用サイトを「生きているメディア」として育てていくための運用と改善のポイントを解説します。

Googleアナリティクスを活用した効果測定とPDCAサイクル

採用サイトを運用する上で、まず不可欠なのが客観的なデータに基づいた効果測定です。無料で利用できる「Googleアナリティクス」などのアクセス解析ツールを導入すれば、サイトに関する様々なデータを取得できます。例えば、「どのページがよく見られているのか」「ユーザーはどのようなキーワードで検索してサイトにたどり着いたのか」「平均的な滞在時間はどれくらいか」「どのページで離脱してしまうことが多いのか」といった情報です。

これらのデータを分析することで、採用サイトの課題が見えてきます。例えば、「社員インタビューのページはよく見られているが、募集要項のページへのアクセスが少ない」というデータが出たとします。この場合、「インタビューページから募集要項への導線が分かりにくいのではないか?」という仮説が立てられます。そこで、インタビュー記事の最後に、関連する職種の募集要項へのリンクを大きく設置するという改善策(Action)を実行します。そして、再度データを計測(Check)し、改善効果を検証する。

このように、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)というサイクルを継続的に回していくこと、これがPDCAサイクルです。[3] データという事実に基づき、仮説検証を繰り返すことで、採用サイトを常に最適な状態に保ち、成果を最大化していくことができるのです。[1]

ブログやSNS連携で実現する、継続的な情報発信

採用サイトは、一度作ったら更新されない「静的な」パンフレットであってはいけません。常に新しい情報が発信されている「動的な」メディアであるべきです。[2] なぜなら、情報の更新頻度は、企業の「活気」や「熱意」の表れとして求職者に受け取られるからです。最終更新日が1年前のサイトを見て、「この会社は今、本当に採用に力を入れているのだろうか?」と不安に思う求職者は少なくありません。

そこでおすすめなのが、ブログ(オウンドメディア)機能の導入と、SNSとの連携です。ブログを通じて、社内イベントの報告、新入社員の紹介、業界の最新ニュースに対する見解、社員が執筆した技術ブログなど、企業の「今」を伝えるタイムリーな情報を発信し続けることができます。こうした継続的な情報発信は、サイト全体の情報量を増やし、SEO(検索エンジン最適化)の観点からも非常に有効です。

さらに、X(旧Twitter)やInstagram、FacebookといったSNSで公式アカウントを運用し、ブログの更新情報や日常のちょっとした出来事を発信することで、より広い層の潜在的な候補者と接点を持つことができます。SNSで企業に親近感を持ったユーザーが採用サイトを訪れ、応募に至るという流れも生まれます。ブログとSNSを有機的に連携させることで、採用サイトをハブとした継続的なコミュニケーションの仕組みを構築し、企業のファンを増やしていくことが可能になるのです。

募集要項の最適化とエントリーフォームの改善(EFO)

採用サイト運用の最終的な目的は、応募の質と量を最大化することです。そのためには、サイトの入り口である「募集要項」と、出口である「エントリーフォーム」の継続的な改善が欠かせません。これらは、候補者が応募を決意する上で、最も直接的に影響を与えるページだからです。

まず、募集要項は一度作ったら終わりではありません。例えば、ある職種の応募が少ない場合、その原因は仕事内容の魅力が伝わっていないからかもしれません。その場合、具体的なプロジェクト事例を追加したり、その仕事で得られるスキルやキャリアパスをより明確に記述したりするといった改善が考えられます。また、応募のハードルが高いと感じられている可能性もあります。その場合は、「未経験者歓迎」の文言を加えたり、必須スキルと歓迎スキルを明確に分けたりすることで、応募の心理的な障壁を下げることができます。

エントリーフォームの改善(EFO: Entry Form Optimization)も同様に重要です。Googleアナリティクスなどのツールを使えば、ユーザーがフォームのどの項目で入力をやめてしまったか(離脱したか)を分析することができます。特定の項目で離脱率が高い場合、その質問が分かりにくい、あるいは答えたくないと思われている可能性があります。入力項目を減らしたり、質問の意図を補足説明したり、選択式に変更したりといった改善を繰り返すことで、フォームの完了率を高め、貴重な応募機会の損失を防ぐことができます。こうした地道な改善の積み重ねが、最終的な採用成果に大きく貢献するのです。

まとめ

本記事では、中小企業が未来の優秀な仲間と出会うための、戦略的な採用サイトの作り方について、多角的な視点から解説してきました。

もはや採用サイトは、単なる情報掲載の場ではありません。それは、企業の魂そのものを映し出し、未来の仲間との対話を生み出すメディアです。大手企業と同じ土俵で戦うのではなく、中小企業ならではの独自の魅力、すなわち経営者の熱い想い、社員一人ひとりの個性、そして温かい社風といった「見えない価値」を、戦略的なコンテンツと心を動かすデザインによって可視化すること。これこそが、採用成功の鍵となります。

「誰に伝えたいのか」を明確にするペルソナ設定から始まり、社員の生の声や客観的なデータで信頼を築き、スマートフォンユーザーを第一に考えた快適なユーザー体験を提供する。そして何よりも、サイトを公開した瞬間から、データに基づいた改善のPDCAサイクルを回し、ブログやSNSを通じて生命を吹き込み続けること。

これらの取り組みは、一見すると手間がかかるように思えるかもしれません。しかし、自社に本当にマッチし、共に未来を創っていける人材との出会いは、何物にも代えがたい企業の財産です。採用サイトへの投資は、未来への最も確かな投資と言えるでしょう。

この記事が、貴社の採用活動を次のステージへと進めるための一助となり、理想的なホームページ制作やリニューアルのきっかけとなれば、これに勝る喜びはありません。さあ、貴社だけの物語を紡ぎ、未来の仲間へと届けましょう。

採用サイトについては、
「設計」だけでなく、
なぜうまくいかないのか、
どこでつまずきやすいのか、
という視点も含めて考えることが大切です。

以下の記事では、
採用サイトに関する考え方を、
別の角度から整理しています。

参考

参考として、採用サイト設計の考え方に近い外部記事も記載しておきます(最初は本文だけで十分です)。

  1. 中小企業が採用サイトを作るには?事例と共に解説 – Wantedly
  2. 中小企業の採用サイト事例7選と5つの作成ステップ | 採用マーケティングの「トルー」
  3. ブログ 採用サイトを活用した中小企業の採用術!魅力的なサイト作成方法とは |新卒採用ならワンキャリアクラウド

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ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例

ホームページ制作やリニューアル、サイト運営サポートの事例を随時ご紹介させていただきます。事例は、基本的に実名掲載の実績とは異なり、実際の要望や予算、ボリュームといった具体的な内容を紹介させていただきます。
少しでもイメージしていただけるよう実際の事例を紹介していこうと思います。
ただし、それぞれのご依頼者のプライバシーやその他公開できない情報などもありますので、ご依頼者が特定できるような情報は掲載していません。

採用ホームページリニューアルをご希望の方

採用ホームページリニューアルをご希望の方は、ホームページリニューアルのページをご覧ください。

ホームページリニューアルサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページリニューアル作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。リニューアル作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。

ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、ライトプラン
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、スタンダードプラン
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プレミアムプラン
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

採用サイト運営サポートをご希望の方

採用サイト運営サポートをご希望の方は、サイト運営サポートのページをご覧ください。

サイト運営サポートサービスでは3つのプランをお選びいただけます。
ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、プランA
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、プランB
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、プランC
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン。
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

採用ホームページ制作をご希望の方

採用ホームページ制作をご希望の方は、勝てるホームページ制作のページをご覧ください。

ホームページ制作サービスでは3つのプランをお選びいただけます。
すべてのプランにはホームページ制作作業とリニューアル公開後1年間のサポートが含まれています。制作作業の内容は同じになっていますので、希望するサポート内容からプランをお選びください。

ホームページ運営者としての安心と少しのサポートを求めるなら、Sプラン
ホームページの積極的な運営とプロによる提案を必要とするなら、Mプラン
ホームページを本気で効果あるものにしたいと考えるのであれば、Lプラン
3つのプランの中にピンとくるものが無ければアレンジプラン
アレンジプランはご要望やご予算をお伺いしてご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

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ozasaオフィスピコッツ株式会社代表取締役社長
1971年奈良県生まれ。京都・滋賀を中心にWeb制作・DX支援を行うオフィスピコッツ株式会社代表取締役。制作歴25年以上、官公庁・大手企業から中小まで多様なサイトを手掛け、Webアワードでの受賞歴多数。ホームページ制作、リニューアル、SEO、補助金活用、多言語EC・オンラインショップ運営支援までワンストップ提供するWebマーケティングのプロ。新規事業立ち上げ支援や自治体DX、各種プロジェクトのアドバイザー、大学校・高校講師、PTA会長など活動は多岐にわたる。琵琶湖観光PRにも情熱を注ぎ、地域企業の売上向上と持続的成長を伴走型で支援し、日々研鑽を続けている。